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ボクが異世界?で魔王?の嫁?で!  作者: らず&らず
第1章 チェンジリング
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第25話 マリア仕事をする!強制依頼発生?

 冒険者ギルドへ入るといつもと雰囲気が違っている、皆どこかよそよそしい?

 依頼・クエストが張ってある掲示板の方へ進む人はどこか緊張しているし、カウンターへ向かう人はほとんど居ない、バーカウンターで飲んでいる人がほとんどでどこか様子を窺うような雰囲気だ。


 カウンターを見てもマーガレットさんとロッティは居ない、始めてみるイケメン犬獣人さんがロッティのカウンターに居る、まだ来ないみたいだしマリアンさん特製サンドイッチをバーカウンターで食べる事にする。


「ルナ今のうちにお昼食べておこう?」

「ワンッ」


 サンドイッチは硬パンを使っているけどスライスされてる分食べやすい、スイーツレモンの汁が硬パンを丁度良い柔らかさにしてくれている。具はラビッツの茹でたやつと水菜っぽい野菜とスイーツレモンの輪切りにトマトみたいなのが挟まっている、このボリュームで味も満点だから5銅貨なら売れるに決まっている。


「飲んどけ、奢りだ」

「ありがとうございます、何かいつもと違いますね」「ワンッ」


 バーのマスターがスープを二杯奢ってくれる、良い人だ。


「あぁ、ギルドマスターが久しぶりに仕事をしているんでな、今日は皆外に出たがらないんだよ」

「用事を思い出したので帰ります。マーガレットさんにギルマスが居ない時にまた合いましょうって伝えといてください」

「もう遅いみたいだ」


 バーのマスターが指差す方向を見ると……マリアさんが両手を広げて立っていた。


「か~なたさんに、働けと言われたので久しぶりにギルドマスターの仕事をしに来たんですよ?」

「アレは冗談なので孤児院に引き篭っててください……」

「【絶壁】が原因なのか?」「ギルマスを動かすとか【絶壁】は凄いやつだなおい」「【絶壁】許すまじ」


 すっごいアウェイ感がする、味方は居ないのか!マーガレットさんとロッティはどこ?

 あ、よく見たら後ろの方に二人とも居た。表情が暗い、どう考えてもマリアさんのせいだよね。


「カナタさん奥の部屋へどうぞ……」

「私まだ昼ご飯食べていません、外で何か買ってくるので逃げて良いですか?」


 マーガレットさんはもう諦めモードで、ロッティは逃げる気満々だ。

 こちらとしてもクリスティナさんに見つかりたくないので奥の部屋はありがたい。



 通されたのは前に入った事のある密談に使いそうな部屋だった。確かここ会議室って言ってたような気がする。

 ヤル気満々のマリアさんを前にヤル気が無い三人と、もう眠る用意をしているルナの面子は静かにマリアさんの話を聞く。


「それでは緊急依頼:ビックWARビー討伐でカナタさんには追加の依頼を受けてもらいます」

「ロッティがばらしました」


 依頼は良いけどマーガレットさんは何を言ってるのかな?逃げ出しそうなロッティの首根っこをつかんでいる。


「どんな依頼ですか? マーガレットさんロッティが顔真っ赤にしてるので放したほうが……」

「カナタは【アイテムボックス】に似たスキルか魔道具、いやそこまでの能力ならマジックアイテム? をもっているんですよね?」

「ロッティがばらしました」

「その事だけですよ? 他に何も喋ってませんからね! 信じてください!」


 アウトー、ロッティスリーアウトチェンジだよ!ほっといたら全部ばらしそうな勢いだ。


「マーガレットさん……取り合えず絞め落としといてください」

「了解しました♪」

「ぐぇ」


 冗談で言ったのに実行するマーガレットさん、よっぽど溜まってるんだね……


「えっと何の話でしたっけ? あぁアイテムボックスじゃないので」

「他とは何かとここでは聞きませんよ? それではマジックアイテムですか、売るとしたらいかほど積めばよろしいです?」

「イデア=イクス結晶を積まれても売れません、では依頼の内容をお願いします」


 スマホは1m離れたら手元に戻ってくるし売ったら詐欺になるよね。依頼内容もこの話をするって事は運搬系かな?


「こちらが指示する物資を運ぶ依頼です、もちろん緊急依頼に必要な補給物資なので引き受けてくれますよね? 物資は倉庫にもう用意してあるので入れるだけです」

「用意万全ですか? 何を根拠にボクが必ず受けると思っているのかわかりませんが、拒否する事だって「契約書~」出来ませんよね……」


 ずるい、契約書の話をボクは漏らせないので黙るしかない。


「契約書ってまさかカナタさんギルマスに弱みを握られているんですか!」

「この緊急依頼が終わったらお金を返してもらうだけで解放を宣言しても良いですよ?」

「受けます……」


 どんな心変わりか解放してくれるそうだ。お金はレイピアも売って少し稼げばすぐ半金貨1枚くらい貯まるはずだよね。


「素直な子供は大好きですよ? ヨシヨシ」


 マリアさんがヨシヨシしてくれるけど微妙な気分になる、早く補給物資を回収して戻ろう。


「今から倉庫へ行きますか?」

「早い方が終わったあとゆっくり体を休めれて良いとおもいます。ギルマスはもう帰ってください他の者が仕事になりません」

「そのマジックアイテムの能力を聞いたら帰ります~」


 もう早く帰ってもらおう、スマホの収納くらいは知られても問題ないし疲れた。


「収容できる最大数は現在四個までで重量無制限、中は時間停止、容量も無限、アプの実一個でも大きな木の宝箱でも一個は一個なのでまとめて大きい入れ物に入れて貰えればいっぱい持てます」

