表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

神の接触と知識贈呈

粒子設定の間違いを訂正しました 2017/08/17

 私は、気づいた時にはここにいた。


 私は、気づいた時考えていた。


 私は、いつの間にか意識を持っていた。


 私は、動く。欲しいもののために。生きるために。


 「・・・おい。そこの植物。意識はあるのだろう。」


 私は外部から何らかの干渉を受けた。この干渉は私を構成する物体に影響を与えるようだ。まぁ気にするまでもないだろう。


 「・・・そうか、受音機関がないのか。なら11粒子を使って・・・。」


 また干渉を受けた。今度は私を構成する物質が破壊されたのを感じた。慌てて干渉を受けた方向を見る。何かある、のか・・・?


 「やっとこっちを向いた。聞こえるか?」


 ある程度の影響を確認。何かしらの概念を感じる。なんだ・・・?


 「やっぱり、聞こえてはいないのか。どうしよう。」


 変なものが浮かんでいるように見える。


 「そうだな・・・概念だけにしてみればいいのかもしれない。」


 なんにしろ、私を構成する物質を破壊したのだから気を付けたほうがいいだろう。


 《これで分かるか?》


 !?私以外の意識、なのか?分かる?何が?分からない。なんなんだ、これは。


 《お前は俺に干渉できないだろうし、一方的に話すぞ。まず俺は神だ。この世界を作った存在だ。理解はできるな?》


 訳は分からないが害意はないようだ。ところで「この世界」?ここは世界という意識なのか?私も含まれるのか?とすると私はこれに作られたようだが・・・。


 《俺のいた世界はある粒子、物質を構成する要素と種類を同じにするものによって埋め尽くされつつあり、俺はいることができなくなった。だから新しく世界を作って、その世界に逃げようとしたんだ。》


 粒子?粒子が物質を?じゃあ私も構成している物質は粒子によって構成されているのか?


 《仮想世界を概念で作ることには成功した。しかしその粒子annihilaterはもう俺を飲み込む直前で、逃げ込むことは出来なかったんだ。》


 ?これはこの世界を作った神だ。これはその仮想世界以外も作っていたのか?だとしても逃げ込む時間はない、と言っている。では、なぜこれはここにいる?


 《こうして俺は消滅した。概念としての仮想世界と俺の意識を別にして。世界は一度annihilaterで埋め尽くされた。だけど、この仮想世界の概念とそれに付随した俺の意識の概念が残り、annihilaterだけの世界に影響を及ぼした。そして俺の作った通りの世界に変遷したんだ。》


 ・・・これは神じゃない。世界の方向性を決めただけの存在だろう。


 《そしてここまで変遷したわけだが、ここから先は仮想世界の概念になかった世界になる。だが、あまり変な方向に行かれても困る。だから、ここで唯一意識を持つ生物といえるお前にある程度の方向性を決めてもらおう、と思ったわけだ。》


 この何かわからない存在は私に何かをさせたいようだ。私は生きるために欲しいものを求めるので精一杯でかつ何かできるとも思えないのだが。


 《とは言えお前に何か言ったところでやってくれるとも出来るとも思わない。そこで知識を授けよう。神の知識だ。よってお前が神になり、この地上を管理してくれ。しばらくの間俺もここにいられるし、多少なら協力もできる。》


 何かをやらされそうな雰囲気だ。・・・まぁやんなきゃいいだけか?いや、この存在は少なくとも今は私を一方的に破壊できる。やんなきゃいいということはないだろう。といっても私はあんまり動けないし何も出来はしないのだが。


 《では、知識を授ける。心して受け取るように。》


 心して・・・何かいやな感じだ。私は身構える。しばらくして、私を構成する物体の一部に違和感を感じはめた。それとともに私の意識に何かが入り込んでくる。なんだ、これは?どこなく嫌な感じだ。私を構成する物体が作り替えられているようだ———。


 《よし、これで全部だな。》


 終わったようだ。何をされたんでしょう?


 《俺が元居た世界の—というか滅んだ文明の知識などを流し込んでみた。いや、初めてだったが、結構うまくいくな。》


 なるほど、こんな場所があったのですね。で、今はないと。で、こいつはannihilaterに飲まれた学者の残留思念のようなもの、と。確かに神といえなくもないですが、世界そのものを作ったわけではないのですからやっぱり違いますね。


