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ボクが異世界?で魔王?の嫁?で!  作者: らず&らず
第2章 ピースフルデイズ
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SS 激怒する者達?

 朝ご飯を食べたうちは皆と秘密基地に移動した。

 カナタがベヒモスバックパックを作っているはずやのに静かすぎる?


「メアリー、何か変な感じがするで? 体がふわふわするような……」

「ルナも? 私も何か力が沸いてくる気がするんだけど……」


 秘密基地に滑り降りた瞬間から体がふわふわする、まるでカナタの【魔力の源泉】を受けた時のようや。


「これ多分、魔力が溢れてるんだと思うわ。それとこれ、カナタの置手紙……」


 アヤカが奥から歩いてくる、何故か服が真っ赤になってる。血のニオイはアヤカのモノやけど……

 アヤカから手紙を受け取ったアンナが、手紙を読み額に手を当てて首を振っている?


「ボス、これ読んで見てください。カナタが今どうなってるか丁寧に書いてありますよ?」


 アンナが呆れてため息をついている。うちとメアリーは手紙を受け取ると読む……


「ふむふむ? 拝啓? いつも僕のカナタを守ってくれてありがとう、僕はカナタの守護天使だよ! カナタは魔法を暴走させそうになり、町ごと消し炭になりそうだったので眠らせてあるよ? 六日後くらいに目覚めるのでそれまで守ってね♪ 追記、カナタが戻ってきたら皆でカナタを監視してね? お願いするよ。ほっといたらまた死ぬかもしれないからね……」

「「「「「「……」」」」」」


 メアリーが手紙を読み終わった時には皆、無言でアヤカが指出す部屋を見ていた。その部屋の入り口には透明な膜が張られている?


「カナタはうちらが付いてないとダメやね。起きたらうちともう一人順番で警護に二四時間付くようにするで?」

「うん……そうだね、って!? 何一人だけ常時カナタと一緒に居る気になってるの! ずるいよ! 皆平等に一日交代で、時間が空いてるいてる人は自由って事で良いよね?」

「冗談やで?」


 メアリーは引っかからなかった。さすがメアリーや。うちはメアリーの尻尾と自分の尻尾を重ねるとスリスリする。


「もぅ、ルナはすぐそうやって誤魔化すんだから……」

「ボスの尻尾って可愛いですよね」


 メアリーはそう言いつつもスリスリし返してくれる。

 アンナが尻尾を褒めてくれた。カナタも時々無意識に尻尾を撫でてくれる、うちの自慢の尻尾や!


「で、カナタは無事で目が覚めたら皆で監視、あとは全員を心配させたからチュッチュって事でいいよね? それとこの気に皆のレベルUPをした方が良いと思うの。言いたくなかったけどカナタの足手まといだよ、私達……」

「うちらがカナタの枷になる? それはダメやね……」

「カナタを守る盾になるって決めたのに、私達弱過ぎますよね……」

「私達より騎従魔のラビニ・ラビサンの方が強いしね……」


 メアリーの発言に皆自身の力の無さに怒っている。うちももっと強くならないといけない。アンナとレッティはロイヤルガードやのにカナタに守られているのが申し訳ないと言っていた。


「適材適所じゃいけませんか? うちら三人は戦闘とか無理です、それに調薬が楽しくて……」


 研究所と書かれたプレートが張ってある部屋から知らない子供が三人出てくる?

 見た目がまったく同じで身長が階段みたいになってる。一番高い背の子がお姉さん?


「誰や?」

「「「「「「えぇぇー!?」」」」」」


 隣でメアリーまで大き目リスが蜂蜜舐めたような顔をして一歩後ずさった。うち何かしたん?


「もしかして……ルナ、功績を上げた者しか名乗れないとか言っておいて、自分が覚えれないだけとか言わないよね?」

「ボス……あまりにも酷い仕打ちだと思いますよ?」


 メアリーが尻尾を逆立てて詰め寄ってくる、アンナは口元を押さえて一歩下がる。

 ジャンヌが両手で口元を押さえ噴出しそうになっている、イラッとする。


「……もう一度だけ自己紹介しますね。うちはマリヤ、一つ下の妹のシャルロッテと一番下の妹のシャルロットね」


 誰この子? うち覚えてないねんけど……


「えぇっと、どう笑って良いか――じゃなくてどう言って良いか……カルキノスの爪を掲げた五人のうちの三人と言えば思いだします?」

「あぁ……アリスとアリシアとマリ()とシャルロッテとシャルロットやね、覚えてるよ?」


 ジャンヌはそう言うと笑いを堪えていた。

 そう言えば居た気がする、ジャンヌのPTメンバーやね。でも狩場で全然見た事無いんやけど……


「うちはマリ()です! 次間違えたら尻尾が禿げる薬をご飯に混ぜますからね? あんな年増と一緒にしないでください……」

「なんやて!?」


 マリヤはおっかない! 尻尾を守るように抱き締めて一歩下がると、隣でメアリーが一緒になって震えている。

 でも……多分カナタも覚えてないと思うよ? だってうちらと一緒にお風呂入ってないし、カナタも前全員の眷族化と才能開花が終わったって言ってた。朝ご飯にも顔出してないし何してるんかな?


