表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボクが異世界?で魔王?の嫁?で!  作者: らず&らず
第1章 チェンジリング
13/224

第11話 生存~戦~略~!迫り来る脅威から逃げろ、脱兎の如く

「ハアハア」

「どうしたんだいカナタ、情けないよ!」

「ハァ、ロズマリーさん、ハァ、もうボクダメ」

「子供にはここらが限界かね、良いよ後はあたいに任せな!」


 ロズマリーさんがボクの右手を強引に引っ張り抱き寄せる。


「ごめんなさい、もう少し頑張れたら良かったのに」

「何言ってんだい、持久力なんて後からでも付いてくるよ。カナタは良い瞬発力を持ってるから将来が楽しみさね!」


 ロズマリーさんはボクを抱え上げると背後から来る影に意識を向ける。

 今ボクとロズマリーさんは全力で走っている、と言ってもボクはお姫様抱っこされたまま運ばれてるだけだけど……


 どうしてこうなった。背後からブンブン・ブゥン・ブォォォっと凄まじい羽音をさせて飛んでくる蜂は一匹が体長1mは有る、ソレが五〇匹くらいの群れとなって襲ってくる。


『ビックWARビー』


 あの静まり返った森の原因がこいつだった。日本じゃいない夜行性の蜂で、昼間縄張り内に入った獲物の匂いを覚えておき夜になると群れで狩りを行う別名『森の戦争屋』と言うそうだ。

 肉食で何でも食べるらしい、人間も餌にするとかで巣を見つけたらギルドに報告するだけで大銀貨一枚貰えるそうだ。

 巣に溜め込んだ蜜は、唯一肉食じゃない女王蜂の為に集められる物で超が付くほど高額な値段で取引されているとか。巣自体も様々な物の材料として使われる高級品らしい、そして討伐には緊急クエストが発令されギルド総出で行われるそうだ。


 何故そんな魔物に襲われているかというと六時間ほど時間を遡る……




 ――∵――∴――∵――∴――∵―― 




 手を繋いだまま薄暗い森を歩き始めて一時間ほど経った。


「ロズマリーさん先ほどの布製のバックパックに結構な量のアイテム入れてましたけど……見た感じ全然入ってないように見えますね」

「あぁ、このバックパックはベヒモスの胃袋を利用して作った魔法道具さ、見た目より物が入るし重さも一〇分の一にしてくれる優れ物だよ? あたいの大事な人の形見さ」

「あ、すいません急に」

「どうしたんだい? それよりそろそろご飯にしようか」


 10mほど空けた場所に陣取るとロズマリーさんは真ん中にある岩に荷物をまとめて立てかけごそごそと準備を始める。

 アイテムボックス的な魔法道具があるのか……それならスマホもそっち系のレアなやつと言う事で良いかな?


「二・三日で帰ってくるつもりで硬パンと果実くらいしかないが良いかい?」

「良いんですか?」

「子供が遠慮するもんじゃないよ! いっぱい食わないと成長しないよ」


 笑いながらお尻を叩いてくる、足が地面から離れるかと思った。ちょっとは手加減して欲しい、そういえばラビッツの肉があったけどアレ食べれるよね? 聞いてみよう。


「さっきのラビッツの肉食べれますよね? いっぱいあるし食べませんか?」

「ニードルラビッツの肉が20kgとブレードラビッツの肉が15kgほどあるが良いのかい?」

「そこまで命の恩人に遠慮されたら困ります、ニードルラビッツの肉は多いですし少し減らしましょう」


 聞いてみると遠慮しながらも尻尾が凄い勢いで左右に振られていた。

 ロズマリーさんの手で10kgの塊があっという間に串焼きになっていく、1kgほど生のまま置いて有るけどユッケにするのかな?

 それにしても10kgも食べる気なのか……肉食系ですねわかりました。

 ベヒモス袋から串やら皿やらナイフやらを取り出して料理していく様は、熟練の料理人を思わせる慣れた手付きだった。

 ロズマリーさんが鉄製の棒の様な物を炭の塊(ベヒモス袋から出てきた)に近づけ『火よ』と唱えると

 炭の塊が燃え始める。周囲に塩コショウみたいな調味料を振った串を刺していくとナイフをもう一本だし肉の塊に挿す、準備が出来たみたいだ。


 手伝う暇も無いくらい簡単で素早い準備だった。ボーっと立っているとロズマリーさんが自分の隣を叩きながら硬パンとやらを差し出してくる。


「カナタも座れよ、鮮度が良い肉だ先に食べようか」


 隣に座ると先ほど肉を切っていたナイフで肉の固まりを削ぎながら硬パンに乗せ噛り付いている。洗う水が無いとはいえ、料理に使ったナイフをそのまま食べるのに使うのは大丈夫なのかな?

