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ボクが異世界?で魔王?の嫁?で!  作者: らず&らず
第6章 スカイオブプリンセス
196/224

幕間 ショウゲーム

「今日から貴女はマリ()ね」

「なに?」

「いつか来るその時の為に……貴女は私の大切な親友だよね?」

「意味が分からないんだけど? マリアの娘が攫われた事と、私の名前がマリ()になるってどう繋がるわけ?」


 全てをかけた戦いが終わり、沢山の犠牲の上で生き残った二人は、王都へと戻る途中の森の中で焚火を囲んで食事を取っていた。

 暗い夜の闇に浮かぶ一つの灯火。誘われる様にやってくる魔物達を振り向きもせずに屠っていく二人。

 マリア=ラーズグリーズが突然話し始めた内容が理解できず、焚火に燃料を追加して酒をあおるマリア=ホーリーベル。


「ラズ……まさか、あんたあの魔王と取引でもしたんじゃないでしょうね?」

「……ねぇベル。世界を守る魔王と、世界を滅ぼす天使様――どちらが悪?」


 親しげにお互いを呼び合う二人。その間にも魔物の死体は増えていく一方だ。


「それは……」


 肝心な魔王討伐時に気を失っていたベルは答える事ができずに押し黙る。


「簡単な事だったんだ。今ここにカーナは居ない。答えはそう言う事だよね……?」

「本当に天使様が貴女の娘を連れて行ったの?」


 今度はラズが押し黙ると、焚火に燃料を追加して酒をあおる。

 火が大きくなり不快な匂いを放ち始めた為、ベルは先ほど自分が放り込んだ魔物が燃料には適していない魔物だと知る。


「で、何で私の名前がマリヤになるわけ?」

「約束してくれたんだよ。この世界に再び連れ戻すと……」

「でも、あの娘の父はアレでしょ」

「カーナに父など居ない!!」


 絶叫気味に叫んだラズの声が周囲の魔物を再び呼び寄せる。


「ちょっと! 先に片付けてからお話ししない? あ、あれ? 手足がし、び、れ、る……」

「やっと効いてくれたみたいだねベル」


 焚火の側で地面に両膝を付いたベルを見下ろすラズ。気が付けば側に立っているラズの隣には見知らぬ大柄な女性が並び立っていた。


「ま、もの、が」

「そんな事どうでも良いんだよ」


 ラズが剣を地面に突き立てると焚火の周囲に淡い白の色合いが生まれた。

 隣に居る大柄の女性が使った結界だとベルが気が付く頃には、言葉も話せないほど薬が回りきっていた。


「さすが錬金魔法を一代で実用化にまで持っていくだけはあるね。私の調合した薬にこれだけ耐えるなんて」


 自分が売られたと思ったベルは、声にならない嗚咽を上げて涙する。


「あとは……マリヤをお願いします」

「分かったよ。マリアはどこへ行くんだい?」


 王都の方角へと足を向けたマリアへと大柄な女性は質問を投げかけた。


「世界は英雄を求めている。魔王討伐軍は勇者マリアを除いて全て戦死した。ただ一人、魔王を倒したこの私だけが全てを……」

「茨の道だよ? 英雄に与えられるのは地位や名誉――富や名声ばかりではないんだ。全てを一人で背負い込む気かい?」

「元より覚悟の上。カーナを天使の手から取り戻す為に――ベルの幸せの為にも……。そうだ一つお願いがあります」

「なんだい? 大抵の事なら叶えて上げられるけど」


 悪戯を思いついた子供の様に笑うマリアを見て大柄の女性は首を傾げた。


「大事な大事なベルの為に……♪」


 猫撫で声でおねだりするようなソノ声を聞いた瞬間、背筋に寒気が走った大柄の女性は一歩後ずさる。


「転生って言うんですよね。それをベルにかけるついでに記憶を封印して貰えませんか?」

「良いけど……何故と聞いても良いよね?」


 地面で痺れて動けないベルの元へと近寄ったマリアは、涙に濡れる頬を両手で支えベルの唇と己の唇を重ねる。

 話の流れが読めず、売られたと思っていた事も勘違いだと気が付いたベルは、考える事を放棄した。


「いつか来るソノ時に、ただ一人残していくベルへのせめてもの償い、かな?」

「それなら、なおの事記憶は必要じゃないのかい?」

「カーナを身篭るまで、私はこの子と――ベルと生涯を共にすると思って居ました。アレがこの身を汚すまでは……」


 アレと呼ばれた存在に心当たりがあったのか、大柄の女性も口を紡いで眉間に皺を作る。


「記憶を失ったままでもベルは――絶対にカーナを好きになる。私の面影が濃いカーナを好きにならない分けが無い! もしかすると押し倒して色々やっちゃうかもしれないくらいに!」

