表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボクが異世界?で魔王?の嫁?で!  作者: らず&らず
第1章 チェンジリング
25/224

第22話 冒険者のお仕事は?

 目覚まし無しに目が覚めるって凄く良い事だと思います、まどろみながらメアリーちゃんの尻尾の根元辺りを撫でる。


「ふぁ~ん、おねえちゃんおはよう」


 左の方へ吸い付いていたメアリーちゃんは目を覚ます。

 次は右……ルナを起こさないと、突起に吸い付いたルナを起こそうと思ったらルナはもう起きていた。


「クゥ~ン」

「おはようルナ」


 ルナは自分の胸元とボクの方へ交互に視線を送り考え事をしている様子だ。


「どうしたの? 着替えてご飯食べに行くよ」

「キュ~ン」


 残念そうな視線をボクの胸に送り、手で胸元をニギニギしてくる、もう止めて!カーナさんのHPは0よ!

 そうなのだ、実は三人の中で一番サイズが小さいと思われる、別に大きい方が良かったとか言うつもりはないし逆に動きやすくて良いと思っているんだけど、栄養状態の悪かったルナよりふくらみが無いとは……カーナさんの将来が心配になる、神の呪の影響かもしれない!きっとそうだ。


 さぁ、天使御用達の服に着替えて朝ご飯をー……真っ二つになったままの天使御用達の服が見える、あれ?失敗かな、解析で状態を見てみる事にする。




『天使御用達の服(破損度大:自己修復中)』

 天使が纏う一般的な衣、浄化・自己修復機能付き。

 破損度が五〇%を越えている為、自己修復には一二時間程度必要。現在装備すると超ミニな服になる。

 全損すると修復完了まで二四時間を有する為、事前に1cm角に端を切り予備として置いておく事を推薦。




 めっちゃ良い事書いてある!早速修復中の服からさらに1cm角に二切れほど切って隣に置く。

 そこで気が付く、着る物が無い事に……今あるのは捨てずに持っていた奴隷の服だけだ。

 メアリーちゃんに言ってロズマリーさんの服を借りてきてもらうしかない。


「メアリーちゃんロズマリーさんの服を借りてきてくれない? まだ修復中みたいで着る物が無いの」

「おねえちゃん、尻尾無い人が着ると後ろから見えちゃうよ~」

「そうだった、尻尾用のスリットがあるのか……マリアンさんに頼めるかな?」

「わかった! お母さんに頼んでくる~」


 白いワンピースもそうだけど獣人用の服は少し尻尾用スリットが入ってて尻尾の動きを邪魔しないようになっている。


 ルナとお互いに浄化の生活魔法を使い服を着る準備万全だ。

 あれ?今気が付いたけどルナは声に出さずに魔法を使っている、ワンッとすら言ってないって事は無詠唱とかできるのかな?でもスキルにそんなの無いし……もしかして誰でも頑張れば使えるのか!


「小さき『光よ』、小さき(光よ)」


 二つの小さな光が浮かび上がる。

 普通に出来たし、思い描き実行する事を意識して行なえば発音は必要ないみたいだ。

 もしかするとこれはスッゴイ事を知ってしまったのかもしれない。指先に生活魔法の種火を意識する……五個同時にだ。


「フィンガーフレイムボム! 出来ちゃったよ!」


 指先から少し離れた場所に五個の種火が浮かび上がる、消し方がわからず窓を開けて空に向かって飛ばす、『チョンチョン』っぽいのが飛んでいたので狙ってみると見事に五発とも命中して鳥が落ちてくる。

 何も着ずにルナが拾いに行こうとするので白いワンピースを着せると窓から出て取りに行ってしまった。


「ワンワン~」


 ルナが咥えてきた鳥を見て思わず目を見開く!


『ピヨピヨ』


 絶対この鳥ピヨピヨ鳴くんだって!安直なネーミング過ぎる、この世界の神様は案外適当なのかもしれない、それにしても大分遠かったので小鳥かと思ったけど、翼広げてない状態でも胴体が50cmくらいある、まさか白鳥サイズの鳥だとは思わなかったよ。


「ワンッ」「ビョエー」


 鳥は生きていたみたいで焦げた翼で逃げようとしたけどルナが首を噛み折った。凄く逞しいです。

 羽根を毟りだしそうだったのでとりあえず収納して今日の晩御飯用にしてもらおう。

 五発くらいじゃ鳥すら倒せないとは……元となる一個を頭の中に描いてそれをコピペしてばら撒く感じが良いのかな?五発とも思うように鳥目掛けて飛んだって事は頑張れば誘導とかもできそうだ。

