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ボクが異世界?で魔王?の嫁?で!  作者: らず&らず
第2章 ピースフルデイズ
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第59話 緊急依頼その2!美味しい話には裏がある?

 もうすぐ三回目の鐘が鳴る。太陽も丁度真上に上がってきているお昼時、楽しいランチタイムはお預けで東門へと走る。緊急時なので広間や大通りに人の影は少なく、北門から移動させられた怪我人や今日出発予定であったのか馬車が数台待機している。


 東門の方角から一度聞こえた壁の軋む音も現在は止まっている。ガルワンとスコールは四人組と一緒に東門へと向って行ったそうなので、なんとか間に合ったのだろうか?

 今朝から姿を見せていないラビッツ達も気になるけど、プテレアの畑の中から気配がしたので多分大丈夫だろう……さすがにラビッツをモウモウと戦わせるのは無理があると思う。


「何で東門だけ他と違って遠いの!」

「東門を出てすぐにダンジョン『奈落の穴』の入り口があって一応簡単な囲いが作られているからか、儲かるダンジョンを無視してその外側の森には誰も入らないのです。そんなこんなで開拓が進んでないんですよ……」


 ジャンヌが説明してくれるけど、ボクが聞きたかったのは街中の東門が遠い理由なんだけどね! 噴水があったのが中央広間だと思ってたけど、全然中央じゃなかったみたいで西寄りに有るみたいだ。


 走っていってたら間に合わない可能性がある、停止飛行を使い町の上空を直接飛んで行く? いや、飛行速度が遅過ぎる。遅い……遅ければ加速すれば良いよね?


 試しに地面から10cm程飛行し地面を思いっきり蹴って前へ移動する。成功した!

 普通に飛ぶより明らかに勢い良く前に飛んだ。ボクのやっている事を見て何か思いついたのかアヤカが手を振っている?


「カナタ! 飛べるの? ちょっと私も飛んでみたい!」


 ただ飛んでみたいだけの様子だ……仕方なくアヤカを左手で抱え右手でジャンヌを抱えて飛ぶ。地面をキックして前へ加速する、走った方が速いルナが何故かボクの背に飛び乗ってくる。


「うちもうちも! 加速するで!」

「えぇっ!?」


 ルナが全身をバネの様に使い地面を蹴ると弾むように加速し上空へと飛び上がる、でもこれじゃダメだ。

 ルナの滑空が発動して素早く地面に降りてくるも上空に飛び上がる分ロスがある……飛ぶのか!

 不意に良い事を閃いたので実行してみる。結界でボク達の周囲を覆い上空から集めてきた空気を背後から結界に当てる。一瞬結界に凄まじい振動が加わるもすぐさま停止飛行で制御し加速する。

 町の上空を東門へと爆飛びしているボク達、アヤカとルナはノリノリで喜んでいるけどジャンヌは青い顔をしていた。


「見えた! 何あの大きいモウモウは!?」


 普通のモウモウは大きくても1mくらいの高さで尻尾までの体長が2m有れば大きい方だ。モノクロームREVOLTモウモウでも高さ2mくらいで体長が3mあるくらいだった。対してあの小山の様なモウモウは高さ4m体長6mはある、厳つい牛顔に牙が二本? 何故か一本は半ばで折れている。


『キングREVOLTモウモウLv121』


「上位種だ! レベル121もあるよ!?」

「アレや! うちが見たモウモウやで? ラビイチが折ったから牙が半分無いやろ?」


 ルナが説明してくれるけどラビイチが牙を折った? どういう事なのか、ラビッツに牙を折られるほど弱そうには見えない。運が良かったのかもしれないね。


 東門の前には盾を構えるクラン員が一人、二人、三人……一人足りない!?


