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堕ちた英雄騎士  作者: CSS
第3章魔族の暗躍
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33話赤い死神

魔族が、魔術を放ち続けているため、

後手に回っていた。

「さっさと、くたばりなさ〜い。」

先ほどまでいた場所に土煙りが立つ。

おれは、走りながら冷静に考えていた。

(どこだ?一体、どれが魔道具だ?)

着ている鎧は騎士が付けている一般的な鎧で魔術が付与されているようには見えない。

腕を見るが、両腕とも籠手以外は何も

つけていない。見えるところには魔道具の

ような物は見つけられなかった。

また、後ろで煙が立つ。それを利用して

近くにあった建物の中に身を隠した。

壊れた窓から少し覗くと魔族は、おれを

見失い辺りを見渡している。魔族が、探して

いる間に考えを再開する。

(見える範囲には魔道具らしき物は無い。

何処に隠してある?)

もしも、見つからなかった場合のために

最後の手段であの『力』を使うことを頭に

入れる。あの『力』を使えば余裕で

あの魔族を殺すことは出来るだろう。

(だが、アレはあまり、使いたくない。)

こうしている間にも騎士団は向かって来て

いる。騎士団が来る前に殺さなければ。

そう思うと考えをまとめる時間は

無いだろう。

「どこよ〜早く出てきなさい。出て

来なさいよ〜!!身体に特大の穴開けて

あげるから〜」

魔族は、自分で立てた煙で姿を見失ってから

辺りに無差別に放っている。

幸いにも、おれのところは当たっていない。

(いくら、魔道具といっても万能じゃない。

いつかは必ず終わるはずだ。それまでここで

待つべきか・・・)

そこで、驚くべき者を目にする。

反対側の場所から1人のスラムの子供が

目を擦りながらこちらに向かって歩いてきて

いる。

「バカか!?早く逃げろ!!」

おれは、建物から出て子供に向かって叫ぶ。

「そこねぇぇぇぇぇ〜」

魔族が、子供に魔術を放つ。子供はただ

呆然と自分に向かって来る炎弾を見ている。

「あらゆる物を無に変えよ。」

『ダークフープ』

急いで、詠唱しダークフープで子供の前に

移動する。目の前には来る炎弾を

ノートゥングで防御しようとする。

(くそ!間に合わっ・・・)

身体が、爆炎に包まれる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「くくく、アハハハハ!!」

私は、つい笑ってしまった。でも仕方ない

でしょう。あの忌々しい黒騎士を葬ったの

だから。今、思えば最初に会った時から

危険だと感じていた。見た目もそうだが

何よりも、その内面からにじみ出ている

えたいの知れない化物を飼っているかの

ような感覚に恐怖していた。

(でも、終わったこと。あいつはもう

この手で・・・くく。)

今回は、切り札を使わなければこちらが

負けていたでしょうね。私は、そっとお腹を撫でる。

(まさか、身体の内部に魔道具があるなんて

夢にも思わないわね。)

悪魔の箱。コレが、私の最後の切り札。

身体の中に直接入れ、自分の血液を媒介に

して魔力を増幅する効果を持つ。

(でも、もう少し時間がたっていれば

血液が足りずに死んでいたわね。)

今だに、燃え続ける炎を見る。

「まぁ、もう終わったこ・・・」

その時、炎の中からあの黒い騎士が炎を

纏って駆けて来る。その姿は、まるで

血の色に染まる死神に見えた。

「ひっ!」

急いで、悪魔の箱を起動しひたすら魔術を

放ち続ける。しかし、死神は足を止めない。

私も、いろんな魔術を放つ。

炎の矢を身体に浴びせても。

赤い雷で身体を貫いても。

水の渦をぶつけても。

地面から巨大な拳を作り殴っても。

死神は、物ともせず駆けてくる。

私は、恐怖に襲われながら自分が出せる

最強の魔術を放つため詠唱する。

「ひっ火を司る者よ!求める者を燃やし

尽くし廃とかせ!」

『メテオラフレイム』

2本の角を持った炎の巨人が死神に突撃して

いく。さっきよりも強い爆発が発生し高い

火柱が上がる。

「こっこれなら・・・」

「目には目を。剣には剣を。そして・・・」

全てを、燃やし尽くす炎の中から何かを

言いながら炎から駆けて来る。その身体に

傷らしき者は無い。

「・・・うそ。」

「悪には悪を。」

そして、私の身体に赤い線が通った黒い

大剣が突き刺さった。

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