 色々考えているとメアリーちゃんが服を借りて戻ってきたので着替えてご飯を食べに食堂へ向かう。

 マリアンさんが貸してくれたのは清楚な白いワンピースで貴族のお嬢様風の服だった。




 人気の無い廊下を歩き食堂へ向かう、宿泊してる冒険者の人達はもう既に出かけた後みたいだ。

 食堂へ向かう途中入り口のカウンターに、前より若干マシになったスリークオーターミイラのロッズさんがいた。

 ロズマリーさんの頑張りでロッズさんが何とか干物になる事はなさそうだ。


「おはようございます、マリアンさんに借りた服ですけど似合ってますか?」

「…………許す」


 何故か許された?クエスチョンマークを飛ばしながら食堂へ入ると何故か豪華な食事がならんでいる、先に座っているマリアンさんとロズマリーさんは、今着ているのと同じワンピースを着て待っている。この服何か意味があるのかな?


「おはようございます」「ワンッ」

「おはようカナタ、あたい嬉しいよ!」

「カナタさんこれからは遠慮せずに何でも言ってくださいね」


 何かがおかしい、メアリーちゃんも何故か同じ白いワンピースだしルナも型は違うけど白いワンピースだ。普段は前日の夜の残りが朝ご飯なのに、今朝は豪華バージョンになっている、ブレードラビッツのステーキにアプの実が入ったサラダ、白くてドロドロしているけど桃っぽい味がするミルク、硬く無いパン!

 硬くないパンなんて有ったのかと思いロズマリーさんに聞くと祝い事に食べる用で普段は麦粉と水と穀物の挽いた粉を混ぜたやつを焼く硬パンだそうだ。

 朝ご飯にしては重かったけどあのミルクは絶品だと思う、ピチピチピーチをミルクで煮て冷ました物だと言う事なので、運が良かったらあの池?で採取できるかもしれない。

 ただでさえ濃厚なミルクの味に桃っぽい甘味が加わりくど過ぎるかと思えば、ハッカのような風味がスッキリとした後味を演出している!考えただけでもう一度飲みたくなる。

 緊急依頼は木の宝箱を四個収納して行って出来る限り獲物を確保して帰ろう!


 朝食は当たり障りの無い話をして皆ほとんど喋らずに食べた。ロッズさんはずっとカウンターにいて食堂に来なかったけどマリアンさんは『そっとしておいてあげて』と言っていた。何がなんだかわからないよ……

 何はともあれ冒険者ギルドへ行く準備をする。

 清楚な白いワンピースの上から皮のベストだとちょっと変かな?と思ったけど案外良いかも知れない、動きやすいしね。

 マリアンさんからお昼ご飯として硬パンのサンドイッチを二人分受け取り出かける。

 あ、ピヨピヨはかなり美味しいらしいです、マリアンさんが凄く喜んでました。




 宿を出てまず向かうは冒険者ギルド、今の時間は七時三〇分くらいで大通りを歩く人は冒険者の方が多い、あちらこちらから色々な屋台で朝ご飯を売る人達が声を上げていて活気がある。

 辺りをキョロキョロ見回すルナの手を引いて冒険者ギルドへ向かう、途中八百屋さんっぽい店を見つけたので覗いてみると鉢植えから野菜が生えていた。鉢ごと販売しているみたいだった。

 地面に植えれないからそれなりに苦労するって話を聞いて、一段落付いてお金が出来たら買いに来る約束をする。

 ついでにラビッツ草とか植えたらどうなるか聞いてみると『植えても枯れるだけだからラビッツにあげて運試しするんだな!』と笑われてしまった。あとアイテムを売るならその種類の店に直接持っていくと一割か二割くらいギルドで売るより高く買ってくれるらしい、八百屋のおっちゃんに教えてもらった。




 冒険者ギルドに着く、ギリシャ系神殿の入り口みたいなところ深呼吸しゆっくりと扉を開けると中は冒険者で結構混んでいる。

 依頼・クエストが張ってある掲示板の方へ進む人とカウンターへ向かう人、あと朝からバーカウンターで飲んでいる人の三通りに別れていた。

 どうやらお酒を飲んでいるわけじゃないみたいでコンソメみたいな匂いのスープとあの硬パンが売られている。銅貨1枚ってかなり安い、冒険者御用達みたいだからサービス価格なのかな?