「ルナ、アヤカとジャンヌをお願い。滑空して降りていって! 一人見当たらない、多分壁よりに待機しているのか町よりに居ると思うから合流してね。ボクはこのままチャージアタックするからもっと加速するよ!」

「うちも……レベル差が有るんやね。皆の事はうちに任せてな! カナタ絶対死なんといてや!」

「怪我してもアヤカのヒールで治すから死ぬんじゃないわよ?」


 ルナは一瞬考え思いとどまった様だ。レベル差があるので不用意に攻撃をもらうとルナでも危ない、アヤカは初めから特攻する気は無いみたいで、ジャンヌは……気絶していた。


「ジャンヌが気絶している……初めて空を飛ぶんだししょうがないかな? それじゃあ命大事にだよ!」


 ルナの滑空で降りていく一人と抱っこされているジャンヌを見届け、スマホからスヴェルを出し前方に構えると加速を開始する。

 次は背後からではなく前方の空気を圧縮して燃焼させ背後に送り出すラムジェット方式を採用する。超硬化のかかった装備に加え、三重に張り巡らせた結界。ボクのレベルは1001だからレベル差もあるし一発で片を付けれるはずだ。


「行くよ! メテオストライク!」


 加速開始から一秒で音の壁を突破し、振動を停止飛行で押さえつけ狙いを定めキングモウモウへと突撃する。

 キングモウモウへと直撃したと思った瞬間――華麗なバックステップで避けられた!?

 凄まじい衝撃と爆音、大地を抉り衝撃で地面にクレーターが出来上がる。


「ゲフッ、ゴフォ、何でメテオストライクが回避されたの……」


 立ち上がり素早く皆の方へ下がると敵を探す、土煙が酷くて何も見えない。


「カナタまずいわよ! アヤカのヒールじゃ手に負えない、血が止まらないの」


 焦ったアヤカの声が聞こえてきて頭が冷え切る。背後を振り返ると血塗れで片足が折れ曲がったガルワンが先ほど見えなかった一人を庇う位置で倒れている。スコールはそんなガルワンに覆い被さるように気絶していた。

 アヤカは倒れているクラン員の胸と手に自分の手を当ててヒールを使っていた。両手で硬皮の盾を構えていたのか砕け散った盾の破片が胸に刺さっており、両手は原型が無いくらいグチャグチャに潰れている……

 土煙が晴れるのを待たずストームで視界を確保する……敵が居ない? 今のうちに回復と立て直しを行なうしかない。


「【治療D】回復しない!? まさか……」




 名前:フェルティ(彼方=田中=ラーズグリーズの眷属)(魔力欠乏)

 種族:人間 年齢:13 性別:女 属性:無

 職業:狩人 位:無し 称号:無し ギルドランク:F

 クラン:小さな楽園


 レベル:41[28+13]☆

 HP :142/269[200+28+41]

 MP :0/55[14+41]


 攻撃力:16[14+2]

 魔撃力:14[14]

 耐久力:34[28+6]

 抵抗力:2[1+1]

 筋力 :27[14+13]

 魔力 :27[14+13]

 体力 :41[28+13]

 敏捷 :41[28+13]

 器用 :41[28+13]

 運  :NORMAL[1]

 カルマ:1187[1401]


 UNS

 :無し

 EXS

 :無し

 スキル

 :【生存の心得F】【鋭敏聴覚F】【鋭敏嗅覚F】

 :【鋭敏視覚F】【鋭敏味覚F】【鋭敏触覚F】

 :【気配感知F】【危機感知E】【視線感知F】【隠蔽F】

 :【生活魔法】【治療F】【解体D】

 Aスキル

 :【シールドチャージ】


 装備品

 武器  :黒鉄杉の槍[攻+2]

 盾   :硬皮の盾[耐+1]

 兜   :ラビッツの帽子[耐+1]

 仮面  :無し

 服   :天使御用達の服[耐+1抵+1]【浄化S】【自己修復S】

 鎧   :トロール皮のベスト[耐+2]【自己修復F】

 腕   :無し

 腕   :無し

 靴   :ラビッツの靴[耐+1]