 《嘘はいけませんよ、嘘は。かつても嘘は駄目だったんでしょう?》


 しかし、こいつはいきなり押しかけて失礼な奴ですね。話を聞かせるために私の体に傷をつけたようですし。


 《!?順応が早いな、お前。普通知識を一度に与えられたら混乱するものだぞ?》


 混乱させるつもりだったんでしょうか?でもって手助けして恩を売ろうという魂胆でしょうか。なんて卑劣な。


 《つまり、私を傷物にしたのに、さらに乱暴したんですか。ひどい人ですね。》


 でもって自分の思い通りにしようとしたんでしょうね。極悪非道です。


 《待て待て待て、いつ俺が嘘をついた!?それに傷物ってなんだ?訳が分からないぞ!》


 《私を構成している物体に強い11粒子を当てて破壊したでしょう!ついさっきのことも忘れるなんてとんだボケですね。病院がもうなくて残念です。》


 《いや、あれはお前に話しかけようとして必死になっててな!?》


 《それに、了承も取らずに私が混乱するようなことをしましたよね?これはもう立派な思考操作です。洗脳と同じです!それに嘘つきですし。》


 《いや、知識に関してはいきなりで悪かったけど、意思疎通の手段がなくてな!?あと嘘つきって何なの!?そんな覚えないけど!つーか言いたいことあるから話しかけたんで一回やめにしてくれない!?重要なことだし!》


 全く、人の話を遮るとか、とんだ悪人に引っかかったものですね。


 《まぁ、いいでしょう。何をどうしてもあなたという存在は変化しないでしょうし。私は変えられてしまいましたが・・・しくしく。》


 思わぬところで人に影響を与えられるのって、かなり悲しいことですね。それが悪人ともなればなおさらです。自分が自分でないようです。


 《ほんとにお前は・・・てか、女だったのか?まぁ、いいや。弁解したいこともあるが、先に本題だ。》


 そういってこいつは話し始めた。



 《まぁ、なんだ。知識で大体状況は理解できたと思う。一回説明もしたし。で、俺がお前にやってほしいことは、この地上を発展させることだ。で、それだけなら別に何かしてもらわなくても勝手に発展するとは思うが、少し方向性を指定したいのと、早く発展するように手助けしてもらいたい。》


 はて、どんな世界にしたいのやら。手助けとは何ぞや。わからない。まぁ、説明があるだろう。


 《協力してくれ。》


 《えっ。》


 《なんだ?》


 《あまりにも説明不足です。最初の説明もほとんどわけわかりませんでしたし。最早詐欺としか思えません。そんなに罵られたいのですか・・・これは無視しないと私の損ですね。》


 《いやちょっと待って!?俺が説明不足のは分かるけど、お前も自己完結早すぎ!後罵られたくはない!》


 詐欺師のような話し方をする奴に用はない。欲しいものは12粒子だったし、赤い衛星からよく届くようだ。狙っていこう。


 《頼むから!待ってくれ!あんまり人と話さなかったから説明とか慣れてなくてめんどくさかったんだよ。許せ!》


 うるさいのがいるけど気にしない。だって12粒子がなくなったら死んでしまうし。無駄なことにかける時間はない。


 《ほんと、お願いしますよ!やっと見つけた世界の希望なんですよ!世界が滅ぶかどうかがかかっているんですよ!俺も後どのくらい此処に居られるかわからないし・・・。とにかくお願いしますよ!あなただけが希望なんですよ・・・。》


 ん・・・ここに居られるかわからない?


 《・・・いいでしょう。そこまで下手に出るのであれば、構いません。》


 《それじゃあ!?》


 《嘘をついたことや傷物にしたこと、混乱させたこととついでに説明くれるのであればその詐欺師みたいな言動やらを許して差し上げましょう。話はそれから・・・》


 《待て、俺は嘘をついた覚えなど・・・》


 《黙れ詐欺師。いい加減にしろ。》


 《・・・はぁ。仕方がない。で、謝ればいいんだな?》


 《謝罪というのは態度が重要です。そこのところ分かっていますか?》


 《・・・わかっているよ。あなたに傷を付けてしまい、申し訳ありませんでした。また、釈明や十分な前置きもなく知識を送り込み混乱させたことも謝ります。何のことかよくわかりませんが、嘘ついて申し訳ありません。説明をいたしますので、どうかお聞き願えますでしょうか。》


 《いいでしょう。これで傷物にされたこととかは許して差し上げます。》


 《・・・嘘の話はもういいが、その言い方はやめてくれ。何か違うことのように感じる。俺がしたのは傷害で・・・》


 《強姦も傷害も傷をつけるのは同じです。そんな釈明聞きません。あんまりそんなこと言っていると説明も無視しますよ?》


 《分かった分かった!もうそれでいいから、話は聞いてくれ・・・。》


 長ったらしい。なんど話題を戻せば気が済むのでしょう。話がしたいのはこいつでしょう?馬鹿なんでしょうか?


 《いいから早く説明してください。時間がもったいないです。》


 《ありがとう。じゃあ詳しい説明をする。》


 仕切り直して説明を聞く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