ー沢渡宗司の場合その2ー
「……んっ?」
もし、今のオレの顔を見ることが出来るならさぞやとぼけた顔をしているだろう。
なんせ、どんな願いをされるのかと構えていたところにわけもわからないものが来たのだから……
「どうかした?」
「えっと、自己生活部ってあれだよな? 姉ちゃんが入ってる部活」
「そうよ、自己生活部訳して自生部が現在部員減少の為、廃部の危機なのよ」
「それなら姉ちゃん的には今年受験だし。いいタイミングじゃねーの?」
「ばきゃろー、自生部は私が先輩から受け継いだ伝統的な部なのよ! それを私の代で終わらせるのなんていやよ! いや!」
「なら勝手にしろよ、どうせオレが入ったところで変わんねーだろ?」
「あんた馬鹿ねー、あんたが入れば部員の定員数の五人に届くのよ! ってことで頼むわね」
「はー、オレの高校生活は姉ちゃんに振り回されるのかよ……」
まてよ、このお願いって思ったハードル低いんじゃないのか?
だって部活に入るだけなら。別に幽霊部員でもいいだろうし、オレ自身なんの部活動にも所属してないし最悪やめれば構わない。
「あっ、でも幽霊部員ってのは無しね。あと、部員が少ないから入部してすぐ辞めるのも無しね。もし、やめるとしてもあんた以外に部員の最低人数の五人が揃ってからにしてよね」
そういえば、姉ちゃんはそんな話してたな。
もちろん、オレのベットの上で、オレが買ってきたお菓子を食べながらなのだが。
布団の上で菓子食べるのはやめてほしいんだよな、寝ようと思ったら菓子の細かいごみが落ちていた時のオレの気持ちを考えてほしい。
誰かオレの待遇を改善してくれよ! 特に母ちゃんと父ちゃん!
そんなことに現実とお火をしていても姉ちゃんの期限を損ねるだけだということは自覚しているし、こういう時の対処法も知っている。
「まあそれぐらいならいいよ、明日から行けばいいんだよな?」
「さすが弟分かってんじゃん」
お前の弟を何年もやっていると諦めつくよ、せっかくの高校生活も姉ちゃんに奪われる運命か……
「それならほら、その闇のカード全部よこせよな」
「ほいほーい」
姉ちゃんはいつから忍ばせていたのか『姉の言うこと聞く券』をポケットから何枚も取り出し、オレに渡すと引き換えとばかりにさっきまでオレが読んでいた雑誌を奪っていった。
なんでこんなものを作ってしまったのだろう……
幼いころのオレよ、恨むぞ……
まず初めにお読みいただきありがとうございます。
どうも、瑞樹一です。
いつも読んでくれる皆様には大きな感謝とこの今の気持ちを歌にします。
といって簡単に歌えればいいのですけど歌えないですし、私の今の気持ちなんて早く寝たいという一言に尽きます。
あっ、皆さんへの感謝の方が大きいのでご安心を。
では、このあとがきまで読んでいただきありがとうございます。
次も明日には更新する予定なのでぜひお読みください。