 その他 :冒険者リング

     :布のバックパック




 咄嗟に左目で見るとちゃんとHPは残っていた。アヤカのヒールによって大分回復しているのか肌の血色は良い、症状にある魔力欠乏とMP0が治療を妨げている原因の可能性が高い。


「フェルティ! 今治すからね、これくらいの傷じゃ冒険者は死なないよ!」

「こっちは何とかなるで! ジャンヌも早く起き!」


 ルナはガルワンの怪我を治療し、一瞬考えた後スコールに治療をかけると尻を蹴っ飛ばし、ジャンヌのお尻も叩く。

 先ほどの飛行で気を失っていたジャンヌは目を開け状況を把握しようとしている。攻撃を受けたと思ったのかお尻を擦って辺りを見回しているけど犯人はルナだからね。


 ボクは治療をかけながらビックWARビーの加熱蜜結晶を口に含むと、粉々に噛み砕きフェルティに口移しで与えて念の為に解毒も行なう。

 原因を取り除いた結果か、両手は直ぐに元通りに戻り胸に刺さっていた盾の破片も肉に押し出される様に抜けて血が止まった。

 隣で泣きながらヒールを使用してくれていたアヤカにもキスをし頭を撫でてあげる。


「カナタ後ろ! 敵は二匹居るんです!」

「何だって!?」


 背後から聞こえた盾を構えたクラン員の言葉に、咄嗟にフェルティをアヤカに預けガルワン達も覆えるほど広い結界を設置して戦線に復帰する。それにしても名前が呼べないのは不便だ。

 ルナには悪いけど緊急時なので簡易鑑定だけでも済ませておく。


『アズリーLv41』

『レオーネLv41』

『メリルLv41』


 フェルティもLv41だった。この四人は予想外にレベルが高いし同じレベルなのは四人一緒に努力しているのかな? 東門を突破されないように粘っただけで十分功績になると判断し、名前を呼ぶ事にする。


「アヤカはフェルティをお願い、結界は一応張ったけどなるべく早めに町に入ってね? ルナはガルワンとスコールの回収もお願い。アズリー、レオーネ、メリル、ボクが来るまでの状況説明をお願い!」

「「「名前で呼ばれた!」」」


 三人は名前を呼ばれた事に感動しているのか緊張の糸を緩める。ボクの視界の端に白と黒の影が映る!


「敵がまだ居る、上位種が来るよ! 惚けるのは後にして!」

「「「サーイエッサー!」」」


 全力で走り出し三人の前に立つとギリギリキングモウモウの尻尾アタックを硬皮の盾で防ぐ事に成功する。ボクの腕は全然平気だけど超硬化がかかっているはずの硬皮の盾にヒビが入った。まともに受けていたらボク以外重傷を負う可能性が高い……というか体が上下に分かれるかもしれない威力だ。

 ヒビの入った盾をキングモウモウ目掛けて投げつけると、生活魔法の帯電を五十倍の威力で盾に流し爆裂させる。

 少しは目くらましにでもなったかと思ったけど、キングモウモウは後方へと下がっていた。

 牛っぽいくせに前進と後退がどっちも滅茶苦茶早い、メテオストライクも察知して避けて見せたし相当賢いのかもしれない?


「状況説明を! 何で二匹? 今目の前に居るやつ以外にどんな敵が?」

「私達が東門に着いた時には、門の横に体当たりする大きいモウモウと門に体当たりする小さいモウモウが居て……小さいと言っても大きいですけど! 咄嗟に四人揃って『シールドバッシュ』を使い小さいモウモウを弾き飛ばした所までは良かったのです……大きいモウモウが体当たりしてきてフェルティが盾ごと飛ばされて、間に合ったガルワンとスコールのおかげで体勢を立て直せたんですが。フェルティは回復しないしガルワンは片足を踏みつけられて突き飛ばされ、スコールは威嚇の声を上げながら尻尾で弾かれ……いつの間にか大きいモウモウは居なくなるし、凄い音と地面に大きな穴が開いたと思うとカナタが現れて! それでそれで!」


 両目に涙を貯めて話すアズリーの頭を撫でて落ち着かせると後ろに下げる事にする、相手が悪過ぎる……この敵はボクが倒す!


