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神の説得と管理者任命

前回の粒子設定に間違いを見つけましたので直しますです。

 やっと説明が聞けるようですね。どんなお話なのでしょうか。


 《さて、まず一つ目。俺はこの世界にannihilaterのような、世界を滅ぼすような粒子とかの存在が生まれないようにしたい。またあんなことになるのは避けたい。まさに地獄そのものだった。》


 予想よりずっとまともですね。いや、まだ一つ目です。油断できません。そのうち「世界を自分好みにしたい」とかいうんじゃないでしょうか。ん、ある意味これもそれと同義ですね。


 《目の前で人がannihilaterと化していくのは何とも・・・。えぇと、だからある程度の管理をしてもらいたい、と思うわけだ。Annihilaterが生まれそうになったら止めたりとかして欲しいわけだよ。》


 うん、やっぱりある程度はまともだ。


 《次に、理性とか知性のある存在が欲しい。できれば思考力のあるやつ。Annihilater対策を任せたい。》


 ん、それは・・・。


 《私がいればいいんじゃないんですか?それに自然に生まれそうですけど。》


 《君が死んだら困るだろ?》


 《私、寿命はないと思いますけど・・・。》


 《少なくとも12粒子が尽きればすぐに死ぬだろ。まぁ、そんなときの保険だ。あと、自然に生まれたとしても、やっぱりannihilaterのことは教ええもらいたいし、もしかしたら生命力に特化した生命体のほうが優良種になるかもしれないだろう?だから、理性とか知性とか思考力のある存在を確実に出現させるには方向性のある程度の指定が必要なんだよ。》


 む、なんだか失礼ですね。私はそんなすぐに死ぬほど軟弱ではないんですが。


 《あと、もしもの話だが、annihilaterが生まれた時のためにesperanceとかA~D概念のしみ込んだ粒子と

か概念そのものを使えるようにしてある。そんなときの対策に、人手がいるんだよ。かなりな。》


 こっちを主な理由にしてくれればよかったのにな・・・。


 《だから思考力のある存在が必要なんだ。あと多様性も欲しい。Annihilaterで何かしらの粒子や物質がやられても、対策できるようにしておきたい。》


 ええい、理論的なのが腹立ちますね。学者だったのを忘れていました。


 《以上の理由から俺はお前にannihilater対策とある程度生命体の指向性を定めてほしい。また思考力のある生命体にはannihilaterの説明や対処法など、万一に備えた対策法の指導とかも頼む。お前にはesperanceとかの概念の具体的な使用方法とかも教えるから、どうか受けてくれ。》


 くそっ、反論を思いつかない。このままだと受けさせられてしまうしかないではありませんか。はぁ。


 《・・・分かりましたよ。受けましょう。》


 《受けてくれるか!いや、お前が受けてくれなかったらどうしようと思っていたぞ!これで俺も気が楽に・・・》


 《で、対価は何ですか。》


 《は?》


 《対価は何か、と言っているのですよ。耳悪いんですか。》


 《え、受けてくれるんでしょ。》


 《えぇ、受けますよ。ですからその対価をって、まさか、対価なしでやれと!?》


 お、こんな穴がありましたか。よかったよかった。


 《いや、対価って、概念の使い方じゃダメか?》


 《いいえ、それはannihilater対策に必要なのでしょう?でしたらそれは仕事に必要だからと支給される道具のようなものです。対価は別物です。》


 《困ったな・・・俺には知識以外に与えられるものがないし・・・。》


 くくく、悩め悩め。話を長引かせろ。


 《つっても、引き受けてもらわないとほとんどこの世界も詰んだようなものだしなぁ。概念の使い方も自然と身につくようなものでもないし・・・。》


 そうだろうそうだろう。まぁ私は使えるんで、その心配はほとんど無用なんですが、黙っときましょう。


 《ううん、仕方がない。一生世界にかけろと言っているようなものだしな。いいよ。別の生命体で意識のあるのが生まれるのを待つよ。》


 《えっ。》


 あ、つい声が。


 《?どうした。》


 《い、いや、そんなに簡単にあきらめのか、と思いまして。》


 やばい、やばい。話を長引かせないと・・・。


 《まぁ、お前がやってくれないのはすごく困るんだが、対価といわれると全く思いつかないしな。仕方がないよ。》


 《いやいや、まずほかの生命体が生まれるかも怪しいんですよ?》


 《うーん。確かに。といっても無理強いはできないからな。そんなに俺はこの世界に影響力のあるわけでもないし。あと、お前が生まれてるし、別の生命体が生まれる可能性もかなり高いし。大丈夫大丈夫。》


 大丈夫じゃないんです!


 《確かに生命体が生まれる可能性はある程度はあります。少なくとも私が生まれるまでは観察しかしていなかったのですし。ですがその生命体が私と同じように対価を要求したらどうするんですか。》


 《いやに食いつくな。受けたくないんじゃなかったのか?まぁ、生命体が増えれば生命体間での利害が発生する。その利害に付け込めば何とかなるだろう。》


 くっ、下手に言いすぎるんじゃなかった!


