1話少女は出会う
洞窟の中は血の海になっていた。
辺りには、薄汚い服を着て錆びた長剣を手に持っている男たちが倒れている。その顔は青白く動かない。血の海の中心で少女は黒い鎧で全身を守る騎士を見る。騎士は手に持つ黒い大剣で少女の喉に剣を突きつける。
「貴様は悪か?」
偉丈夫は問う。
時は少し遡る
少女はリーザという名で生を受けた。少女の両親は商人だった。けっして裕福というほどではないないけど普通の商人よりは多少儲かっていた。リーザは今年で16になり次の街で両親に商人の仕事を教えてもらうはずだった。しかし、道中で盗賊に襲われた。冒険者を雇っていたが数が違いすぎた。こちらは6人で盗賊達は50人くらいで襲ってきた。敵の数がわかったとたん冒険者達は全員逃げだした。雇った意味がない冒険者達が逃げた後、両親は殺され、商品と私をは盗賊のアジトに連れていかれた。
地面が冷たい
近くで盗賊達の汚い笑い声が聞こえる。盗賊たちは酒を飲みながら今日の話で盛り上がっている。リーザが逃げたようとしても縄で両手両足縛られて動きがとれない。
(くやしい、父さんも母さんもこんな奴らに殺されてしまうなんて)
「うぁ・・・・・・」
そう思ったらリーザに瞳に涙が流れた。
数人盗賊が私の方に向かってくるリーザは後ろの方に下がろうとしても洞窟の壁に邪魔される
「お頭こいつヤってもいいっすか?」
盗賊の1人がリーザの体を見えて言う。彼女の身体は盗賊を刺激するには十分だった。
「あ〜ぁ?できるだけ丁重に使えよ長い紅い髪に胸はなかなかで顔も整ってる上玉だ。奴隷として売ったろ高値で売れるんだからな」
お頭と呼ばれていた奴がそう応える。
「わかってやすよ 」
そう言ってリーザの身体に手を出しくる。
「イぃ・・・・ヤ」
恐怖あまり声が出せない掠れた声になってしまったその声聞いて盗賊達が笑いだす
「大丈夫だって最初の方は少し痛いかもしれねぇがすぐ良くなるって」
盗賊達が私の服に手をかける。その手が化物の手のように彼女には見えた。
(こんな奴らに犯されて奴隷になるくらいなら魔物に喰われる方がよっぽどマシだ。・・・誰でもいい助けて!!)
リーザの叶えられない願いを願った瞬間だった。
洞窟の入り口の方から盗賊がまるで化物を見たような顔で走ってくる
「お頭たしゅ」
盗賊が何か言おうとしたが身体が何者かに縦に切られて言えなかった
リーザは凍りついた感覚が身体中に走るような気がした。そこにいたのは異形な鎧を着た騎士だった
全身甲冑で黒一色で右手には自分の身体を優に超えている剣を持ち、染まっている兜はまるでドラゴンの頭をそのままを被ったような形をしている。
鎧もところどころに紅い線がありまるで鎧に
血管が張り巡ってるかのようだ。
「テメェ・・・何者だ?」
お頭と呼ばれた奴がそう叫ぶ。しかし、声に迫力がない。無理もないだろう。
「・・・・・・・」
騎士は無言を貫いている。
「答えろ!」
お頭がもう一度叫ぶ。
「貴様たちは悪か?」
すると騎士がまるで問いかけるかのように言う。
「あぁ?俺らが悪党じゃなけりゃ何だっでいうんだよ。相手は1人だ!ビビってんじゃねよ!!」
その言葉をキッカケに盗賊達は騎士に襲いかかる
「そうか・・・」
それを聞くと騎士は大剣を片手で振り、前から来た盗賊四人の胴体を切る。
「ならば死ね」
そこからは騎士の殺戮が始まった。
大剣を一振りするだけで何人もの盗賊達が命を落とす。最初は50人もいた盗賊が今ではお頭ただ1人になってしまった。
騎士が一歩進む
「ヒィ⁉︎・・・」
一歩進んだけでお頭は一歩下がる。ここまで怯えてるんだもう闘う意志はないのは目に見えた。
「頼む!助けてくれ!!ここにあるもの全部やる!何だったら奴隷になってもいい!!
だから、命だけは見逃してくれ!」
お頭が騎士にそう言っている。自分の部下が殺されたのに薄情な奴だと思われるかもしれないが彼は自分の命を守るのに必死だった。
「目には目を。剣には剣を」
騎士が神に届ける聖句のように唱え剣を振り上げる。
「そして・・・悪には悪を」
最後にそう言って、剣を振り下ろした。お頭の身体から血が大量に出ている死んだのは間違いないだろう。そして、騎士は大剣の切っ先をリーザに向けた。
そして、最初の冒頭に戻る。