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ボクが異世界?で魔王?の嫁?で!  作者: らず&らず
第1章 チェンジリング
27/224

第24話 ルナ無双開始?貴族のお嬢様登場!

 門の外に出て初めて目にしたのは……座って何かを待つ冒険者の群れでした。

 何を待っているのか分からない、どうしてこんな事になってるんだよ。


 門の入り口から大体100mくらいまでだろうか?踏み均された茶色い土が一面に広がり5m間隔くらいでそれぞれのPTが待機している、ボクもルナも呆然とその光景を見ている。

 一応、真っ直ぐ通る道だけが開いており、道を通って歩いていくのは大人の冒険者だ。子供っぽい冒険者の大半はここで待機している、何が始まるのかと見ていると……あ、ラビッツが生えた!

 生えたてのラビッツは、すぐ側に居た冒険者によって首をクイッっとやられて狩られている。

 これが俗に言う出待ちですか、ラビッツが哀れに思える光景を尻目に道を歩いていく、もっと遠くに行かないと獲物にありつけそうにない。

 多分あの5m間隔が冒険者ルールみたいなやつなのだろう、新参者なのでトラブルは避けたい。


 少し遠くに見える森と言うより林かな?あちらの方へ向かう大人の冒険者が多いので、ボクとルナもそちらへ向かう事にする。


 林手前で緑色の小型鬼と戦う二人組みを見つけ少し観察してみる事にする。


『ゴブリン(小)』


 あれがゴブリンか、一人は金属製の盾と棘付きの鞭を持ったメイドチックな服装の銀髪に銀色の瞳の女の子で守りを担当しているみたいだ。時々ゴブリンの足を鞭で狙い転ばせようとしている。

 もう一人は黒髪黒瞳のサイドツインで……あれ?こっちの女の子貴族様のような気がする、動きが硬いけど丸い皮製だと思われるバックラーを上手く使い攻撃をいなし、ちょっと重そうなロングソードを片手で振るっている。

 素人のボクが見てもあのロングソードを装備している女の子は動きが悪い、多分剣が重過ぎるのだ。

 ショートソードかレイピアを装備すればなかなか良いPTになるんじゃないだろうか?多分あの鞭を持っている子は従者か何かなのだろう、自分からは決して攻撃に行かずひたすら隙を作る事に専念しているように見える。

 ルナがうずうずしているのでそろそろ行こう、丁度あっちもゴブリンを倒したみたいだしね、額の角を抉り取っているのが見えてちょっとビビル。


 大人の冒険者達もこの林の中で狩りをする様子で、まばらに生えた木を避けながら思い思いの方角へ散らばって行く、ルナが何か見つけたようだ。

 走り出すルナを追いかけるとそこには……狼が居た。


『フォレストウルフ(小)』


 あの小ってやつはサイズの事みたいだけどいつの間に出るようになったんだろうか?実は【簡易鑑定】も成長してるのかな。


「ルナ! 試しにボクにやらせて、追加で来た敵は全部倒して良いよ」「ワンッ」


 ルナは案外ボクが言いたいことを分かっているみたいで、言葉が通じていなくてもある程度合わせてくれる、相手は一匹だしここは黒鉄杉の槍棒でどこまで行けるか試すチャンス!


 ルナが下がるとボクを標的と定めたのかフォレストウルフは唸り声を上げて向かってくる。見える!

 硬皮の盾で向かってくるフォレストウルフの突進を受けて攻撃に出ようとすると、受け止めた盾ごと後ろへ飛ばされる。

 痛い、ルナが受け止めてくれなかったら木にぶつかっていた……予想以上に重い攻撃だ。受け止めるのは良くない、次からはそらす方向で行こう。

 考えている間に体勢を立て直し再び突撃してくる、次は盾でそらし槍棒で殴る事に成功したが予想以上に硬い。

 何これ本当に弱い敵なの?一応ひるんでくれたので追撃する、足を狙いひたすら槍棒で殴る、キャンキャン痛そうに泣いているが全然倒れる気配が無い。

 足を狙った甲斐があり、足を引きずるように逃げるフォレストウルフを滅多打ちにする、五分くらい叩いていただろうか、血みどろの毛皮に全身の骨がボキボキになったフォレストウルフは力尽きたようだった。

 神の呪の効果でダメージが1になっているのは分かっていたけどこれほど大変だとは思わなかった。

 しかもレベルが上がってない、1から2へ上がるのはすぐだと思ったけど一匹じゃさすがに上がらないようだ。


「【解体E】何も無し……」「クゥ~ン」


 ルナが鳴いて頬を舐めてくれる、フォレストウルフは解体しても何も出てこなかった……損傷が激しすぎると解体でもドロップアイテムは出てこない事がわかった。消えた肉やら毛皮やらはどこへ?

