14話群れ
魔物との戦闘回数が、明らかに多くなっていた。猪が魔物化し、長いツノが生えたホーンブル。アリが、巨大化したような魔物ビッグアント。そして、ゴブリン。今も、ゴブリン50匹も倒した。
「・・・おかしすぎる。」
「えぇ」
「うん」
どうやら、2人も同じことを思ったらしい。リーザだけが、意味をわからないようだ。
「何がですか?」
リーザが、魔物の部位を剥ぎ取りを中断して聞いてくる。
「この現状だ。魔物との遭遇する回数が多すぎる。」
まだ、わからないのか首を傾げている。おれは、説明を続ける。
「もともとここいら一帯は、魔物は、あまりいない。それに、ゴブリンは大抵5匹か、多くても10匹でしか群れを作らない。50匹は明らかに、異常だ。」
説明を聞いて理解したのか、とても驚いている。
「大変じゃないですか!」
「あぁ・・・だが・・・」
その時、空からリーザに向かって何かが飛んでくる。それを大剣で斬り払う。見上げると
翼だけでヒトを優に超える大型のワシが3羽飛んでいた。
「ポイズンイーグル・・・か」
おれは、記憶にある魔物の名を出す。
ポイズンイーグル。ワシが、魔物化した魔物でその名の通り、毒玉を吐き出す。その毒は、危険で直撃すれば命を落とす。その危険度からランクDと認定されていたはずだ。さっき斬り払ったのはこいつらの毒玉だったらしい。
「うそ!基本1羽で行動する。ポイズンイーグルまで!?」
レンズが、驚くのも無理はないだろう。ゴブリンやビッグアントのような下級魔物ではないからな。そんな動揺を余所に、ポイズンイーグルが、おれたち、目がけて毒玉を吐き出す。
「来るぞ!」
おれとレンズは斬り払い、ハナとリーザは、後ろへ跳んだ。
ポイズンイーグルが、3発目の準備をし始める。
「きさまら、おれの後ろに下がってろ!」
そう言うと、すかさず魔術を詠唱を始める。
「影よ。我が命ずるままに形に変えよ。『シャドーグランプ』」
おれの影から大量の棘が、ポイズンイーグルを、襲う。ポイズンイーグルは、回避しようとするが、1羽が身体に無数の棘が生え、もう1羽も回避が遅れて、翼に穴をつくり、地に落ちたところを3人に止めを刺される。
「クケェェェェ!!!」
残り1羽となったポイズンイーグルが3人に毒玉を吐き出そうとしているが。
『ダークフープ』
すでに、魔術を詠唱してポイズンイーグルの上に移動していた。気が付いてこちらに、毒玉で対処しようとする。
「遅い。」
大剣で首から胴を切り離した。そしてまた、魔術で、地上に戻る。3人が引きつった顔で
迎えてきた。
「むちゃくちゃですね。グレンさんは」
リーザが、代表して言ってくる。
「そんなことは、どうでもいい。問題は、こいつらだ。」
ポイズンイーグルの死骸を見る。
「えぇ。ポイズンイーグルは、ここから西にある谷にしか生息しない魔物。それが、どうしてこんなところに・・・」
ハナが、考えたことを言う。
「それだけじゃない。群れない魔物まで群れて、行動する。一体何が起こってる?」
疑問は、深まるばかりだった。




