プロローグ
「はっはっはっひぃはっ。」
ヤクヤ村付近の森の深く冒険者の男が走っていた。途中、腰に差した剣の鞘が何度か木にぶつかって転ぶがそんなことは気にしずひたすらただひたすら走っていた。
「ちくしょう!!」
(どうしてこうなった。ただのヴァンパイア1匹を殺すだけの依頼なのに!)
男は、パーティーのリーダーを務めていた。斥候が1人と魔術師が1人そして前衛の自分ともう1人パーティーのバランスが取れており多少時間がかかりはしたがランクBまで昇ることが出来た。そしてヤクヤ村近くにヴァンパイア討伐の依頼を受けた。ヴァンパイアのランクはB。自分たちのパーティーなら倒せる相手であろうと考えた。そしてヴァンパイアが弱い昼の時間をねらってヴァンパイアがいるとされる森に入った。
それが、間違いと知った時には遅かった。
ガサガサ。
男の後ろの方から茂みをかける音が聞こえてくるしかも、徐々にその音は近づいてくる。
「あああああ!!!?」
男は、叫びながら必死に走る。しかし、音はさらに近づき男のすぐ隣まで聞こえ始めた。
「逃がさないよ。」
「うぁぁぁぁ!?」
男の子のような声が男に喋ると男は、叫びながら腰に差した鞘から剣を抜きその声のする方に斬りつける。
しかし、その場には誰もおらず剣は空を斬りさいた。
男は、剣を構えながら辺りを警戒する。
「君たちが、悪いんだ。勝手に入ってくるから。」
暗闇の奥から幼い子供がゆっくりと出て男に言う。
「黙れ!!よくも!よくも!!俺の仲間を!!」
「殺そうとしてくるんだからこちらもそれなりの対応しないと。こっちだって生きているんだ。そして生きるために君を森から出すわけにはいかない。」
「・・・あぁ、そうかよ。」
男は呟くと握っていた剣にさらに力を入れる。
「逃げられないのはわかった。勝てないのもわかっている。だったらせめて1撃。1撃でもお前に与えてやる。」
そう言うと男は子供に向かって走りだす。
「君じゃ無理だよ。」
その言葉を男は聞く視界がグラリとズレる。足に力を入れようとするが力が入らない。
(何が・・・?)
男は目線を下に下げるとそこに足は無く土があった。
すぐさま後を見ると斜めに斬られた男の下半身が血しぶきを上げて倒れていた。それを見て男は驚愕のあまり悲鳴のあげて動かなくなった。
「これで、16人目。いい加減疲れたなぁ。」
子供はため息をつきながら茂みの奥に消えた。