 また獲物を見つけたのかルナが走り出す、追いかけるボクはどうやって倒すか悩む事になる。


『ゴブリン(小)』


 次見つけたの先ほど見たゴブリンだ。ルナがあらかじめ一撃入れたのか初めからふらふらしている、ルナありがとう。ルナは下がってこちらのフォローをしてくれている、次こそカッコいいところ見せないとね!

 次は初めから全力で行く、ゴブリンに向かって走り出し盾を半身に構えてゴブリンの首目掛けて槍棒を全力で振る、『グェォ』と気味の悪い声で鳴くゴブリンをひたすら首狙いで殴る、殴る、殴る、おぉ!今回は四回殴っただけで倒せたよ、ルナが尻尾フリフリで次の獲物を探している。


「【解体E】ん、魔晶の欠片一個とゴブリンの角が一個か……良い物か同かも分からないし後で聞いてみよう」


 布製のリュックに放り込むとルナが走っていった後を追う、前方から『ワンワンワンー』と鳴き声が聞こえるルナが何か大きめの獲物を見つけたみたいだ。


『オーク(中)』


 やっぱり居た!定番の豚野郎を発見する、ルナがもう既に半殺しにしているけど体の一部が元気絶頂状態だ。吐きそう……グロイよ、オークはボクの方が組し易いと思ったのかヨダレを垂らしながらこちらへ突進してくる、思わず逃げる!逃げた方向が不味かった。ボクを追うオーク、その後ろからルナが走ってくる。


「ルナ助けて! そいつイヤ、やばいキモイ」

「ワンッワンッ」


 予想以上に死に物狂いで追って来るオークは早い、肩越しに後ろを振り向くと舌を伸ばしたオークがすぐ後ろに迫っている、捕まりたくない……何されるか想像もしたくない。


「イヤァァー!」

「助太刀いたします!」


 声が聞こえて振り返ると、横から金属製の盾を構えた先ほどの女の子が飛び出してくるところだった。


「ハァー【シールドバッシュ】」「ワンッー」


 盾で弾き飛ばされルナの一撃をもろに貰ったオークはビクビク痙攣しながら横たわっている、ルナが近くに埋まっていた40cmくらいの岩を持ち上げて手渡してくれた。これで止めを刺せって事?


「その岩なら急所に当たれば一発で倒せるくらいには弱っているはずです」


 どうやら止めを刺して良いみたいだ。思いっきり振り上げて頭の上からオークの急所へと投げつける、『グビョェー』とこの世の終わりのような声を上げるオーク、だがまだ死んでいない?近くにはもう岩は無いし槍棒で叩きたくも無い!


「フィンガーフレイムボム!」


 咄嗟にピヨピヨを落とした事を思い出し急所へ向かって火種を連打する、一〇発打ち込んだところでオークは息絶えたようだった。


 経験値が規定値に達しました。レベルが上昇します。


「攻撃力が無いと思ったらあなたは魔法使い系の職だったのですか?」

「一応そんなところです、先ほどはありがとうございました」


 思わずへたり込みそうになりルナに支えてもらう、この豚野郎の分配をどうしようか考えているとあちらの連れも追いついた様だ。


「ガーベラ! はぁ、はぁ、ご主人をほっぽいてどこに行くのよ、はぁ、はぁ」

「緊急事態でしたのでこちらを優先しました」

「ご主人以上に優先する事なんて無いでしょうが!」

「あちらにおられる御方がオークに襲われていたので救援を……それにここにはお嬢様に敵う魔物など居ませんので、このガーベラ安心してご主人を放置できました」

「ふん、それもそうよね、この私クリスティナ=ヘルヴォんぐ」

「お嬢様?」


 ガーベラって人がご主人の口を鷲づかみにして言葉を止めた!凄い従者だ。気のせいかヘルヴォルとか聞こえた気がしたけど間違いだよね?王様と同じ家名の貴族がこんなところに居るわけないし、それよりも早く解体して分配しよう、ルナがうずうずして今にも走り出しそうだ。