 肉に刺さったもう一本のナイフを持つと、硬パンに切れ目を入れて……肉を挟もうとするがパンにナイフが刺さらない。

 なんて硬いパンなんだ。悪戦苦闘しているとロズマリーさんがパンを手で真っ二つにちぎってくれた。


「何遊んでるんだい? もうすぐ肉も焼けるよ」

「えっ、えぇ? 硬くてちぎれなかったんですけど……」

「貴族様は非力だね~」


 笑いながら頭を撫でてくる、完全に子供扱いだけど気になった事が一つ出てきた。


「そう言えばなんで貴族ってすぐ思ったんですか?」


 聞いてみると何言ってんだこいつ? って感じの顔で答えてくれる。


「黒い髪に黒い瞳なんて貴族様しかいないだろ? おまけに貴族語しか喋れないとかどこのボンボンだい」

「デスヨネ~」


 山奥から出てきた設定が早くも崩壊した! そして今言われて分かったけどカーナさんは黒い髪で黒い瞳らしい、勇者の子供だからそう言う事も考慮しとくべきだった。どこかの貴族の子供みたいだ……ラーズグリースズ家の人に見つかったら絶対連れ戻される気がする。


 半分に千切れたパンを試しにかじって見るけどまったく歯がたたない、おかしい……カーナさんの身体能力は結構ハイスペックなはず、仕方なく舐めてふやかしながらかじる事にする。


 いきなり伸びてきた手にパンを奪われる。ロズマリーさんを見ると笑いながら右手で果実を握りつぶしパンに絞りかけている。

 差し出されるパンをかじって見ると少し硬いけどちゃんと食べられそうだった。この果実結構酸味があるけど何かな?


『スイーツレモン』


 見たまんまレモンだった……肉にも合いそうなので生肉を削って乗せて食べる。うん、カルパッチョを乗せたバケットみたいな感じでイケル、串を渡されたのでそちらも食べてみる。

 何か全然肉っぽく無い、いやササミ? 振りかけてあるのは岩塩のようでなかなか美味しい、ついつい二本目に手が伸びる。

 不意に手をつかまれて問いかけられる。


「カナタ……アンタ何者だい?」


 どこかで選択肢を間違った? 話をそらそうにも真剣な眼差しと時々動く耳が嘘を許してくれそうにない。


「何で、そう思ったんですか?」

「硬パンを食べる貴族様なんて居ないんだよ? それに服装とその喋り方だよ」


 あっちゃー確かにこんな硬パン食べる貴族とか居なさそうだね、服装は天使御用達の服しか持ってないから仕方ないけどやっぱり時代のトレンドに追いついてないのかもしれない。でも喋り方は問題ないんじゃないかな?


「服は今これしか持ってないだけですし、喋り方は普通じゃないですか?」

「あぁ、そうさ貴族同士仲良く喋っている様に普通さね。相手が冒険者じゃなかったら間違っていないよ」

「冒険者にもちゃんと礼節を重んじる貴族だって居るかもしれませんよ?」

「それもそうかね……でも決定的な事が一つあるのさ、カナタ……何でこんな危険な場所に護衛も付けず貴族の御令嬢が一人で居るんだい」

「はぁ!? 何勘違いしてるんですかボクは男です」


 確かに日本に居るボクは華奢で女の子に見えなくも? 無いけど……いや、多分大丈夫だ男に見えるはず。

 こっちではカーナさんの体借りてるんだしそこら辺は……あれ?

 日本に居た時のボクより背丈が低い……? いや、でもそれは五年も時が止められてたからであって一三歳なら当然だと思う、栄養事情とかも有りそうだしね。


「なら脱ぎな!」


 ロズマリーさんが急に手を引っ張り天使御用達の服に手をかける!