「ありがとう、もう大丈夫だから少し下がっていてね? 後は姿を見せない小さいモウモウの行方が気にになるけど今はこの大きいモウモウ――キングモウモウを倒すよ!」

「えっ? 目の前に居るのが小さいモウモウですよ?」


 驚愕の真実……開いた口が塞がらない、目の前に居るキングモウモウは高さ4m体長6mはある。


「目の前!? っと危ない!」


 話している間に接近したキングモウモウの尻尾アタックがボクの足を襲う、狙いは弁慶の泣き所のようだ。

 レベル差もあるので多分大丈夫だと思いながらも、弁慶の泣き所を強打した時の痛みを思い出し咄嗟に玄武の盾で尻尾を弾く。反撃をしようにもキングモウモウは10m以上離れた位置に移動していた。


「大きいってどれくらい? これの倍?」

「はい……丁度町の壁を乗り越えれないくらいの高さでした」

「高さ8m体長12m? それ何てモウモウ? 何それふざけてるの?」


 惚けていたボクの胴体を薙ぐ様に尻尾アタックが繰り出される、見えていたけど盾を構える暇が無い……


「っと! 尻尾ゲット~」

「ブモォ?」


 横薙ぎに繰り出された尻尾を両手でガッチリ確保すると地面に引きずり倒す。

 ヒットアンドアウェイが得意な素早い敵を倒すにはどうするか……考えれば簡単な事だ。

 惚けて隙をわざと作り攻撃を誘う、後はつかんでボコル!


「すごすぎる……さすがカナタ私の嫁ね!」

「ブモッォォォ! ブォォッ!?」


 笑顔でこちらに手を振るアヤカは非常に誇らしげに町の中から様子を窺う冒険者達に自慢していた。


 鳴き声がちょっと五月蝿いのでキングモウモウには黙っていて貰おう、生活魔法の帯電を尻尾から直接流し筋肉が硬直するレベルを探る。案外簡単に痙攣を初め動かなくなるキングモウモウ。

 経験値の為にクラン員に倒させるのが良いかな? ボクが一瞬考え三人を見るとフェルティが復帰して四人組みに戻っていた。そしてフェルティの口から発せられる言葉に絶句する事となる。


「カナタ、私達にそのモウモウ倒させてもらって良いですか? 両手の仇も有りますし……それに生きた獲物に【解体D】を一回使ってみたかったんです♪」


 冒険者はドン引きである……そう言えばさっき左目で見た時【解体D】を所持していた。試した事無かったし試そうと思った事も無かったけど、解体は死体以外に使っても効果はあるのかな?


「元からフェルティ達に倒させるつもりで生かしてるんだし良いよ? 解体は試した事無かったけど出来るのかな? ボクの持っている【分解】も似た効果だけど……」

「名前……ありがとうございます! 体張って東門を守って正解でした!」


 ちょっと他の三人に悪そうにしつつニヤケながらスキップでキングモウモウに近寄るフェルティ、気絶していたから分からないかもだけど三人とも名前知ってるからね。

 キングモウモウへ四人が手を付き解体を使用したようだけど何も起きない。四人とも解体スキル持ち? 何も起こらない……やはり解体は死体限定なのかもしれない。


「【解体D】は生きているモノには効果無いみたいです……残念~」


 四人は残念と言いながら嬉々とした表情でキングモウモウに槍を突き刺す、ふとレオーネがボクの後ろの方へ視線をそらすと何故か手招きしている?