「先ほどは従者のかたが助けてくださってありがとうございました! ボクはカナタと言います早速ですが分配はどうしましょうか?」

「私はクリスティナそっちのが従者のガーベラよ、あなた弱っちいんだからこんな森の奥に来ちゃダメじゃない。分不相応な行いは身をんぶ」


 ガーベラさんがまたご主人の口を鷲づかみにして言葉を止める、この人本当に従者なのか。

 関係無いけどここは林レベルの気がする、森といえば帰らずの森だよね。


「そっちのが呼ばわりされたガーベラと申します、以後お見知りおきを」

「これは丁寧にどうもボクはカナタでこちらの子はルナ、ボクの()()です」


 一応相棒を強調しておく、相手は貴族様だし『妖精の悪戯』とか呼ばれるのはボクが我慢できない。


「ふん」

「分配は必要ありませんカナタ様、全部お持ち帰りください。それにその中型オークは大きすぎてベヒモス袋に入れるにしてもここで解体する事になってしまいます、引きずって町まで戻る事をオススメします」


 クリスティナお嬢様はルナを見て特に思う事は無いのか辺りを警戒している、それにしても様付けで呼ばれるとムズ痒い、止めてもらおう。


「その、様付けは必要ありませんよ? ボクは貴族でも無いですし助けてもらった身なので、そちらのクリスティナお嬢様にはご迷惑をおかけして申し訳無いです」

「はぁ? あんたそれ本気で言ってるの? その真っ黒な髪に真っ黒な瞳、どう考えても王族に近い血が流れているに決まってるじゃない、どこの家の者よ私の目を誤魔化そうとしてぬぶ」

「お嬢様お静かにお願いします」


 やっぱり勘違いされてたみたいだ。カーナさんは一応ラーズグリーズ家縁の者みたいだけど王族なはずがないしね。


「えっと、それじゃあ全部貰って行きますね? 【解体E】オークの牙二本とイデアロジック(絶倫)一個とオーク肉50kgにオークの玉が一個っと、え……何この玉」

「一つつぶれてしまったようですね、玉は精力剤の原料になるらしいですよ?」


 げんなりしつつスマホから木の宝箱を出し中に入っている壺へ肉を全部放り込む、一壺が満タンになった。オークの牙は布製のリュックにしまいこみ、イデアロジック(絶倫)は少し考えて木の宝箱に入れる。

問題の玉は正直触りたくないしどうしようかな?と躊躇していると、ガーベラさんが小さい瓶を取り出し中に入れて渡してくれた。


「その瓶は雑貨屋で売っている品です差し上げますよ」

「ありがとうございました、それでは先を急ぐのでこれで……」


 クリスティナお嬢様が口をぱくぱく金魚のようにしているがほっとこう。


「待ちなさいよ!」

「何でしょうかクリスティナお嬢様?」

「クリスティナよ……」

「はい?」

「お嬢様なんて付けなくて良いって言ってるのよ! さっきのスキルはもしかして【解体】なの! それに【アイテムボックス】持ち? 冗談にも程があるわ」


 面倒な人だった。適当に誤魔化して逃げよう、ここさえ乗り切ったら町は広いし顔を合わせなくても良いかも知れない。


「確かに【解体】スキルですけど【アイテムボックス】は持っていませんマジックアイテムの効果ですよ、ではこれにて……」


 スマホをそれとなく取り出し見せすぐ後ろを振り向いて歩き始める、ルナが尻尾を振りながら付いてくる。


「待ちなさいよ! この私クリスティナ……の配下になりなさい! 貴族じゃないのなら問題無いでしょう?」

「嫌です、ではサヨナラ~」


 全力で走って逃げる、がまたオークが目の前に現れて足を止める事になる……


『オーク(大)』


 こいつでか過ぎじゃないかな?3m以上あるよ、どう考えてもここら辺で出る敵じゃない気がする、神の呪が絶賛発動中だね。


「ふん、助けてあげてもよくってよ? あ、ガーベラ何勝手に」

「助太刀いたします、明らかにここらで出る敵じゃありません。お嬢様も下がってください危険です」


 やっぱりヤバイ敵みたいだ。どうしようこれ全力で急所狙って火種連打しちゃう?あまり手の内をこの人達に見られたくないし……ん?ルナがコッチを見て尻尾を振っている、殺る気である。