 《しかし、あなたはどんな対価を用意できるのですか?その生命体に対して。》


 《そら、まぁ新しい武器としての概念とか?あとはDawnとか、Brighterとかその他に、そうだな。4衛星の粒子もいいな。星の位置で効果が決定するとかかっこいいし。》


 ええぃ、仕方がない。


 《・・・いいですよ。対価なしで。私が受けます。そのほうがいいんでしょう。》


 《・・・えっ、いいのか?やりたくないなら別にやらなくてもいいんだぞ?》


 《そら、やりたくはありませんけど?あなたに任せていると本当に世界が滅ぶ気がしますから。えぇ、やらせていただきます。世界のために!》


 《あ、あぁ、ありがとう。そんなに世界のことを考えてくれるなんて・・・。》


 なんか泣いてるみたいだし。なんなんでしょうか、こいつ。


 《ただ、あなたの方が知識は多いんだし、いろいろと話し相手になってくださいよ?》


 あっ、間違えた。


 《もちろんだとも!いつまでここにいられるかは知らないが、ぎりぎりまでお前に協力する!》


 よかった。


 《では、まず何すればいいんですか?》


 《そうだな・・・まずは、地上の9粒子を全部把握してもらおうか。特にDawn。あれはかなり使いやすいはず。》


 《いきなりかなり面倒ですね。それに性質はほとんど10粒子も変わらないのでは?》


 《10粒子のBrightenerは変質があまりなく、うまく概念で使えないんだよ。9粒子は概念要素が強くてうまくすれば仮想世界に閉じ込めることもできる。それに、これを自由に操作することで、地上の物質すべてを自由に操作できるんだ。》


 《つまり管理しやすくなると。やはりどこなく悪辣ですね。世界は俺のものだ~とか言いそうな感じです。》


 《・・・まぁ、実質そうかもな。あとそれするのはお前だからね?》


 《なぜですか?》


 《いや、俺は過去にいた人物の概念だけ抜き出した概念体だから、少しでも物質要素が入っているとうまく使えないんだよ。地上すべてとか言ったら、いくら概念要素の強いDawnといっても不可能なんだ。》


 《え、てことは私世界を支配しなきゃいけないんですか?》


 《お前は言い方がだな・・・。まぁいいや。少し急がないと。じゃあ今から概念の使い方を言うからしっかり聞けよ?》


 《え、ちょ、待って下さあい。》


 《なんか口調変わってる。でも待たん。まず概念というのは仮想世界でも通用し、形が残っていれば俺のように元となる物体が消え去っても残ることのできるものだ。この世界では意識というのはあくまで物質の反応から生まれるが、その意識下において概念を生むことができる。あぁ、ちなみに概念は本来の意味とは違うが・・・わかっているよな?で、だ。その概念というのを生み出すには複数の方法があるが、一番簡単なのは仮想世界を意識下において制作し、その中のものを取り出すことだ。仮想世界の作り方はまた後で。では、既に存在する概念はどう使うか?まずは意識のあるなかで強くその概念を認識する。認識したと思い込むだけでもいい。そうすればもうほとんど自由に概念は使えるはずだ。なに、意識があれば簡単さ。それで、仮想世界の作り方だが・・・》


 《ちょ、ちょっと待ってください。もはや受け取れません。》


 混乱して。


 《あ、そうか。すまない。お前もう概念を自由に使ってたな。》


 《・・・はい、そうです。》


 ということにしておこう。


 《というかこれも概念のやり取りでしたよね?》


 《そうそう。》


 これでいいかな。


 《そうか、じゃあ仮想世界の作り方は知りたいか?》


 《はい、知りたいです。》


 さっきの知識の中にはなかったし。


 《まず仮想世界というのは概念だけの世界だ。物質に影響されることは一切ない。物質のような概念は作れるけど。故に物質や粒子から作り出すのは不可能だ。そこでまず、意識下において枠を定義する。これが世界の全体像になる。次に、仮想世界を実態のあるものとする。これには前の世界では粒子実験で得られたConscious-Vale粒子を用いた。これは前の世界における電子の動きに極度に反応する粒子で、脳の電気信号を落とし込んで世界に反映させた。ちなみにConscious-Vale粒子は確か電子と重力を伝える粒子の衝突で得られたはず。違ったかな?まぁ、なんにせよこの世界で得ることは出来ない。それにあんまり反応しすぎてかなりの雑音が入ったからなぁ。》


 《そうですね。長い説明ありがとうございます。それでこの世界では?》


 《そう、それ。この世界では何が起きたかは知らないが俺の作った仮想世界を適用されていて、元から概念がそのまま世界に染みついていた。たぶん謎の多い粒子annihilaterによるものだとは思うが。それで、俺の作った概念のesperanceの染みついた粒子に干渉して・・・》


 《ちょっとまってください。》


 《なんだ?》


 《もしかして、仮想世界って妄想のことですか?》


 《・・・それで、概念の実体化は完了だ。簡単だろう?》


 こいつほんとに学者なのでしょうか。ただの妄想癖だったりしませんよね・・・?


 《できそうか?》


 《えぇ、まぁ。》


 《それじゃあ、管理よろしく頼む。》


 《はえーですよ。》

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