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すれ違いの恋  作者: 瑞樹一
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ー沢渡宗司の場合その4ー

「なんだよ、わざわざ、そこを秘密にしなくてもいいだろ、誰だよ、上手い奴って」


「そんなに聞くならヒントとまでは言わないけど明日作る物は教えてあげるよ」


 姉ちゃんはわざわざ遠回しに物事を持っていきたがるのだがこの性格はどうにかならないのだろうか?

 でも、それが治るとしても他のところも文句しかないし、そうだ姉ちゃんの性格すべてをどうにかすればいいんだ!


「私の性格はどうにもできないなー、こんな優しいお姉様に問題なんて一つもないよ」


 オレも早くゾーンというものに入らなければならないようだな。

 考えたことを読まれやすいと言ってもこのレベルだと考えものだな。

 そして、姉ちゃんは半ば切れ気味に俺の前をむすっとした表情で歩いて行った。

 ちなみにこの場合の姉ちゃんはまだ怒ってないんだよな。


「はー、もういいからヒント教えろよな」


「もう少し宗司の思考読んで遊んでたかったけど、まあいいや」


 ほら、前にいたと思ったらすぐに俺の隣に戻ってくるのがその証拠。

 まあ、いつになったら弟で遊ぶのをやめていただけるのだろうなー


「ヒント発表しまーす」


 帰宅途中ということを忘れたのか、姉さんは唐突に大きな声を挙げた。

 すいません、御通行中の皆様。


「ちょっと、姉ちゃん声でかいんだけど……」


「発表しまーす」


 さらに声をでかくしやがった。

 天邪鬼なんだよね、そうだよね、お子様なんだね、オレが悪かったから許してほしい。

 すいません、この姉馬鹿なんです。

 町の皆様の視線が痛い……いつかこの町を追い出されるのではないのだろうか?


「明日の調理のヒントは昨日私が読んでいた漫画にありまーす!」


 ヒントがどでかい声で発表されてしまった。

 あれは穏やかで有名な安野さん。

 子供が打った野球ボールが窓を割っても子供は元気が一番と言って許したという逸話があるのに怒髪天ですでに枯れてお亡くなりになったはずの髪の毛が背景を通して逆立っておられる。

 すいません、うちのばか姉が。

 こいつ何を言っても治らないんですよ。


「ちょっと姉ちゃんトーン下げろよな」


「そんな事言ったって宗司が興味なさそうにしてるのが悪いんだよ」


 オレが悪いのか? そうだなきっとこの姉ちゃんをうまく使うことの出来なかったオレが悪いのだろう……


 この関係は今に始まったものではないしどうしようもない


 声のトーンが下がっただけで良しとしよう。


「で、さっき言ってたヒントってよくわかんないんだけど……」


「それは昨日私が読んでた漫画を読んで見ればわかると思うからそっち読んで見ればいいんじゃないのかなー」


「姉ちゃんが昨日読んでた漫画ってオレが買ってるんだからわかるよ、それよりなんで明日も姉ちゃんのあんまりうまくない漫画飯を食わなきゃならないのかを聞いてるんだよ」


「それは明日のお楽しみだね、お姉ちゃんのおいしーいご飯を食べるのかそれとも別の誰かのご飯を食べることになるのかね」


 さっき話していたこととは違うだろ、オレが姉ちゃんの飯はまずいと話したことが気に入らなかったのだろうか?


「まあ、いいやコンビニ飯にも飽きてきたことだし丁度いい」


 現在両親が不在のオレたちは姉ちゃんが飯を作らない時は絶賛コンビニ飯活用中となっている。

 なお、オレは料理を作るのではなく食べる専門なので作ろうとは思わない。


「そういうことで、明日はおいしいもの食べれるからお楽しみにねー」


 おいしいものねー、オレ的には今日から是非うまいものを食べたいのだが……


「じゃあ、晩御飯を買いにレッツゴー」


 そう言うと姉はもう食べ飽きているはずのコンビニ飯を買いに走って行った。


まず初めにお読みいただきありがとうございます。

 はい、瑞樹一です。

 

 昨晩は遅くなった分本日はちゃんと更新させていただきました!


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