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元〇〇と呼ばないで!  作者: じりゅー
元五章 宇宙人襲来!
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元三十八話 質問漬けにあってるの見てたら凍り付いてた

じりゅーの冬休みが今日で終了したため、更新速度は戻ります。

 祝日を挟み、火曜日を迎えた俺たちは学校で授業を受けなければならない。

 その為、リリナとジーナと共に登校していた。


「やっぱり調査するのはウチの高校か。」


「そうだよ!」


 ウチの制服を着てきたので予想は付いていた。

 通行人がちらちらとこちらを見てくるのは三人が歩く光景が日本離れしているためだろうか。金髪、銀髪、青髪の3人だからな。どこか異世界チックなのかもしれない。


「ジーナさん、高校の編入手続きは終わってるんですか?昨日来たばかりのようでしたが。」


「大丈夫!その辺は終わってるよ。

 リリナとマナ達のクラスに編入することになってるから、学校でもよろしくね!」


 うちのクラス転校生多すぎじゃないですかね。

 そろそろもっと転校生を分散されるべきとか言われそうだ。1か月くらい前にリリナと鴨木さんが編入してきたばっかりだからな。


「はい、こちらこそ。」


「俺もよろしくな。

 …それはいいんだが、その髪の色は何とかならないのか?その姿もカモフラージュなんだろ?」


「髪?

 この国では染色もあるし、大丈夫なんじゃないの?」


「学生は基本髪を染めたりしない。するのは不良とか地毛が派手な色で黒く染める場合くらいだ。

 派手な色に染めると、最悪不良のレッテルを貼られる。だからお得意のカモフラージュ技術でなんとかならないかと思ったんだよ。」


「あー、ごめん。色を変えるのは無理なんだ。」


「出来ないのか?」


「ザープ星人は元々地球人に近い外見なんです。

 それを更に地球人に近付けるようにカモフラージュしてるんです。細かい形を変えられても、色等の大きな変化は出来ないと言う訳ですね。台形から三角形に出来ても、黒から白には出来ないみたいな。

 同じ理由でサイズや色が違う獣や虫にもカモフラージュできません。」


「そんなもんなのか。」


 人間以外にはカモフラージュできないのか…


「…じゃあ、その服は?」


「この星に来る前に制服を模して作られた服だよ!

 完璧にコピーしてるから、誰がどう見ても貴方達の高校の生徒ってわけ!」


「服はカモフラージュじゃないのか。

 じゃあ、私服とかも用意しとかないとな…」


「大丈夫!服は持って来てるから!」


「なんだ、なら大丈夫だな。

 必要なら帰りに寄り道して買いに行こうと思ったん」

「買い物!?行こう行こう!!」


 寄り道と言った瞬間顔をズイッと近付け、目を輝かせる。


「うわっ、顔近付けるなてめぇ!おめぇ美人だから照れるんだよ!」


「どんな反応すればいいのそれ?」


「うるせえな!俺もお前と同じくらい困惑してるんだよ!」


「「イェーイ!」」


 漫才の後ハイタッチ。ちょっと痛い。


「何この2人…貴方達、本当に昨日会ったばっかりですよね?」


「ザッツライトォ!」

「イグザクトリィ!」


「「イェーイ!」」


 俺とジーナはまるで酔っ払いみたいなテンションで漫才を続ける。

 リリナは呆れ顔で、でも楽しそうにツッコミ役を続けていた。







「どこの高校だったの?」


「変わった名前だけどどこの国出身?」


「彼氏はいますか!?」


「今度君の家まで遊びに行って良いかい?」


「なんで髪青いの!?」


 クラスメイトほぼ全員に群がられ、質問攻め、というか質問漬けになっているジーナを見て始業式の事を思い出す。

 俺たちもあんな感じで質問され続けたものだ…


「リリナ。」


「なんですか鴨木さん?」


「あのジーナって人、何者?

 明らかにただの地球人じゃない。」


 鴨木さんがリリナに話しかけていた。

 流石元神と言うべきか、鴨木さんはジーナがただの転校生ではないということを見抜いたらしい。


「ザープ星人、と言ったらわかりますか?」


「………宇宙人ってことしかわからない。」


「知らないんですか?」


 あれ、意外だな。鴨木さんっていうか、神なら知ってるものかと思ってたんだが。


「存在を保つのに必死だっていうのに、別の星の人間を調べてる余裕なんて無かった。」


「…切実ですね。

 ジーナは魔法科学と呼ばれる技術を使うザープ星の住民です。

 地球に調査に来たとかで、彼女は女子高生としてこの星を調査するそうです。」


「貴女の仲間?」


「いえ、別に私の指金ではないですよ。」


「そうじゃなくて。

 貴女と同じ女子高生ごっこかってこと。」


「ごっこじゃありませんよ!何言ってるんですか!

 そんなこと言ったら、奈菜美さんも女子高生ごっこしてるじゃないですか!」


「…私は違う。

 今の私は人間。外見の人間年齢を16歳に設定したまま人間になったから普通の女子高生。

 でも、貴女は神のまま。」


「例え神のままでもこの学校の生徒なんです!だから私は正真正銘の女子高生です!!」


 醜い争いに目を背け、再びジーナを見る。

 何故か先程までの質問攻めは止まっていて、皆表情をピシリと凍らせていた。


「あ、あれ?どうしたの皆?」


 ジーナも困惑している。


「軽薄ナンパ男…」


 質問攻めの一員になっていたうちの一人が膝を突いてうなだれている。

 男子生徒の呟きから、またジーナが毒を吐いたのだと推察できた。

 笑顔からの毒って結構効くんだよな…あと、ジーナからそんなイメージ沸かないから初見だと凍り付くのも無理は無い。


「あー!違うんだ!ジーナは悪意があってそんなことを言ったわけじゃないんだ!

 ちょっと本音がポロッと漏れちゃっただけなんだ!皆だってつい思ったことを言っちゃうことがあるだろ!?」


「あ、ああ!そうだよな!」


「そうそう!ごめんね、ちょっと皆でびっくりしちゃっただけだから!」


「あ、う、うん…

 ありがとう、マナ…」


 再び質問攻め軍団(クラスメイト)の時が動き出す。

 小さな声の礼を聞いた後、俺は冷や汗をぬぐって席に戻り、大きなため息を吐いた。良かった、ジーナが孤立しなくて…


「マナさん、かっこよかったですよ!」


「ナイス。」


 すぐにリリナと鴨木さんの声が聞こえた。


「ああ、ありがとう。」


「…マナさん。フラグ、立てちゃいましたね。」


「あれしきで立つか。」


 それなら詞亜は守にゾッコンになるだろう。実際は恐怖の対象だけど。

 少し守にゾッコンな詞亜を想像してみる。


『貴方の事、怖いけど…大好き!』


 …無いな。現実では怯えきっちゃってるし。


「人は意外と単純。」


「鴨木さんまで…止めてくれ。

 友達として当然のことをしただけだ。」


「あ、また凍り付きましたよ!」


 ジーナあああああああ!!

 叫ぶのは心の中でだけにし、またフォローに行った。

 この後何回かフォローに駆けつけることになった。その度にジーナが嬉しそうな顔をしていたのは気のせいであってほしい。

 ジーナは人が慌てる様を見て喜ぶようなSじゃないんだ…!

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