 お目当ての人をカウンター内に見つけると誰も並んでない列へ進み挨拶をする。


「おはようロッティ」

「ご主人様おはようございます!」

「え、何言ってるのロッティ?」

「今の聞いたか?」「あの小僧、ん?あんな服を着ているって事は小娘か?」「春が来たのか」


 野次馬が騒ぎ始める、ロッティこれどう収拾つけるきなんだろう、それよりご主人って何?


「ボクはロッティの主人になった覚えは無いんだけど?」

「ルナ様のくれた『世界樹の葉が』無事売れて半金貨をマリア様に叩き付けてやりました!」

「それはおめでとう? でもなんでご主人様なの?」


 ヤバイ気配がする、ルナはあのスープが気になるようで全然コッチを見ていない、明らかにこれは手遅れなパターンに入ってる気がする。


「私はご主人様に全て捧げると誓い、死が二人を別つまで共に歩くと約束しました」

「あれはその、ロズマリーさんが脅しただけでね……ほら友達とかから始めない?」


 まずい、何とか話を逸らさないといけない。ロッティはお金に目が無いだけで実際良い子だし……そうだ年齢だ!ロッティは十三歳のボクから見てもまだ小さい、さすがにまだ子供の戯言ですむはずだ。


「そういうのは自分で考えて生きていけるもっと大人になってからじゃないとダメなんだよ! 落ち着いて、ボク達は良い友達になれると思うんだ」

「あーやっちまったぜ」「終わったな」「そこ言っちゃダメだろおい」


 何か野次馬の反応がおかしい、隣のカウンターに目をやるとマーガレットさんが首を振っていた。


「私、今年で二一歳になります、クオーターエルフなんですよ? もう十分自分で考えて決めた事です」

「……え? マジ?」

「マジだぜ」「諦めろ色男?」「いやあれってオルランドが言ってた【絶壁】じゃないか?」


 失敗した。まさかロッティが合法ロリだったとは思わなかった。クオーターエルフって言ってたけど獣人は混ざらないのに人間は混ざるのかな?

 これはアレだルナと同じ相棒って事にでもしないと、ロッティが病んで怖い事になりそうだ。


「ルナはボクが買った事になる三級奴隷でした。でもボクはルナを奴隷だと思わないし、首輪を付けて言う事を聞かせる真似なんてしたくないので相棒としています。言いたい事が上手く言えないけど相棒としてなら今後もお付き合いして行きたいです」

「相棒からゆくゆくは愛人へクラスチェンジも良いですね……」


 ロッティが何か恐ろしい事をぶつぶつ言っている、小さい声だったので隣のマーガレットさんまでしか聞こえてないみたいだ。マーガレットさんはハンカチを噛んでいた……


「これからもよろしくお願いしますカナタさん」

「こちらこそルナ共々よろしくお願いします!」


 セーフ、ぎりぎりセーフ?ロッティの中で結論が付いたみたいで助かった。


「それでは冒険者と緊急依頼について説明させていただきます、奥の部屋へどうぞ」

「わかりました。ルナ行くよー」

「【絶壁】やるな!」「【絶壁】惚れ惚れするスルースキルだ」「【絶壁】ロッティを大切にしろよ!」


 まさかの【絶壁】コール、奥に早く逃げようと思ったらルナが居ない、いつの間にかオルランドさんからスープと硬パンを貰っていた。手だけ振って挨拶してくるので会釈を返しルナを引っ張って奥へと向かう。

 後、今朝からずっと後ろから付いてきてるロズマリーさんはあえて放置している、『あたいの事は空気だと思ってくれよ』と言われているのだ。素人もビックリする護衛対象への尾行だ。

 安定のマーガレットさんも居る、カウンターを二個開けても大丈夫なのか心配になる。




 長い通路を歩いている途中でおかしな事に気が付く、この通路明らかに冒険者ギルドの全長より長い気がする、不思議空間がいっぱいあるのかな?それとどんな意味があるのか謎だ。


「この奥は冒険者ギルドの倉庫と付属の解体室があります、今日は会議室が開いていなかったので解体室で説明しますね、道が長いのは防犯の為です」

「毎回こんな長い通路歩くのは大変そうですね、この支店は解体スキル持ちって何人居るんですか?」


 顔に出ていたみたいで簡単に説明してくれた。関係無いけど手を繋いで歩くルナがバリバリと言う音を立てながら硬パンを食べている、そのパンってそんな音出して食べる物じゃなかった気がするんだけど?


