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ボクが異世界?で魔王?の嫁?で!  作者: らず&らず
第1章 チェンジリング
26/224

第23話 防具屋へ行こうよ!

 冒険者ギルドを出てすぐ側にあるガーネットさんのお店へ向かう、大通りは大分人通りが少なくなってきている、今の時間は九時を過ぎたくらいだ。

 今頃冒険者は依頼をこなしたりダンジョンを攻略したりしているのだろうか?

 防具屋で買い物して時間が有れば町の外に出てみよう、ステータスは高いけどさすがにレベル1のままじゃボクが足手まといになりそうで心配だ。



 ガーネットさんのお店の隣と言っても中で繋がっているので同じ店になるのかな?

 今日は防具屋の方から入る事にする、ガーネット&グロウ服と防具の店と書かれている看板を見ると分かるけど旦那さんはグロウさんと言うらしい。

 入り口から入るとまず目に付くのは大小様々な盾だ。色々な色の金属鎧も置いてある、あのグリーブってやつはどうやって履いたら良いんだろうか、靴の上から付けるのかな?

 奥へ進むと兜や帽子、フェイスガードに籠手……こまごまとした防具も並んでいる。

 カウンター近くのガラス?に似た硬虫の羽で覆われたショーウィンドウには高そうな品物が並んでいる、ビキニアーマーみたいなのも有る!こちらの品は値段が一桁違うみたいだ。

 あと何故かフライパンや鍋お玉にまな板まで置いてある、ここは防具と金属系の何でも屋なのか!


 奥からガーネットさんの旦那さんが出てくる、ガッチリした筋肉隆々のドワーフだった。

 ガーネットさんは普通の人間に見えたし案外種族間の結婚も普通に有りみたいだ。


「いらっしゃい、先日はすまなかったな、うちの嫁は才能を見抜く目があるんだ。見たところ駆け出しだけど将来に期待してるよ」

「ありがとうございます! がんばりますよ」

「それで今日はどんな用件で来たんだ? 見たところ兜か籠手でも買いに来たのか」

「今日は靴を二人分買いに来ました。あとこれ買い取ってもらえますか?」


 ラビッツブレードは使わないし売ってお金に換える事にしている、さすがに剣を売って靴二足買えないくらい安いって事は無いと思う。


「ラビッツブレードか……確かに状態は良い取れ立てか? でも嬢ちゃんここは本来防具屋なんだ」

「ダメですか? もし無理なら一度武器屋を探して売ってきます……」「キュ~ン……」


 ルナがナイスアシストをしてくれる、ションボリした子供二人を前にそのまま帰れって言えるほど悪い人じゃないはず、少しくらい子供の特権を利用しても良いよね?


「まぁ、俺ももうすぐお父さんになるわけだし、代わりに売っといてやるから良いよ。で靴はその履いてるやつじゃダメなのか?」

「お子さんが生まれるんですか? おめでとうございます」

「まだ二ヶ月は先の話だ。照れるからよせよ」


 グロウさんは手に持った盾を布で高速拭きしながら笑うと僕らの靴を見ている。


「いやー、お恥ずかしい話なんですがこれフェイクラビッツの毛皮巻いただけなので靴じゃないんです」

「今なんつった?」


 何か変な事言ったっけ、本職の人に靴と間違えられるくらい綺麗に巻いてあるって事かな?


「えっと、毛皮巻いただけなので靴じゃないんです?」

「その前だ、前!」

「フェイクラビッツ?」

「このーばかたれがぁぁー」

「あ痛」「ギャン」


 グロウさんは手に持った盾でボクと余所見していたルナの頭を殴ってくる!何故?

 あまりの痛さにボクとルナは尻餅をついてしまい呆然とする、何がいけなかったの。


「フェイクラビッツだと……初めてお目にかかるぞ! この綿毛の密度、こうたく、色艶に手触り最高だ……」

「「!?」」


 尻餅をついたボクとルナの足を大事そうに抱え込み毛皮を優しい手付きで撫でるグロウさん、顔がにやけて完全に別世界へ旅立っている。意味が分からず呆然としたままのボクとルナが声をかけようとした瞬間!