「多分カナタも忘れてると思うで……いつもどこで何してるん? お風呂にもご飯にも顔出してないし……」

「ボスじゃあるまいし無いですよ~」


 メアリーがうちから目をそらし、アンナは茶化す。さすがメアリーはうちと同じ意見やね。


「普段はうちらはココで調薬してますね、調薬の材料は皆が取ってきてくれるし、プテレアがご飯も用意してくれるので……夜は一緒に眠ってますから。皆ぐっすり眠れるように皆に……なんでも無いです」


 マリヤが話してる途中で目をそらした。うちはそんなの覚えてないで? 皆を見渡すと皆首をかしげている。


「今何か言いかけたよね? 私の耳良いんだよ? 皆で眠るようになってから寝付きが良くなったと思ったけど、皆に何かしてたの!?」

「白いイチの実の香りを少々……」


 食って掛かるメアリーにマリヤは笑顔で呟いた。うちとメアリーはそれが何か知っている、食べたら眠くなるやつやね。


「……で? カナタにナニしたの?」


 メアリーが怒気を含んだ声で問い詰めている。ナニって何?


「ヤマシイ事は少し……もしてませんよ! うちらはちょっと抱きついてチュッチュしたりスリスリしただけです!」

「そう……なら良いけど、そう言う事は一八歳になってからってカナタが言ったんだからね? カナタを裏切ったらメッだからね?」


 メアリーは騙されやすい、本当に商人としてやっていけるのか心配になる。うちは知ってるで? 今の間が有った言い方はナニかしてるはずや!

 でもうちの事が有耶無耶になったからこのまま話しをそらすで。


「そう言えばプテレアは何で緑の丸いのになってるん? 昨日まで普通やったで?」

「そう言えばプテレアが繭になってるね。ラビッツ達と一緒で進化するのかな? プテレアはリトルエデン本拠地の要だから大歓迎だけど……」

「……これで貸し借りは無しですよ」

「ん? マリヤ何か言った?」


 話しをそらす事に成功した。マリヤが耳元で呟いてきたけどメアリーには聞こえなかったみたいやね。

 話しに参加せずにロニーとミリーがいつも通りに新しい部屋の内装を整えている、この二人はブレないってカナタが言ってた。うちはラビッツの干物を置く棚を作ってもらった恩があるので何も言わない。

 ジャンヌの後ろで正座して話しを聞いている四人に視線を移す。この子らは話しに参加して来ないけどなんでかな?


「フェルティとアズリー、レオーネとメリルやね! 何でジャンヌの後ろで正座してるん?」


 多分名前は間違えて無いはずや! フェルティはカナタと同じで戦闘では盾役やね。アズリーは基本通りの弓とカナタナイフを使う斥候役やね。レオーネも同じ弓とカナタナイフを使うけど魔法も使えるみたいやね。メリルは器用に黒鉄杉の槍の先端にカナタナイフを取り付けて槍と杖兼用している中衛で魔法がメインやね。戦う姿を見てるから覚えてるで!


「覚えられていたようで良かったです。私達はジャンヌのPTに移籍したのでPTリーダーを差し置いて意見する気はありません」

「別に気にしなくても良いのに……」


 フェルティがそう言いジャンヌが呆れた顔で苦笑いする。


「あれ? それやったら……楽園の盾のPTはロニーとミリーだけ?」

「「ギクッ!」」


 ロニーとミリーはわざとらしく声を上げアヤカの後ろに隠れる。


「楽園の盾はアヤカがPTリーダーになったから、人事異動があったのよ!」


 アヤカがロニーとミリーを庇う、ロニーとミリーは戦闘より内装や小物作りの方が好き見たいやね。でもうち知ってるで? ロニーとミリーがカナタサイズの人形を縫ってアヤカに渡してる事を。アヤカが物置部屋の奥で息を荒くして人形に抱きついていたのを見た事がある……少し開いていた扉の隙間から。うちがたまたま秘密基地を探索してたら見つけただけやから内緒にしておく。


「あれ? うちら何の話してたんやっけ?」

「ルナが話しそらすからだよ! カナタが起きたら皆でチュッチュ! あと明日からは強化週間ね? マリヤはシャルロットとシャルロッテと一緒に調薬をお願い、カナタから預かった例の薬がもうすぐ量産出来るんだよね? 完成品は薄めて小瓶で売る予定だからお願い。念には念をだから今日はこの後、皆で食料と保存食の買出しね。今朝見たけどプテレアの畑から大分蔓が延びていたから領主様にばれるかもしれないし、最悪カナタが起きるまで篭城だよ? もしもの時は子機で連絡するから狩り中でも戻ってきてね」


 いっぱい成長したらカナタ芋がもっと採れるようになる。悪い事なんて無いのにメアリーが変な事を言う。皆うなずいてるけど……何があるん?


「何で隠すん? うちは別にカナタ芋の木って言えば良いと思うよ?」

「ボスは考えが浅いと言うか……木に芋が生るわけないですよ?」

「ぷぷぷっ」


 アンナが呆れた顔でうちを見ているしジャンヌにいたっては噴出している。


「うちは大丈夫やと思うんやけど……」

「はいはい、一応準備はするって事でルナもお願いね?」


 メアリーが尻尾を絡めてくる。準備は大切やね、うちはラビッツの干物を量産するで! プテレアが起きたら燻製にしてもらえば良いよね?


「それじゃあ買った物はアヤカに任せるね? 皆準備して買出しに行くよ~」

「了解~! アヤカが付いて行って【宝物庫】で直接ここに持ってこれば良いのよね?」


 メアリーの号令で皆準備にかかる。やっぱりカナタが起きたらアウラ紐でうちと繋いでおかないといけない。今回は近くに居るけど……離れ離れは嫌や!


 こうしてうちらの六日間が始まる。

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