「ギルド特製硬パンですね、栄養が通常の硬パンの三倍有ります!硬さは二倍ですが……」

「ソレもう食べ物じゃないですよね、盾になると思います」

「普通はスープに付けてふやかしてから食べる物なので、そのまま食べる人は始めてみました」


 また顔に出ていた様だ。ルナの強靭な顎を持ってすれば二倍程度問題無いみたいだね。




 一〇分くらい歩くと、急に目の前に扉が二つ見えてくる、木で出来たボロイ扉を開き中へ案内された。


「着きました。こちらへどうぞー」

「思ったより広いし綺麗だし匂わない、入る時見たもう一個の扉はダミーで罠部屋に繋がってたりするんですね」

「あれ、誰から聞いたんですか?」

「冗談だったんですけど……」


 真顔で何で知ってるのって感じのロッティはチョロいと言うか迂闊というか、ボロイ方が正解って覚えておこう。


 部屋の中は広いテーブルが二個と椅子が四個、石で出来たと思われる薄板が壁に貼り付けてあり、チョークっぽい石が腰の高さに置いてあった。壁にはゴミを捨てるダクトの様な物が付いている。


「簡単に説明を開始します!」

「よろしくお願いします」


 真っ赤になった顔で説明を開始するようだ。年上だと思うとロッティかなり良い気がしてくる、これはダークホースだね。


「冒険者とは森を狩り開き草原を埋め立てて壁を作りギルドを作って町を広げていく者の事です!」

「それ前聞いたことある、ロズマリーさんが言ってたやつだね」

「それなら話は早いです、通常は依頼・クエストと呼ばれているものを定期的にこなして貰い、開拓期に入ると掃除が終わった場所の木を全部切り倒して壁を作って切った石を並べたりもします……」


 長い話が続くので要約すると、普段はダンジョンに潜ったり町の外で掃除、この場合討伐依頼をこなしたりして開拓期に向けて力を貯める事がメインで、稀に護衛や遠征依頼で他の支店と協力する事もあるそうだ。

 基本登録した支店から他の支店へ移籍するのはNGで、他支店からのヘットハンティングも多額の資金を伴う交渉が支店間で行なわれて成立すれば移動する権利を貰えると言う事だった。

 冒険者ギルドは基本その土地の者達の集まりで有る為、流れの冒険者は少し立場が弱いと言う事も教えてもらう、ボクが新人いびりや絡まれたりしなかったのはロズマリーさんの推薦だったからと言う事で、ありがたくて足を向けて眠れない。


「……以上です。開拓期についてはまだ先なので、時期の一ヶ月前くらいになったら強制依頼が出ますのでその時に詳しく説明しますね」

「ありがとうございました!」

「次に冒険者リングの説明ですカナタさんのは特別製みたいなので、ルナ様の分で説明させていただきます」


 さすが『世界樹の葉』ルナ様になっている、多分あげた本人は食べて元気出してくらいの気持ちだったに違いない、あの尻尾一見すると何の変哲も無い尻尾だけど色々収納しているところを目撃している謎多き尻尾だ。


「基本的な機能はPT作成と互いの距離方角が大まかにわかるという二つの機能です」

「それだけ? 公平設定やPTチャット的な機能は無いの?」

「聞いた事の無い機能ですね、現在わかっている限りではこの二つの機能が付与されていると言う事だけです、なにぶん冒険者リングは古代文明の遺産をそのまま修理して流用しているのでまだまだ未発見の事が多いのです」


 怪しい話が出てきたよ、古代文明っていつの話かわからないけどそんな怪しいの使ってても大丈夫なのかな?


「危なくないんですかこれ?」

「一〇〇〇年以上前から使われているそうなので多分大丈夫です、なお新機能や新しい事を発見しギルドに報告すれば情報の有益度によっては金貨が貰えたりしますので、チャレンジしてみるのも良いかも知れません」

「ロッティ、PTの団結機能とPTメンバーが死亡した場合の事を説明し忘れていますよ?減点です」


 マーガレットさんが後ろで紙に何か書いていると思ったら、ロッティの審査を行なっていたみたいだ。


「うぅ、緊張して忘れてました。PT機能の補足です、冒険者リングでPTを作りPTリーダー同士が集まりリングを重ね合わせるとPTが団結して大きなPTになります、緊急依頼や強制依頼など大掛かりな依頼には有効な方法なので必ず忘れないようにしてください! なおPTメンバーが死亡した場合、他のPTメンバーはその死亡したメンバーが居た場所がリングに記録されます、この機能を使って遺体捜索を行なったりします……」