「あ、うん、そこらへんはそうなんだね。その当人が赤面して涙を流してるから止めてあげてね?」


 マリアの足元で身悶えしていたベルは、甘い香りを感じると共に意識を失った。


「記憶の封印は、カーナを好きで好きで堪らなくなった時に解ける様にお願いします」

「マリア……貴女結構えぐい事考えるね」

「全てを思い出した時、ベルがどんな顔で、どんな声で悲鳴を上げるか……考えただけで濡れそう♪」

「お巡りさん~! 変態がここに居ます~」

「変態は貴女も同じでしょ? マオウ様?」


 マオウと呼ばれた大柄の女性は、ここでは無い世界に居る誰かの顔を思い浮かべて笑みを作る。


「いつか取り戻す、お互い……全てをね」

「いつか……願わくばソノ時に私が生きていますように。そして何よりも、カーナとベルが幸せでありますように……」


 再び王都へと足を向けたマリアを止める者は居ない。

 残されたベルとマオウを取り囲むように巨大な魔法陣が組みあがり、雲ひとつ無い夜空を眩く照らしていた。


 翌日、王都で開かれた盛大な凱旋パーティの席で王に褒美を問われたマリアは宣言する。


「マリアは私一人だけのモノ。今日から他の子はマリ()に改名ね♪」


 王族・貴族・平民・奴隷・冒険者、全ての人間を巻き込んだそのマリアの宣言は受理され、人の世にマリアはただ一人となる。

 後にその日の出来事は『マリヤの悲劇』と呼ばれ、マリア=ラーズグリーズの名と共に【歩く理不尽】という称号を世に知らしめた。




 ――∵――∴――∵――∴――∵―― 




「嫌ぁぁぁぁーーーー!?」


 マリヤが目を覚ますとそこは研究室の簡易ベットの上だった。側のソファーには妹達――シャルロッテとシャルロットも眠っている。

 今見た夢はただの夢、そうだと思いたかったマリヤは起き上がった拍子に地面に落ちてしまったカナタの枕を抱き締め、大きく息を吐いた後に深く深呼吸する。呼吸の乱れを直した後、震える手で冒険者リングに触れると自身の名前を表示させた。



 名前:マリア=ホーリーベル(彼方=田中=ラーズグリーズの眷属)



「あぁぁぁぁーーーー!?」


 絶叫に継ぐ絶叫、眠っていた妹達が目を覚ました事にも気が付かないマリアはベットに飛び乗ると二つ目の枕を抱き締めたまま身悶えする。


「「お姉さまは、とうとう枕相手に発散するだけでは物足りなくなったのね。そろそろカナタに夜這いをかける頃だと思うの」」

「ち、違うの! と言うか起きてたの!?」


 可哀相な子を見る目で姉を見つめる妹達。声を揃えて最善の策を紡いだ二人の口はマリアの手で塞がれ、有無を言わさずベットに引きずり込まれた。


「「大丈夫です、お姉さま。私達、眠った振りは得意なの」」

「あー! まさか眠ってなかったの!? あーもうどうすれば……」

「「お姉さまが望むなら、私達はなんだってするわ」」


 口を押さえるだけになっていたマリアの手に舌を這わせる妹達。

 咄嗟に手を放すと立ち上がって衣服の乱れを直すマリア。


「私が言わなければ大丈夫。いつも通り、そう! 何も変わらない」

「「戦場で拾って頂いたこの命はお姉さまの物」」


 そう妹達が言った瞬間、マリアは飛び掛るようにして抱き付くと二人の背を撫でながら頬にキスをする。


「シャルロッテ、シャルロット、あなた達は私の大事な妹。一生一緒に生きて行くのよ? あなた達が嫌ならカナタとそういう事はしない様に頼んでみるから安心して」

「「お姉さまの次にカナタは好き、女の幸せを味わって見たいのはコレとは別の話」」

「そう……それも良いわね」


 三人が抱き合ってお互いの背や髪を撫でていると、研究室の壁に張られた結界が不穏な振動を伝えてきた。


「無粋な侵入者みたいね」

「「お姉さまと私達の城を汚そうとする物には報いを……」」


 フェリが姿を消した日の早朝、一番初めに襲撃を受けたのはマリアの研究室だった。ほぼ同時刻、洋館にも訪れた侵入者達はブラウニー達の活躍により誰の目にも止まる事無く闇に葬られた。