「今前来た子供達の声が聞こえたんだけど、防具を買いに来たのかい? 私も見てやるから一緒に……!?」


 ガーネットさんの立ち位置からするとこう見えているはずだ。

 小さい子供二人を押し倒し、足を撫でながらにやけている筋肉隆々としたドワーフの旦那が、自分の声も届かないくらい熱心にハァハァしていると……ギルティ・オワ・ノットギルティ?


「信じていたのにー! 子供がもうすぐ生まれるって喜んでたのにー! まさかそんな性癖が合ったなんて知らなかったよー! ごめんよーうちの旦那がごめんよー!」


 ガーネットさん的にギルティだった様子で、側に並べてあった金属製の盾で旦那を全力で叩き始める。


「ばか、よせ、話を聞け、待ってくれオレが悪かった……勘違いだ、オレは毛皮を……」


 呆然と見ているとグロウさんが動かなくなる……え、これってどうなるの?


「ごめんよ……旦那の性癖を見抜けなかった私の落ち度だよ……こんなやつの子供なんて……」


 ガーネットさんの表情が暗いを通り越し真っ青だ。お腹を触る手が台に置いてある手直し用ハンマーへと伸びる!?


「止めてください! グロウさんは毛皮を見ていただけです! 確かにばかたれと言われて盾で殴られましたが……ガーネットさんが思っているような事はされてませんから! イデア=イクス様に誓って潔癖だとボクが証言します!」「ワンッワンッ」


 ルナも慌ててハンマーを遠くへ蹴り飛ばすとガーネットさんの手を舐めている。


「ほん、とうかい? 庇う必要なんて無いんだよ?」

「違いますから! フェイクラビッツの毛皮を足に巻いてたら怒られただけですから!」

「このばかたれぇぇー」

「アウチ」「キャン」


 何故か張り倒されるボクとルナ、二人で抱き合う……ルナはもう涙目を通り越して泣いている、ボクも泣きたいよ!

 思わず張り手してしまったみたいでガーネットさんはすぐ『ごめんよー』って謝って起こしてくれた。


「誤解だったんだよね、グロウは悪くなかったのに……私、旦那を殺っちゃったよ……どうしよう」

「【治療E】気のせいですよ! ほら当たり所が良かったみたいで全然怪我してないじゃないですか!」

「ああぁ、痛てて、うん? オレは生きているのか?」


 ナイスタイミングで起きて来るグロウさん、フェイクラビッツ恐るべし。

 職人さんをここまで豹変させるとかあの地面から生えた球根兎はそんなに凄いやつだったのか。


「たまたま手に入れて使っていただけなのでこれがどんな毛皮か知らなかったんです! ごめんなさい」


 素早く自分とルナの足から毛皮を外し重ねて素足になる、床が冷たい……


「いや、謝らないでくれオレが悪かった。素人にはラビッツの毛皮と見分けが付かないかもしれないしな」

「私も取り乱してごめんなさい、グロウがそんな事するわけ無いって信じていたのに……」

「いや、お前も気にするな、フェイクラビッツの毛皮だぞ、お前だって一度は扱ってみたいって言ってたじゃないか、取り乱して当然だ」

「あの……この毛皮で靴とか作れます? あまりお金無いけどオーダーメイドって高いですよね?」

「金は要らんからやらせろ!」「四枚も有れば靴どころか帽子も作るわ!」


 興奮気味の夫婦に即答された。これは幸先が良いのか、こちらこそ是非お願いしたい。


「是非お願いします、靴二足に帽子二個も本当にそれだけで作れるんですか?」

「いや、靴四足に帽子四個は軽く作れるぞ、ついでにバックパックも二個作ってやる! だからその……」

「そんなに作ってもらってラビッツブレードだけで足りるかな?」

「これだけ作っても少し余るわけなんだが……その、大体手袋が一セットと小さいバックが一個分ほどな……」


 あのサイズなのに良く伸びるのかな?少し余るようなので夫婦に差し上げよう、さすがにそんなに作ってもらって無料とかありがとうだけじゃ済まない。今後防具と服はここ以外で買えないね。


「残るようなら差し上げますので作ってください!」

「本当か? あとで返してと言われても返せないぞ?」「ゴクリッ」

「勿論、こちらからお願いしたいくらいです」

「ありがとうー! 本当にフェイクラビッツの毛皮を扱える日が来るなんてイデア=イクス様のお導きだ」


 何故かガッチリ両手で握手される、ロズマリーさんに投げた肉入りフェイクラビッツ鞄どうなったのかな?