「一生使いたくない機能ですね、使わなくて良い様に安全第一で行きます!」


 ルナも早めにシングルスターになって貰わないといざと言う時が有るといけない。


「それではPTを作ってみましょう、【PT作成】と唱えるとPTが作れます、PTにメンバーを入れる場合はその人のリングに触れて【編成】でPTに収容できます」

「あ、ボクがPTリーダーする予定なのでコッチで作りますね、【PT作成】……ん? あぁ、【部隊作成】」


 円卓の腕輪を貰った理由がわかった気がする、この魔王の花嫁は冒険者リングの上位版みたいだけどPT作成機能が無いみたいだ。イヤ……あるには有るけど二人専用PTらしき物が、絶対これもう一個を持ってるのは魔王だよね、マリアさん魔王と知り合いなのかな?そんなはず無いよね。

 まぁ、まだ魔王とか何年後に合うかわからない人?の事考えても仕方が無いしほっとこう。


「カナタさんのは円卓の腕輪ですね! それうちのマスターが前自慢してたやつですよ」

「試しにPTに編成してみます、ルナ左手出して?」「ワンッ」


 何故かロッティとマーガレットさんも左手を出してくる、冒険者リングをつけているのでついでに全員入れてみる。


「【編成】おぉ、何と無く位置が伝わってくる? 距離も結構判る気がする」

「「カナタさん~お願いが有るんですけど?」」


 マーガレットさんとロッティが同時に猫撫で声で話しかけてくる。


「何ですか?」

「PTメンバーが増えるまでロッティと私はこのままPTに入れて貰ってても良いですか? 無論色々と便宜を図らせていただきます」

「今のところ増える予定もあまり無いですし良いですよ? 【魔力の源泉】の事を知ってる人なら問題無いです」


 身内みたいな者だし、後でロズマリーさんとメアリーちゃんにも編成して良いか聞いてみよう。


「ありがとうございます! これでなかなか使えなかったスキルのレベルを上げる事ができます」

「ところでギルドランクって何ですか?」

「「アッ」」


 どうやら二人は【魔力の源泉】の事で頭がいっぱいだったみたいだ。


「二人とも減点ですよ?」

「「もうしわけございません」」


 凄く綺麗なお辞儀が見れたし、二人がピッタリはもってて面白かったから問題ないけどね。


「ロッティあとはお願いします」

「ギルドランクとは下がFから始まりE・D・C・B・A・S・SSとギルドへの貢献度に実力を加味して付けられるランクです、新人はFから始まりEは主に街中での依頼と近場への採取依頼がメインで、Dになって一人前となります、シングルスターが現れ始めるのがD・C辺りなので一般的な冒険者はD・Cランクが多いですね」


 マーガレットさんは急に真剣な表情になって席を離れて行く、何か用事を思い出したのかな?

 ロズマリーさんのランクとか気になる、本人が居ないけど聞いちゃって良い物だろうか。


「因みにカナタさんを推薦したロズマリーさんはBランクになります、もう二・三個ほど大きな功績を上げればAランク昇格も夢じゃ無い期待の冒険者ですね」

「本人が居ないのに他人に言っちゃって良いんですか?」

「あぁ、カナタさんランクはバーカウンターの横の壁に自動的にランクINされるので暇な時見てみると良いですよ?」


 何それ、妙にギルドの機能が凄い気がする、古代文明の遺産って便利と言うか何と言うかオーバースペックだよね。


「続けますね、Bランクに上がると一流と呼ばれるようになります、BとAは同じ一流でも大きな壁があると思ってください。あとSランクは現役最強の冒険者達です、化け物揃いの凄い人達で大抵自分のクランを大きくして組織的に動いていますね、SSランクはほぼ名誉ランクの意味合いが強いので現在ランクに入っている人は主に各ギルドのマスターとこの国の王様くらいですよ」