 ――∵――∴――∵――∴――∵―― 




 昼食後のお茶を楽しんでいたマリア姉妹の研究室に、平穏の終わりを告げるような不躾な足音が響き渡る。


「マリヤー! ちょっと付き合って欲しいんですけど」

「アンナ、そんなに慌てなくても私達は逃げないわ。急ぐ理由は、後ろにいるアヤカの手に持ってるカードに関わる事?」

「あれ? マリヤ……何か雰囲気変わった? アヤカは前の子供っぽいマリヤも好きかも」


 マリアの周りをゆっくりと回りながら首を傾げるアヤカ。アンナは拒否されると思っていないのか、すぐに服の上から付ける装身具の類を取り出して机に並べている。


「マリアよ」

「はい?」

「マリア=ホーリーベル、私の名前」

「あぁ、ラーズグリーズ家の嫁入りしたからには、マリアを名乗っても良いの?」

「……」


 反射的に名前を訂正したマリアは、アヤカがラーズグリーズ家と言った瞬間顔を赤く染めて口を噤む。


「準備できましたよ~♪」

「それ……全部身に付けるの?」


 アンナが机に並べた様々な装身具。金銀宝玉の煌く指輪やネックレス、ペンダント、イヤリングなど、衣類を装飾する数々の品を遠目に見たマリアは声のトーンを落とす。


「えーっと今日はね~チラッ」


 めんどくさそうだと思ったマリアが妹達に目配せしていると、アヤカはスマホを取り出し動画を再生させる。


「嫌ぁぁぁぁーーーー!?」

「ちょっ!?」

「あぁぁぁぁーーーー!?」

「止めて!」


 スマホ画面に投影される自分の痴態を見たマリアは慌ててスマホを奪いにかかる。寸前の所で手を引っ込めたアヤカを恨めし気に睨むと、隣のアンナもスマホを取り出したのを見て全身の力を抜いた。


「それ、カナタの枕だとアヤカは睨んでるんだけど?」


 次に再生されたのはマリアが妹達を押し倒し、妹達がマリアの手を舐めるシーンだった。上手い具合に編集されたその動画を見たマリアに言える言葉は一つ。


「たまには散歩も良いわね……」

「目指すは南町のカジノですよ!」

「「お姉さまこれ綺麗♪」」


 いつの間にかアンナと一緒に装身具を見につけて微笑む妹達。マリアは少し複雑な気持ちになると、手伝いの報酬はあの装身具一式で我慢しようと思うのだった。




 ――∵――∴――∵――∴――∵―― 




 まだ五度目の鐘が鳴る前の時間帯。普通のカジノは鐘が鳴り終ってからの営業となるが、ここではすでに数々の場が立っていた。ルールが簡単なものから複雑なルールを要する特殊はゲームまで、地下に作られたこのカジノで行われていないゲームは存在しない。


「追加で一枚ドローしてフェイズエンド」

「ほほぅ? 中々やりますなぁ」


 王都の南街に存在する裏カジノ・サウスルーラーでは現在四人の乙女がポーカー台を囲って支配人と勝負していた。


「ぐぬぬぬぅ……一枚――やっぱり二枚追加でドローします! アッッー! サレンダーします……」

「「馬鹿がいますよお姉様。追加で一枚ずつドローしてフェイズエンドします」」


 追加で二枚のカードを受け取ったアンナは、めくったカードを放り出し椅子の背もたれに項垂れかかる。大きな手を狙いに行くアンナと違い、マリア姉妹は確実に黒星を増やしていた。


「ほうほう、そちらのお嬢様方もなかなか手堅い、ダブルジャック初心者とは思えませんな。それではショウゲームです」


 ゆっくりとオープンされて行く台上のカード。先にめくられていくプレイヤーのカードはダイヤ5と伏せカード6とクラブ9合計20、片方は伏せカードのスペード3とオープンカード7と伏せカードのクローバー3で合計13。マリアのカードは20と13でツーセット33。続く妹達のカードはツーセット30と29。

 対する支配人のカードはダイヤエースとクラブキングで合計21、片方はハート6と9で合計15。支配人のカードは21と15でワンジャックのツーセット36。


 ブラックジャックに似たこのカードゲーム名はダブルジャック。

 一般的なトランプと同じ52枚のカードを二セット、計104枚とジョーカーを2枚使用して行われるゲームで、通常のブラックジャックと違う点は枚数の多い分引けるカードに制限が無い事で手役が大きくなりやすい事と、揃えるカードが各自初めから二セットある事だ。