「見習いさんと新人さん、一発ずつなら攻撃しても良いですよ? 滅多に無いチャンスです、クラン『小さな楽園(リトルエデン)』の盟主カナタ様の慈悲にすがりなさい」


 そう言うとレオーネは暴れても危なくない様にキングモウモウの前後の両足を踵で切断する、武器を持っていない見習い用に黒っぽい半透明な解体ナイフを渡す……あの半透明感、どこかで見た様な?


「このナイフはカナタが作り出した魔法のナイフです、恐ろしい程切れ味が鋭いので注意してくださいね?」


 アッー!? よく見たら10cmほどのその黒っぽい半透明なナイフは、ボクがこっそり誰にも気づかれないように、ダイヤの製造を行なおうとして作った失敗作の欠片だ……持ち手になる所にはなめされた皮を細切りにして幾重にも巻きつけてあり手を怪我しない様に工夫してある。


 あのダイヤは結構頑張ったんだけど……適当な石や土から【分解】と【冶金】を全力使用して集めた炭素を一二枚の性質の異なる結界で覆った空間で超高温超高圧をかけて作り出したのは良いけど、微妙に黒っぽいし大量の原料を投入した割に作れたのは15cmくらいのボール台の固まりが一個。九割ほどのMPを消費したのに結果が微妙だった。結界を解いて熱を冷まそうと冷やした瞬間爆裂し、秘密基地の一室は見るも無残な光景になってしまった。危うく死にかけた事と、全身にダイヤの欠片が刺さったプテレアからの苦情により二度と秘密基地でのダイヤの製造を行なえなくなってしまうほどの……

 いつの間に忍び込んで引き抜いていったのか、間違い無くあれはあの部屋に突き刺さっているダイヤの欠片だ。


 手渡された解体用ナイフの鋭さに恐る恐るキングモウモウを攻撃していく子供達、モウモウは雄の意地なのか声を上げない様に耐えている……


「気のせいかアヤカどなどなが聞こえる……」

「気が合うね……ボクも聞こえる気がする」


 全員の攻撃が終わった。そろそろ楽にしてあげる方が良いだろう……

 時間にして数分でもまだ大きいモウモウが残っているとの事なので万全を期すのに越した事は無い。


「そう言えば【解体D】は効果無かったけど【分解】も意味無いのかな?」

「さぁ……【分解】スキルなんて聞いた事無いです」


 ダメ元だと思いキングモウモウに手を付いて【分解】を使用する。


「ブモォォォォー!? ブグォー! モォォォ……」

「「「「「「……」」」」」」


 皆が囲んでキングモウモウを見ている中、自動的に【分解】されていくキングモウモウ。左目で見ると魔力で出来た手? の様なモノがキングモウモウを分解していく様子がわかる。血飛沫が飛び全員の体を真っ赤に染める。咄嗟に地面に結界を張ったおかげで分解されたキングモウモウ――だった素材は汚れる事無く、無言でルナが用意した肉用の壺へと収容される。さすがのルナも顔をしかめていた……


「肉に皮、内臓に骨や他の素材、解体は無理だけど【分解】はいけるみたいだね……ごめんなさい!!」


 スキルによって利用価値無しと判断され地面に残った部位・臓物や汚物に無言で土をかける皆。

 目から光りが失われている気がするけど気のせいじゃないかもしれない……


「分かった? 美味しい話には裏があるって事です!」


 レオーネは自分が言い出した事から発展した惨事の責任をボクに押し付けると、生活魔法で水を出し一人ずつ血を洗い流していく。


「アクアスプリングラー! 今日全部終わった後にリトルエデン本拠地の庭で料理を振舞うから……皆食べに来てね?」

「「「「「「オッー!」」」」」」


 水を撒き全員の汚れを落とすと、自腹覚悟の宴会を開催する旨を伝える。

 ボクの言葉を聞き目に光りが戻った子供達……こちらの世界の子供は逞しくて良かったよ!


 普通ならトラウマ確実な光景を作り出した【分解】をもう生き物に対して使わないように心に誓うと、大きいモウモウの行方を捜し始めるのだった。

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