エピローグ
何とか、騎士たちを撒いてレイの部屋に
向かう。部屋に入るとレイが窓の近くにある
椅子に座って空を見ていた。
「どうやら、魔族は見つかったようだね。」
おれは、今回、起きたことを話した。
城の内部にいた魔族がエリアだったこと。
その魔族を殺したこと。
リターナーにも首飾りをバラまいており
パナウェイに攻めこんでくること。
自分が、騎士たちに濡れ衣をかけられている
ことは、あえて黙っておいた。
「そう、まさかエリちゃんが・・・」
親しくしていたとあって少し悲しそうな
顔をする。
「・・・ありがとう。エリちゃんの身体から
魔族を取り出してくれて。」
「だが、全ての魔族が見つかったわけじゃ
ない。リターナーが攻めこむ前に魔族を
見つけなければ。」
「うん。でも、後のことは私にまかせて。
魔族のことは私が王に直接、報告するから」
胸をドンと叩いて言ってくる。
「あぁ、頼む。・・・後、ついでに
1つ頼みたいことがある。」
「何よ?あらたまって?」
「宿に、おれの仲間が泊まっている。
そいつを匿って欲しい。」
「匿うって、自分で守れるじゃない。」
「おれは、すぐにパナウェイを出る
つもりだ。」
「仲間を見捨て?」
「あぁ。」
冷たい目でおれを見てくるレイを気にせず
肯定する。
「まぁ。いいけどね〜」
「・・・すまない。」
そして、影から1通の手紙を取り出す。
「これを、あいつらに渡しておいてくれ。」
「メンド〜〜」
面倒くさがりつつも、やってくれるらしい。
「で?仲間、ほったらかしてどこに行く
つもり?」
「・・・自分にふさわしいところさ。」
そう言い残して部屋を後にする。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私たちは、カモメ亭の前でグレンさんを
待っていました。
ここ数日、グレンさんが宿に戻って来なくて
心配していました。2人は、大丈夫と言って
いたけど内心とても心配していると
思います。
「グレンさん・・・」
「大丈夫だって、リーザは心配しすぎよ。
あの魔物も余裕に倒すヒトよ?
きっと無傷で帰ってくるわよ。」
「まぁ、夜に心配しすぎて寝れなくて
私の部屋に来る方は語るわね〜」
「ちょっと!ハナ!!それは、言わない
約束でしょ!!」
2人の会話に少し気持ちが楽になります。
(でも、グレンさん本当にどうして?)
「そこのお姉さん〜私とお茶しない〜?」
声が聞こえた方を向くと長い金髪でまるで
通りかかった人が振り向きそうな顔の美人が
親指を立てていました。
何を言っていいかわからず困惑します。
「・・・これじゃダメだったか・・・」
困惑する私たちを見て立てた親指を戻して
「ねぇねぇ〜そこの可愛い子ちゃん♪。
私といいことしない〜〜?」
今度は、両方の人差し指を出して突くような
動きをさせながら言う。
私たちと彼女の間に冷たい風が吹いた。
「これも、ダメっと。次は〜」
(まだ、やる気ですか!?)
「ちょちょっと待って!!」
レンズさんが、彼女を止めます。
「何よ〜今、考えているのに〜」
「いや!もう充分だから!!ていうか
もしかして、いやもしかすると
レイ・エドランシー?」
「そうよ。物知りね犬獣人さん。」
(うそ!!この人が、かつて勇者とともに
魔王を倒した英雄の1人
レイ・エドランシー!?この人が・・・)
何か、見てはいけない物を見た気分になって
しまいます。
「そんなレイ様のような方がどうして
こんなところに!?」
「あぁ〜そんな堅苦しいのとっていいよ
猫獣人さん。普通にレイって呼んで。
何だったらレイちゃんでも可。」
「じゃあ、レイ。私たちに何か用が?」
「そうだった!!いけない。忘れてた。」
そう言って1通の手紙を私に渡します。
手紙の表紙にはグレンさんの字で
リーザたちへと書かれていました。
私は、急いで手紙を読みます。
『リーザたちへ。
この手紙を、読んでいるころにはおれは、
いなくなっているだろう。時間が無いため
用件をさっさと言う。今、リターナーが
このパナウェイに向けて進行している。
おそらく、戦になる。そんな時にお前が
パナウェイにいては危険になる。
そこで、目の前にいる奴に匿ってもらうよう
頼んでおいた。いろいろ大変な奴だが
悪い奴ではない。頼りにしろ。
おれについては、もう忘れろ。そもそも
存在しなかったと思え。恩返しなど考えずに
自分の好きなことをすればいい。
きさまたちとの旅は楽しかった。
元気に生きろ。
グレン 』
手紙を読み終えた私は、地面に崩れ
落ちます。3人が、心配して声をかけてくれ
ますが耳に入ってきません。
その後、どうやって塔にあるレイさんの
部屋に行ったか憶えていません。
私は、『忘れろ』の文字が頭から
離れませんでした。