 勝利条件は二セットあるカードを各21以内の数字に揃え、合計値をより42に近づける事。

 敗北条件は二セットあるカードのうち、一方でも22以上になる事。

 最終的に合計した数字がディーラーより高いとプレイヤーの勝利、同じか低いとディーラーの勝利となる。

 なおジョーカーは0から10のどの数字の代わりとしても扱う事ができる。


「こちらはワンジャックのツーセット36。ディーラーの勝利です」

「ワンジャック……1.5倍の追加配当ですか、お爺さん運が良いですよ……サレンダーしてなかったら追加で大銀貨出すところでした」

「これは怖い。ダブルジャックで無かった事を幸運に思わないとダメね」

「ダブルジャック――3倍の追加配当なんて滅多にきませんよ~」


 現在のかけ金は金貨1枚。ディーラーがワンジャックでプレイヤー全員に勝利したので、マリア側が支払うイクス(おかね)は金貨7枚と大銀貨3枚。サレンダーしてゲームを降りた場合、ワンジャック・ダブルジャックの追加配当は支払わなくて良いルールになっている。代わりにサレンダーするとディーラーが22以上の数字を出して負けてもかけ金は戻ってこなくなる。


「これはこれは残念な結果となってしまいました。 しかし、貴女様の腕前ならこのくらいのマイナスすぐに取り戻せるはずでしょう! ゲームを続けますか?」

「もちろん、そっちの馬鹿な娘が負けてる分を補っても――こちらにはまだまだ余裕があるわよ? 夜が明けるまで、楽しい時間は終わらないわ。ふふふっ」

「ウォッー! こっちの台がヤベェ事になってるぞ!」


 自信満々にマリアが懐から出した巾着袋には溢れんばかりの金貨が詰まっており、周囲で固唾を呑んで勝敗の行方を見守っていたギャラリー達を興奮させるには十分だった。

 ちなみに、このお金は全てアンナが王都の地下ダンジョンで稼いだアイテム・装備を売ったお金の一部である。


「それは素晴らしい! 現役から退いた私めをご指名頂くだけではなく、血沸き肉踊る真剣勝負をソウルアウトまで御所望とは。私め恐悦至極に存じます。

 願わくばこの若き挑戦者に栄光を、そして終わらぬ時をこの場所に!」


 ディーラーである支配人は丁寧に腰を折ると最上の礼を持って若き挑戦者を迎え入れる。


「あ、ちょっと厄介事っぽいからアヤカは席を外すわ。アンナも無駄使いしちゃダメよ?」

「行ってらっしゃい~♪ 私は負けませんよ!」

「メール? そちらは任せます」

「「お手伝い必要?」」


 アヤカは勝負する四人を後ろから眺めていた。突如自らの左手が震えた事に驚き、メールの内容を確認した後内容を伏せたまま勝負続行を指示する。


「それじゃあ、ちょっとお花を摘みに行ってくるわね。何が(・・)有っても大丈夫だから後はよろしく~」

「お友達でしょうか? あのお方も美しい……」

「……ゲスが」


 アヤカの出した合図に瞬きする事で答えるアンナ。

 マリアは支配人の目に情欲の色が宿るのを見逃さなかった。マリアが小さく呟いた独り言を聞き取れた者はこの場に妹達しかいない。


「それではゲーム再開といきましょうか」

「えぇ、そうね――その前に、シャルロッテ、シャルロット飲み物を取ってきて貰える?」

「「はい、お姉さま」」

「私の分もよろしくお願いしますよ~」

「この最上位台では飲み物は全て無料となっております、最高級のお酒をお楽しみください」

「ありがとう、楽しませて貰うわ」


 王都南街の裏カジノを牛耳る商会の長――紳士の皮を被った支配人とマリア達の戦いは今始まる。




 ――∵――∴――∵――∴――∵―― 




「まずいわ――相手の動きが早すぎる。協力者が居る? あのゲスよりも大物の……考えたくないわね」


 宝物庫を通り冒険者ギルドへと抜けたアヤカは、焦る気持を無理やり押さえ込みカナタの元へと急ぐ。

 マリアの研究所への襲撃、リトルエデンショップ箱庭への襲撃、未確認の洋館への襲撃、偶然にしてはタイミングが合い過ぎている。


「マーガレット――なんでこんな時に連絡が取れないのよ……」


 先ほどアヤカのスマホへと届いたメール。マーガレットから送られてきたそのメールには一言こう書かれていた「敵の狙いはカナタ」と……。

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