「ハッハッハッ、ここまで来ると冗談と言われても信じてしまいますよ? 入る数は少ないですがまるっきり【アイテムボックス】じゃないですか。アイテムボックスが付与されたマジックアイテムなど現在まで発見された事が無いと言うのに……機密事項に指定するので外ではベヒモス袋の亜種と言ってくださいね?」


 マリアさんは何故か笑っている、んん?ベヒモス袋って似た魔道具だったような、亜種で通用するなら今後そう言っとこう。


「ベヒモス袋と似たような物ですよね? 重量と容量と時間が、あれ? 結構凄いのか」

「ダンジョン主が最終羽化を終えて外に出てきた魔物の王と呼ばれる怪物、ベヒモスを討伐したさいにドロップした素材で作られたのがベヒモス袋です。この冒険者ギルドはベヒモスが居たダンジョンの上に立てられたんですよ? もちろん非売品で討伐に参加したメンバーしか手に入りません。まぁ参加した人数が二〇〇名以上になるので大半は王都のオークションで売られて散らばりましたが……」


 ベヒモス袋は非売品らしい、これはスマホ強化を急がないといけないね、魔水晶に魔力を定期的に入れる事にしよう。


「それを超えるマジックアイテムです、どれだけ凄いか分かりますか?」

「気をつける事にします、それではマリアさんサヨウナラ~」

「カナタさんこちらです」


『カナタさんが冷たいです』と言いながらマリアさんは帰っていく、落ちたままのロッティを置いてルナを背負いマーガレットさんについて行く。前回通った道は10mも無いくらい短い通路になっていた。

 一回目は一〇分くらい歩いたのに……防犯登録が終わったのかな?一回目は誰でも時間がかかるというのは身内に泥棒が居たらどうするんだろうか?



 倉庫は一つの大きな広間で壁にいっぱい扉が並んでいる、一つ一つの扉が五畳から二〇畳くらいの部屋になっているらしく貸金庫タイプの大きい版だった。

 全部の扉に鍵と魔水晶をはめる穴のような物が付いている、防犯だろうか?


「ここの倉庫はランクB以上の方が登録すれば個人で使う事も出来ます、例外もあり貢献度が高い人も使用可能になっていますね」

「無料なら今度貸して欲しいです、一番小さい部屋で良いので」

「それなら今登録させてもらいますね、例外としてマリアさんに許可は貰いますので、登録した人以外は入るのにサブマスター以上の権限が必要なので注意してください」


 ボクとルナの共用倉庫にしよう、予備の天使御用達の服も何着か増やして入れておけば仲間が増えた時に破かなくて済む。


「ボクとルナの共用倉庫にするので二人まとめて登録お願いします」

「この水晶に登録する人全員の冒険者リングを近づけて、エントリーノーマルアカウントと唱えてください」


 どう考えても英語……ノーマル以外でもいけたりするかも?ちょっと試したい。


「あ、さっきの部屋にロッティ置いてきましたね、ちょっと渡したい物があったので連れて来てくれますか?」

「はい? 分かりました。勝手に中に入らないでくださいね? 登録したら待っててください」


 マーガレットさんは何も疑わず素直な良い子だ。

 今の内に試そう、ノーマルアカウントって事はノーマルじゃないやつかな?アブノーマルなわけないし……ハイランク?あ、管理者アカウントとかどうだろう?


「エントリーアドミニストレーターアカウント」

「ウェルカムトゥフォースヘブン」


 一回で成功したよ!水晶が光ってどう見てもOKって文字が表示された!


「この水晶をはめると開くのかな? 台座が赤と緑の扉がある、赤は使用中だと思うからここは緑で!」


 五畳の間とプレートに書かれている部屋を開けて見る、中は普通に3m×3mくらいの部屋で、当たり前だが何も入っていない。

 透明なタッチパネルっぽいのが入り口に表示されている、ここから棚やベット?や机などをON・OFF出来るようだ。これってマンションの一室みたいだけど古代文明の遺産なのか……他には部屋の内容物の検索とか出来るみたいだ。

 管理者権限の行使は多分他人の部屋を空けれるとかかな?別に要らなかったね……


「ルナ何してるの?」「ワンワンワンー」


 ルナが一つの扉の前でスンスンしている、何か臭うのかな?台座の色は黄色!?

 ここだけ黄色だし扉が厳重に封印されてる系で怪しさ抜群である。


『ダンジョン:ベヒモスの巣穴入り口』


 鑑定さんが良い仕事してくれた!

 でも迂闊に開けるような事はしない、まだここは無理だと思うし情報収集していつか必ず。


「カナタさん~」


 マーガレット達が帰ってきたみたいだ。ロッティに何あげようかな、あげれそうな物が食べかけのサンドイッチくらいしかないよ!ごまかすか……


「ロッティ、あーんして?」

「何ですか? あーん、むぐもぐもぐ!」

「食べかけで悪いけどお腹すいてたんでしょ? このサンドイッチ美味しいよ」


 ロッティが鼻血噴いて倒れた……

 マーガレットさんが呆れ顔で見てくるけど、こんな反応されるとは思わなかったんだからしかたないよね!


「どうするんですかそれ……」

「登録してこの部屋に決めたから、指示してくれたら物資収納するよ?」


 その後ロッティを放置したまま馬車三台分の物資を()()()()収納する事に成功したのであった……


「絶対馬車出すところ見られたらバレますね……」

「そこはほら……マリアさん秘蔵のマジックアイテムを借りた事にできない?」

「カナタさんの頼みなので何とかします……」


 改めて規格外なスマホの性能を実感する、帰ったら魔水晶を吸収させよう。


 ずっと眠ったままのルナを背に緊急依頼まで後一日、何をするか考えながらロッズ&マリアン亭へと戻る道を歩く、明日は平和でありますように。

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