「ルナ、これからの敵は全力で倒して良いよ! なるべく損傷は少なくして欲しいけど」

「ガァーウ! ワンワン」


 ルナは素早く走り出しオークの背後に回ると気がつかれる事無く急所を抉り取り、大口を開けたまま絶命寸前のオークの首を猫パンチで千切り飛ばす……首は三人の丁度真ん中へ飛んできて地獄を見たであろう引きつった表情を見せる。


「「「は?」」」

「ワンワンワン~」


 ルナは尻尾を振りながら抉り取った物を差し出してくる。

 先ほどの瓶に詰めると浄化で手を綺麗にしてあげる。

 あれれ?五秒もかからず倒したんだけど……


「【解体E】オークの大牙二個と魔晶の大欠片一個とオークの肉が100kgあります、ルナが倒したので入らない分を除いて貰っても良いですか?」

「どうぞ……」


 素早く木の宝箱を出し壺に肉をつめる、壺が足りなくて50kg入らないけどあっちにあげよう。

 木箱と壺をもっと入れとか無いと勿体無い事になる。

 そろそろ戻らないと約束の時間だし来た道を全力疾走する。


「ちょっと待ちなさいよ!」


 背後から呼ぶ声が聞こえたが聞かなかった事にして走る、幸い来た道にはまだ敵は沸いてなかったのですぐ門入り口へと戻ってこれた。


 ボードの名前を消すと脇目も振らず冒険者ギルドへ直行する、ルナは何を勘違いしたのかボクの手を引っ張り尻尾ふりふりして走っている。


「何だ今の?」「【絶壁】が何か急いでたな?」「ロッティと約束でもしてるんだろ?」


 冒険者ギルドの前に着いた時には丁度三度目の鐘が鳴っていた……ぎりぎりセーフ。

更新




名前:彼方=田中(カーナ=ラーズグリーズ)

種族:人間 年齢:13 性別:女 属性:無・勇

職業:? 位:? 称号:無し ギルドランク:F


レベル:32[2+17+13+?]☆

HP :234/234[100+100+2+32+?]

MP :134/134[100+2+32+?]


攻撃力:1[2+1+?]

魔撃力:1[2+?]

耐久力:9[2+7+?]

抵抗力:?[1+3+?]

筋力 :32[2+17+13+?]

魔力 :32[2+17+13+?]

体力 :32[2+17+13+?]

敏捷 :32[2+17+13+?]

器用 :32[2+17+13+?]

運  :NORMAL[1+?]

カルマ:3[3]


SES

:【生存闘争】【神の呪】

UNS

:【魔力の源泉】【生存戦略】

EXS

:【生存本能】【第六感】【眷属化】

スキル

:【生存の心得F】【生活魔法】【治療E】【解体E】


装備品

武器  :黒鉄杉の槍棒150cm[攻+1]

盾   :硬皮の盾[耐+1]

兜   :無し

仮面  :特殊防弾ガラスの眼鏡[耐+1抵+1]【簡易鑑定】【光量調整】

服   :清楚な白いワンピース

鎧   :トロール皮のベスト[耐+2]【自己修復F】

腕   :スマホ[耐+1抵+1]【簡易アイテムボックス+1】【発展】【解析】

腕2  :円卓の腕輪[耐+1]【部隊作成】

腕   :エアコンのリモコン[耐+1抵+1]【空気調和】

靴   :皮のブーツ[耐+1]

その他 :夜を背負った様な漆黒色の羽根[?+?]【????】

    :全てを覆い尽くすような漆黒色の羽根[?+?]【????】

    :布製のリュック

    :魔王の花嫁[?+?]【永遠の誓い】

    :魔王の首輪[?+?]【意思疎通】


所持金19480イクス



スマホ ――∵――∴――∵――∴――∵―― 

ブレードラビッツの肉5kg・木の宝箱・タイガーベアの毛皮1

玄武の盾1


  木の宝箱 ――∵――∴――∵――∴――∵―― 

  肉用壺(オーク50kg)2・ラビッツ草10

  イデアロジック(脱兎2)(スピアスタブ2)(絶倫1)



布製のリュック ――∵――∴――∵――∴――∵―― 

魔晶の欠片1・魔水晶(空2)・ゴブリンの角1

オークの牙2・オークの大牙2・魔晶の大欠片1

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