 そう言えば今更だけどこの国の名前知らないや、王様は合う事は無いとして名前くらい知ってないと怪しまれるかもしれないし聞いておこう。


「国の名前と王様の名前教えてください! 今気が付きましたけど知らないです」

「一般的な常識ですよ……国の名前はヘラクトスで、現王はコモン=ヘルヴォル=ヘラクトス二〇世様になります、あまり良い噂は聞かない人なのでかかわりたくないですよ?」


 二〇世って事はかなり古くからある国みたいだ。時が経てば国は腐敗していく可能性が高いと聞いた事がある、目を付けられないようにしないとね。

 あ、マーガレットさんが紙の束を持って戻ってきた。


「ロッティちょっと話があります、カナタさんは三回目の鐘が鳴った後くらいにまたギルドに来て貰えますか? 半強制依頼と言うかちょっと面倒な事になりました」

「分かりました。丁度切りの良いところで話も終わったので、防具屋へよってご飯を食べてからまた来ます、ルナー起きて!」


 途中から椅子に座ったまま眠っていたルナを起こしガーネットさんのお店へ向かう事にする。


 ふと思う事が有りあのスープとギルド特製硬パンを買おうと思い、バーカウンターに行くがお金を持っていない事に気が付く、諦めようとした時バーのマスターが無言でスープとギルド特製硬パンを一セットくれた。


「今日はもう店じまいだ。余り物だから取っとけ、硬くて食べれない様ならスープに入れて食べろよ」

「ありがとうございます!」


 バーのマスターはダンディーなおっちゃんだった。 

 オルランドさんを探すと依頼掲示板付近に居るのを発見する。


「オルランドさん~」

「よう、絶っぺ……じゃなかった嬢ちゃんどうかしたのか?」


 確信犯の様だ。釘を刺しておかないと。


「余り変な噂を流さないでくださいね? ルナこれ食べて良いよ」

「変な噂って何の事だかわからないなーハッハッハッ」


 ルナにギルド特製硬パンをあげるとバリバリと音をたてて食べ始める、サイズが小さいのでまだまだ余裕がありそうだ。


「え、お前それギルド特製硬パンだよな、普通に食べれるわけが……」


 やっぱり悪戯にギルド特製硬パンをルナにあげたみたいだ。この人は良い人だけど悪戯が過ぎるのは良くないよね。


「あまり悪戯が過ぎると……このパンの様になっちゃいますよ?」

「すいませんっした!」


 反省したみたいなので『またね~』っと言ってギルドから出る、一瞬横目で見るとバーのマスターが笑っていた。さぁ防具屋へ行こう。


 面倒ごとが舞い込んでくるのは神の呪が強くなってきているからだと思いたい。

 ボクってトラブルメーカーじゃないよね?

更新



名前:彼方=田中(カーナ=ラーズグリーズ)

種族:人間 年齢:13 性別:女 属性:無・勇

職業:? 位:? 称号:無し ギルドランク:F


レベル:31[1+17+13+?]☆

HP :232/232[100+100+1+31+?]

MP :132/132[100+1+31+?]


攻撃力:1[1+1+?]

魔撃力:1[1+?]

耐久力:7[1+6+?]

抵抗力:?[1+3+?]

筋力 :31[1+17+13+?]

魔力 :31[1+17+13+?]

体力 :31[1+17+13+?]

敏捷 :31[1+17+13+?]

器用 :31[1+17+13+?]

運  :NORMAL[1+?]

カルマ:0[0]


SES

:【生存闘争】【神の呪】

UNS

:【魔力の源泉】【生存戦略】

EXS

:【生存本能】【第六感】【眷属化】

スキル

:【生存の心得F】【生活魔法】【治療E】【解体E】


装備品

武器  :黒鉄杉の槍棒150cm[攻+1]

盾   :硬皮の盾[耐+1]

兜   :無し

仮面  :特殊防弾ガラスの眼鏡[耐+1抵+1]【簡易鑑定】【光量調整】

服   :清楚な白いワンピース

鎧   :トロール皮のベスト[耐+2]【自己修復F】

腕   :スマホ[耐+1抵+1]【簡易アイテムボックス+1】【発展】【解析】

腕2  :円卓の腕輪[耐+1]【部隊作成】

腕   :エアコンのリモコン[耐+1抵+1]【空気調和】

靴   :無し

その他 :夜を背負った様な漆黒色の羽根[?+?]【????】

    :全てを覆い尽くすような漆黒色の羽根[?+?]【????】

    :スマホ[フェイクラビッツ鞄(ブレードラビッツの肉5kg)・ラビッツブレード・木の宝箱]

    :布製のリュック[ラビッツ草10・魔水晶(空2)・イデアロジック(脱兎2)(スピアスタブ2)・マリアン特製サンドイッチ2]

    :魔王の花嫁[?+?]【永遠の誓い】

    :魔王の首輪[?+?]【意思疎通】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