「待って、待ってください! ほら女の子なら胸とかあるじゃないですか」

「そのくらいの歳なら子でも産まないと胸は張らないよ」


 恐ろしい事を言いながら服に手をかけてくる、でもさすが天使御用達だけあって脱げる気配は無い! 万全の防御力だ。


「ロズマリーさんも胸大きいですよね! 子供とか生まなくても大小の差は個人の個性として認められるべきです!」


 ダメだ混乱してきて何言ってるかわからなくなってきた。


「これでもあたいは一三歳になる娘が一人いるんだい、恥ずかしがらずに脱ぎな」

「なんでボクが誰かって話が脱ぐ脱がないの話になってるんですか! そしてロズマリーさん一三歳の子持ちって今いくつなの!」

「今年で二七歳だよ! 確かに誰か分かれば脱がさなくても良いさねぇ」


 手の力が緩んだ。やっと分かってくれたみたいだ。二七歳って言われてもロズマリーさんの姿を見たら信じれない、獣人は歳とっても姿があまり変わらないのかな? でも二七歳で一三歳の子持ちって日本だったら犯罪だよ……異世界の結婚年齢とかどうなってるの。

 今のうちに離れようとした瞬間……


「スキ有りだよ!」

「なっー」


 一息で剥かれてしまった……でもそれどころじゃない、無い! カーナさん女の子だったのか。

 ステータスの性別がクエスチョンになっていたわけだ……

 もしロズマリーさんに合わずにうろうろしてたら簡単に死ぬか最悪……異世界定番のオークとかゴブリンとかに捕まって……

 あれ、涙が出てきた。何で、声が震えて……


「ボクは……あのとき……ロズマリーさんに助けてもらわなければ……」


 脳裏に思い出される、焼けた町と逃げる人々、襲い来る魔物の群れ、これはカーナさんの記憶……?

 魔物を指揮する存在が空を舞っている……アレは、純白の翼を持った天使……!?

 何故天使が人を……意識が……戻る。


「もう大丈夫だよ。すまないね……軽く探りを入れようと思っただけなんだ。辛い事を思い出させてしまったみたいだね。ヨシヨシ」


 意識が戻るとロズマリーさんがボクを前抱きにして頭を撫でていた。頬を伝う涙の後がカーナさんの過去が凄惨な物だった事を思い出させる。カーナさんが反応を返さない理由の一端が分かった気がする、もしかしたら神が何かしたのかもしれない……あの虐殺の惨状がもし神の行った事だとすれば。神が敵視する魔王とはいったい……


「嫌な事は忘れて、腹いっぱいご飯を食べればきっと良い明日が来るよ! これはあたいの大切な人が言ってくれた言葉なんだ。さぁ冷めた肉を温め直すよ」


 ロズマリーさんは話の途中にちゃっかり肉串を火から遠ざけて焦げないようにしていたみたいだ。


「助けてくれてありがとうございました」

「もう良いよ、カナタに娘の姿が重なって思わず体が動いただけだよ」


 顔が赤くなっているのを見せたくない様でこちらに背を向ける……尻尾が左右に揺れている、分かりやすい良い人だね。顔隠して尻尾隠さず!


 ご飯を食べた後、早めに眠って明日の朝早く帰らずの森を抜ける事になった。

 そして、その時は来た……


 人間にはどうにもならない生理現象と言う物がある。トイレに行きたい……

 でも周りは夕方くらい? かなり薄暗くなって来ている、広間中央の岩陰に寝床の準備をするロズマリーさん、こっそりそこら辺の木の影で済ませるしかないと思い静かに離れようとする。


「カナタどこいくんだい? もう暗くなるから離れない方が良いよ」

「あの、その、アレです」

「なんだい?」

「お花を摘みに……」


 もう限界だ……! 我慢が効かない、早く木の影へ。


「花なんて明日にしな、明日は早いんだ、眠るよ」


 手を引いて寝床へ向かうロズマリーさん、明日じゃ遅いんです……


「ダメです、動かさないで!」

「んん? スンスン」


 ロズマリーさんはスンスンと匂いを嗅ぐとやっと分かってくれたみたいだ。我慢してる匂いとかあるのかな?


「わるかったよ……中央の岩の裏ですると良いよ」


 分かってくれた、急いで動くとやばい。

 寝床のある場所の反対側に少し穴が掘ってあった……


 用を足した後で気が付く、紙が無い? あれ、ちょっと待って、異世界物のネット小説だとこういう時どうしてたんだっけ? 葉っぱ? 布切れ? 浄化魔法? 水魔法とか風魔法だったっけ?