 放置してたら迷惑がかかりそうな気がしてきた。今日帰ったら聞いてみよう。


 その後毛皮を四枚とも渡し、作成にかかる時間やデザインなども決める、本職さんに意見するのも恐縮なのでお任せでと言ってサイズだけ測る事にした。

 緊急依頼に出るので受け取るのが遅くなるかもしれないと言うと、間に合わせるから当日の1回目の鐘が鳴ったら取りに来てくれと言われる、無理しないで良いですよっと言うと『これは無理をするんじゃ無い、全力を尽くして作りたいんだ』と夫婦に言われてしまい何も言い返せなかった。


 そして変わりの靴をガーネットさんが用意してくれて、グロウさんには『緊急依頼に行くなら良い盾を貸してやる』と言われ緑色の亀甲羅で出来た盾を借りてしまった。これゲームで見た事ある盾だよ!実在するとは……

 完成するまで店は閉めると言い早々と締め出されてしまう、ヤル気に満ちた目と言葉にただ『よろしくお願いします』と声をかける。

 結局ラビッツブレードは金貨2枚で売れた。買うと金貨3枚はするそうで、金貨1枚くらいで売れるのかと思ったら金貨2枚で買い取ってくれた。

 レアラビッツのドロップ武器は固定のファンが居るのですぐ売れるから割高で買い取ってくれるらしい、お金に困ったらレイピアも売ろうと決心するのだった。




 店を出るとまだ一〇時、店を出て町を囲む壁の外へ出る為に門へと向かう、三方向に門が有り唯一門が無い南は隣町と隣接している場所だ。

 頭の中のMAPを埋めると同時に西門へと向かう、西側の外はもうすぐ他の冒険者ギルド支店が開拓期に入るそうで強い魔物はほとんど狩り尽くされているから安心して狩れるとロズマリーさんから聞いていたからだ。

 たとえ呪が発動しても町の側ならいつでもロズマリーさんが迎えに来てくれるらしいので安心できる。


 門へ向かう途中、大通りに面した雑貨屋さんで長さ4m幅も4mある大きな毛皮を購入する、半銀貨1枚したけど野営とかするだろうし必要な物だと思う、あと肉を入れる用に50kgは入りそうな壺二個セット半銅貨2枚を買う。

 金貨を崩したかったのが一番の理由だけどね、金貨じゃ露天の飲み物を買えなかった。正確には買いたくてもお釣りが無かったので露天のお姉さんにごめんなさいされてしまった。

 さすがに一〇〇万円硬貨、使い勝手が少し悪い。お詫びにと言うわけじゃないけどお姉さんは町の話をしてくれた。

 この町は中心に大きく十字になるよう大通りが通っており、大きめのお店は全部大通りに面していて、人が多いのも大通りで北に行けば行くほど人が少なくなりスラム街の様な場所へと変わっていくそうだ。

 理由は北には帰らずの森がありその奥には死の荒野が広がっているからで、誰も帰らずの森を抜けて帰って来た者は居ないとか……多分ボクが始めて降り立った場所が死の荒野だったのだ。

 死の荒野に居ると言われているフェイクラビッツならあの夫婦の反応もうなずけなくは無い、弱かったのだけが謎だけど。


 西門へと近づいてくる、通りを歩く冒険者達はどこか幼い感じがする子供が多い、町の中心にある冒険者ギルドへ向かうであろうラビッツを八匹も抱えるPTとすれ違う、へとへとで今にも倒れそうな二人組みだけど、目は生き生きとしていた。解体スキルを持っていないと冒険者ギルドへと運ぶのも大変かもしれない、荷台に獲物を乗せて運んでいるPTも見受けられる。


 門は大きく開いており、硬皮の盾と黒鉄杉の槍を持っている初老の冒険者と木の盾に60cmくらいの棍棒という装備のいかにも見習いな冒険者が立っている、こういう場所は町を守る兵士みたいなのが居ると思ったんだけど?

 そう言えば身分証明書みたいなの持ってないけど大丈夫かな。


「町の外に出たいんですが身分証明書とか居るんですか? 入る時は気絶しててロズマリーさんに抱えてもらっていたみたいで良く分からないんですが」

「あぁ、お前さんなら覚えておるよ、まさかこんなカワイイ嬢ちゃんだったとは思わなかった」

「あれ? 噂の【絶壁】さんじゃないですか!」


 どういう事だってばよ……もう町中に噂が広がっているのかな?オルランドさんに次合った時、問い詰めないといけない。


「これこれ、カワイイ嬢ちゃんに【絶壁】さんなど言うもんじゃないぞ? 名前をこちらのボードに書いて帰ってきたら自分で消してくれ、それで冒険者は通れるようになっておるよ」


 ジェントルマンや……これが本当の老紳士というやつやで!


「すいませんっした! さすがガトーさん元Bランクの冒険者です勉強になります!」


 ルナは文字がかけないみたいなので変わりにボクが書いて町の外に出ようとすると後ろから喋る声が聞こえてくる、今名前呼ばれたような?


「ロズマリーによろしく行っといてくれよ嬢ちゃん、あとカナタ嬢ちゃんのオッパイがロズマリー並みになったら酒を奢らせてもらうから長生きするんじゃぞ!」


 ガトーさんは似非紳士でした。いやある意味別の紳士なのかな?

 門を通り外へ向かう冒険者は呆れる人達が半分に『あれが【絶壁】か』と呟く人達が半分、もう逃げ出したい。

更新




名前:彼方=田中(カーナ=ラーズグリーズ)

種族:人間 年齢:13 性別:女 属性:無・勇

職業:? 位:? 称号:無し ギルドランク:F


レベル:31[1+17+13+?]☆

HP :232/232[100+100+1+31+?]

MP :132/132[100+1+31+?]


攻撃力:1[1+1+?]

魔撃力:1[1+?]

耐久力:8[1+7+?]

抵抗力:?[1+3+?]

筋力 :31[1+17+13+?]

魔力 :31[1+17+13+?]

体力 :31[1+17+13+?]

敏捷 :31[1+17+13+?]

器用 :31[1+17+13+?]

運  :NORMAL[1+?]

カルマ:0[0]


SES

:【生存闘争】【神の呪】

UNS

:【魔力の源泉】【生存戦略】

EXS

:【生存本能】【第六感】【眷属化】

スキル

:【生存の心得F】【生活魔法】【治療E】【解体E】


装備品

武器  :黒鉄杉の槍棒150cm[攻+1]

盾   :硬皮の盾[耐+1]

兜   :無し

仮面  :特殊防弾ガラスの眼鏡[耐+1抵+1]【簡易鑑定】【光量調整】

服   :清楚な白いワンピース

鎧   :トロール皮のベスト[耐+2]【自己修復F】

腕   :スマホ[耐+1抵+1]【簡易アイテムボックス+1】【発展】【解析】

腕2  :円卓の腕輪[耐+1]【部隊作成】

腕   :エアコンのリモコン[耐+1抵+1]【空気調和】

靴   :皮のブーツ[耐+1]

その他 :夜を背負った様な漆黒色の羽根[?+?]【????】

    :全てを覆い尽くすような漆黒色の羽根[?+?]【????】

    :スマホ[ブレードラビッツの肉5kg・木の宝箱(肉用壺2)・タイガーベアの毛皮・玄武の盾]

    :布製のリュック[ラビッツ草10・魔水晶(空2)・イデアロジック(脱兎2)(スピアスタブ2)・マリアン特製サンドイッチ2]

    :魔王の花嫁[?+?]【永遠の誓い】

    :魔王の首輪[?+?]【意思疎通】


所持金19480イクス

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