 ここは真剣に考えよう、笑っている場合じゃないよこれ。今後どうするかにも繋がる重大な案件だよ!


 1.葉っぱ。結構硬そうだし毒とかあったら危ない、そもそも葉っぱは人間としてどうなの?

 2.布切れ。これがベストかな? 町に着いたら服屋に行って端切れを貰おう、最悪古着を買って解体して綺麗に洗えば良い。使い捨てにできるし布なら自然に還りそう。

 3.浄化魔法。そんな物があったら真っ先に使うよ! 一応ロズマリーさんに聞いてみよう。

 4.水魔法と風魔法。この魔法があれば文明の域に近づける! ビデとウォシュレットと温風機能だよ! あれ? 温風なら火魔法も要るのかな。


 そんな事を考えているとロズマリーさんが顔を出した。


「どうしたんだいカナタ? 随分時間がかかってるじゃないか、虫にでも刺されたのかい?」

「紙が無いんです! 人間として葉っぱはどうかと思って、浄化魔法も無いし、水魔法と風魔法と火魔法はコンビで文明の域なんです!」


 考えていた事が全部言葉に出たけどプライバシーを守って欲しい……


「生活魔法を使えば良いんじゃないかい? 生活魔法ならMPが無い子供でも一日五回は使えるだろ?」

「生活…魔…法?」


 何その便利魔法、覚えてないんだけど……

 気が付くとロズマリーさんが隣で用を足していて【生活魔法】を唱える、ついでにこっちにも手を近づけて【生活魔法】を唱えてくれた……

 正解は5.生活魔法でした。詳しくは省くけどビデとウォシュレットと温風機能が有るみたいでした。


 あ、異世界にも下着があるそうです、惚けていたら下着は付けた方が良いと注意されました……

 いくら天使御用達の服に浄化作用が有るとは言え、恨むよあの天使。




 寝床でデッカイ毛皮に包まってさらに抱き枕にされながら今日の事を考える、一日目から大冒険だった。

 明日はもう少しお手柔らかにお願いします、そしてこんな暗い森の中で謎炭が燃える焚き火だけですごすのは現代人には無理なようです、眠れません、泣きたくなってきました。

 弱気になっていた時不意にソレは起こった。


【生存の心得】PS発動されました。【生存本能】PS発動されました。【生存戦略】PS発動されました。スキルをコネクトします。


 SES【生存闘争】を獲得しました。


【生存闘争】PS発動されました。現状を打破するスキルを周囲の生物からコピーします。


 最重要候補:EXS【第六感】をコピーしますか? YES/NO



「はぁ!?」


 どういう事、何か色々起こった! 脳裏に言葉が浮かんでいる。そして勝手に選択肢がYESだけになった。


 制限時間が切れました。EXS【第六感】をコピーします。


 EXS【第六感】を獲得しました。前提スキルは未獲得です。EXS【第六感】PS発動します。


「どうしたカナタ? またオシッコか」

「ここに居ちゃダメな気がする! 【第六感】がPS発動したとか出てる何これどうするの!」


 寝ぼけていたロズマリーさんはボクの言葉を聞いたと同時に荷物を一瞬でベヒモス袋に詰め込み手を引いて走り出す。


「どっちからだい! 嫌な方角は分かるかカナタ! 命の危険があるのはカナタだ。あたいの【第六感】には反応が無いから解らないんだ逃げるぞ」

「今向かっている方向の逆から嫌な気配がいっぱい来る!」

「帰らずの森深層から嫌な気配がいっぱい……もしかしたら。カナタ急に森が静かになる空間に入ったかい?」

「この世界に来た場所がそんなところだったけど何? 聖域とかそんな場所かと思ったけど違ったみたい?」


 やっぱりあの時は後者だったのか、強者のテリトリーつまり追って来るのは森をあんな状態にできる化け物だ!


「最悪だ! ピチピチピーチの採取のついでで良いとか言っといて、あのギルドの雌狐め! ばっちり巣を作っているじゃないかい」

「何が来るの!?」

「森の戦争屋が来るぞ! カナタ全力で森から出るよ。あたいだけなら相手が諦めるまで逃げ戦えるがカナタは無理だ!」

「それだったらボクを「ふざけるんじゃないよ!」置いて」


 走りながら喋る途中でロズマリーに怒られた。


「あいつらは女王蜂以外肉食さ、生きたまま巣に連れて行かれて幼虫の餌にされるよ! すぐに死なないように幼虫の唾液には回復・止血・化膿止め効果があるからね! 死ねるまで一四日はかかるよ!」

「何それ怖い! どうしてそんな危険な生き物が居たのに気が付かなかったの」

「あいつらは基本夜行性だからね。森の外に出たら追って来ないから時間との勝負だよ!」


 全力で走るとロズマリーさんをちょっと追い越してしまうので、同じ速度に合わせて先に走るロズマリーさんを追いかけるようにする。


「こっちだ!」


 右手を引かれて何も考えずに走る!


 そして冒頭へ……




 ――∵――∴――∵――∴――∵―― 




 いまだ背後からは凄い羽音の群れが追ってきている、全力で走るロズマリーさんがつぶやく。


「ここまでか……」

「諦めないで! 【治療F】これで筋肉の疲労は回復したはずだよ」

「なん!? だって……それは神の祝福かい? そんなスキルまで使えるカナタはいったい……この際どうでも良いさ! あたいも奥の手を使うからしっかり首に抱きついておくんだよ!」

「奥の手?」


 聞き返した瞬間ロズマリーさんが【半獣化】と唱えた。

 抱きついている首が、肩が、体全体が盛り上がるように感じられる。


 それは明らかな肉体の変異、人間が1、四速歩行で歩くケモノが5だとすると、耳や尻尾が生えた獣人は2、立って喋れるケモノは4。そして今回の変化は3、平たい人間味があった顔から鼻が突き出た犬? いや狼の顔に近づいて手足がふさふさして来た。指には鋭い爪が生えて尻尾がより大きく長くなる。


「アォォ~~ン」


 遠吠えがカワイイ、とか思っていると加速する、先ほどの倍はスピードが出てる! めっちゃ揺れる色々と。


 正面を向くと、森の中でジェットコースターに乗っている気分を味わえた。

 全身の筋肉を総動員して必死でロズマリーさんにつかまる、離れないようにと必死で思うと天使御用達の服がロズマリーさんにも絡みつく。さすが天使の服、かゆい所まで手が届くあの天使への恨みと相殺で+-〇だよ!


「抜けるよ!」

「ふぇ?」


 森を抜けて視界が広がった……夜だけどここがどこかはわかる空だ、周りに何も無いから、どう考えても落ちていってるから! 下を見ると滝つぼ? が見える、枯れた滝みたいなところだ……幸い結構深そうな滝つぼで良かった……


「カナタ! あたいたち助かったよ……カナタ? かな……」


 ロズマリーのその声を聴いた直後、緊張が解けたボクは気絶してしまった。

更新



名前:彼方=田中(カーナ=ラーズグリーズ)

種族:人間 年齢:17? 性別:女? 属性:?

職業:? 位:? 称号:無し ギルドランク:無し


レベル:18[1+17+?]☆

HP :219/219[100+100+1+18+?]

MP :119/119[100+1+18+?]


攻撃力:1[1+?]

魔撃力:1[1+?]

耐久力:5[1+4+?]

抵抗力:?[1+4+?]

筋力 :18[1+17+?]

魔力 :18[1+17+?]

体力 :18[1+17+?]

敏捷 :18[1+17+?]

器用 :18[1+17+?]

運  :NORMAL[1+?]

カルマ:0[0]


SES

:【生存闘争】

UNS

:【魔力の源泉】【生存戦略】

EXS

:【生存本能】【第六感】

スキル

:【生存の心得F】【治療F】【解体F】


装備品

武器 :無し

盾  :無し

兜  :無し

仮面 :特殊防弾ガラスの眼鏡[耐+1抵+1]【簡易鑑定】【光量調整】

服  :天使御用達の服[耐+1抵+1]【浄化S】【自己修復S】

鎧  :無し

腕  :スマホ[耐+1抵+1]【簡易アイテムボックス】【発展】

腕  :エアコンのリモコン[耐+1抵+1]【空気調和】

靴  :無し

その他:夜を背負った様な漆黒色の羽根[?+?]【????】

   :全てを覆い尽くすような漆黒色の羽根[?+?]【????】


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