第8話 まさかの死亡フラグ! そして異世界へ……
本棚の場所に戻ってきた。今は天使御用達の服を着ているから恥ずかしくないもん!
何とか気絶せずに転送の瞬間を見てこれた。ずっとボクは飛べるボクは飛べるとつぶやきながら……大きな魔方陣へと吸い込まれたらこの場所に居た。
これは改善して貰いたい、転送魔方陣ならワープくらいして欲しい。天使に文句を言おうと顔を上げると見知らぬ天使がそこに居た。
灰ががった金髪ベリーショートの天使様(全裸では無い)が修道服?のような物を着て立っている、アレ翼どうなってるのかな……
「誰かとお間違いになってませんか?」
「いいえ? 何故です?」
思わず敬語で喋ってしまった、意識しないと足が生まれたばかりのバンビちゃんになりそうだ。
「ボクを転送してくれた天使と違うようなので……帰りは違う天使様が担当なされるんですか?」
「いいえ? 異世界転送を行った天使が責任を持って帰りも転送するのが決まりです」
この天使様見知ってるかも知れない、膝が笑いそうだ。
「もしかして……アナタは送ってくれた天使の上司で【微笑の聖女】様ですか?」
「はい、その通りですよ?」
ヤバイなんてもんじゃない! 天使が送り出す時泣きながら電話していた相手だ。戻ってくると天使が居なくて変わりに上司が居た。これはあの天使が何かやらかして磔になってる可能性がある。
「あの……天使は元気にしてます?」
「遠まわしにしなくても結構ですよ? 貴方の考えている事で大体あってます」
「あ、心が読めるんでしたね」
「はい、あの天使は今、磔にして折檻の真っ最中です♪」
心を無に……何も考えずに対応する事にする、踏んじゃいけないフラグ踏んだみたいだ。回避しないと明日の朝日が拝めないかもしれない。
「すばらしい精神力です。私が心を読め無くなるなんて自信無くしちゃいますよ?」
「出来れば穏便に事が済むようにお願いしたいのですが」
響絶対戻るよ……土下座でも何でもして響の話しを全部聞いて、その後一緒に映画を見に行くんだ。
「それは貴方次第だと言っておきましょうか」
「それは選択次第では……穏便に済まない可能性があるって事ですか?」
「言葉に出さなくても貴方の中では確定次項となっているのでしょ?」
「その言葉で解りました」
崖っぷちらしい、あの天使どんなヘマしたんだよ……思い当たる節があるけど考えない事にする。
「なかなか貴方もめんどくさいですね、読ませてくれたらすぐに終わらせてあげますのに」
「あの天使は何をやらかしたんですか?」
言質を取られるとか言うレベルじゃ無い! 考えたら終わりとかどんだけハードモードなんだよ……
「やってはいけない事を何個かやってしまったのですよ?」
「最後に貰った天使の羽根の事ですか?」
クリアカバー越しに『夜を背負った様な漆黒色の羽根』を見せる。
「それくらいなら許してあげれるんですけどね? 貴方も上手いですね、いきなり最後を持ってくるなんて」
早々と話しを終えようとするもカスリもしない、微笑む【微笑の聖女】様の目が玩具を前にした猫の様だ。
「私が猫さんですか……差し詰め貴方は弄ばれる鼠さんですね♪」
「やってはいけない事とは何でしょうか?」
「転送魔方陣の無許可使用です」
「あぁ、アレは許可取るの忘れてただけみたいですが、そんなに重い罪なんですか?」
「今貴方……そっちで良かったと考えましたね!!」
うっ、不味い引っかかった。
「そうですか引っかかったのですか……引っかかる何かがあるんでしょうね。ニコッ」
アッー!! 考えてなかったのに思わず引っかかったと思ってしまった。カマをかけてきただけなのに!
この様子だともうバレテル気がする、やっぱり他人の『世界に存在する力』を使ったのが不味かったのか。
「あらあら……もう少し楽しめると思ったのですが考えてしまいましたね」
「ボクはどうなるんですか……あと天使も」
「確かに貴方ほど『世界に存在する力』を貯め込んでいるのは稀ですが、過去に居なかったわけではありません。あの子がそれを使ってUNSを一つ新規に作ってしまったのは、好奇心に負けたという事ですし何とかしてあげれなくも無いですよ?」
「拒否権は無いみたいですね、お願いします」
素直が一番、もう何も考えないで良いや。
「素直な子供は大好きですよ? それでその眼鏡が付与されたアイテムなのですね」
直し忘れていた眼鏡を指して聞いてくる【微笑の聖女】様。
「はい、その通りです」
「スキル名は何と?」
【微笑の聖女】様に聞かれて不思議に思う、鑑定眼的な物を持ってないのかな?
「え、判らないんですか?」
「貴方の『世界に存在する力』から作られていて、そのまま本人がつけているので……私の目でも眩しくて識別出来ないんですよ?」
何か言えないスキルなのかと勘ぐられても嫌なので素直に答える。
「【簡易鑑定】が付与されています。効果は対象の名前がわかるというだけです」
答えると同時に【微笑の聖女】様を意識して見てしまう。
『【オルレアンの乙女】ジャンヌ=ダルク』
「オルレアンの乙……」
【微笑の聖女】様の指が唇に触れる。
「今消えたく無かったら……それ以上は言わない方が良いですよ? ニコッ」
言いませんし考えません。
「よろしい、そのスキルがどれほど異端な物かは今解りました。【簡易鑑定】とは名ばかりです」
【微笑の聖女】様は深刻な表情で答える。どうやら【簡易鑑定】さんはチートらしい、名前がわかるだけなのに……
「先ほどまで、貴方には一つの道しか用意されていませんでした」
あ、踏んだフラグは死亡フラグだったんですねわかりました。いませんでしたって事は回避したのかな!
「その通りです、貴方を消すとあの子の存在その物に悪影響を与える可能性が出てきました。ゆえに試練を与えます」
「おつかいじゃ無いんですか?」
「おつかい……そうですね、内容は変えますがその様な物だと思ってください」
ボクは助かったみたいだ。あとはあの天使がどうなるかが気になる。ん? 【微笑の聖女】様がこちらを見て微笑んでいる。
「まだ内容も聞かないうちから、もうあの子の心配ですか? 優しいのですね」
「【微笑の聖女】様も凄く嬉しそうですね。やっぱり大切な子なんですか?」
一瞬悲しそうな顔になる【微笑の聖女】様、でもすぐ微笑みを戻すと頭をヨシヨシしてくる。
「まさか、私がカマをかけられるとは思いませんでしたよ?」
あの天使もどこかの聖女様なのかな? さっきの様子じゃ【簡易鑑定】はよほど意識しないと天使にかからないみたいだしいつか本人に聞いてみようかな。
「わかっている様ですがお節介で言うと、高位の存在へその力を使う事はオススメしませんよ?」
「はい」
素直にうなずくとおつかいの内容変更を確認してみる事にする。
「どの様な内容変更でしょうか?」
少し言いずらそうな感じの【微笑の聖女】様? 何か問題でも発生したのかな。
「内容変更の前に伝えないといけない事があります。重要です」
もう何を言われても平気だってばよ! 早く戻って眠りたいしね、明日が楽しみだ。
「この場所が何と呼ばれているかあの子から聞いていますよね?」
「はい、『精神と時の世界』ですよね?」
「その通りです……今ここに居る貴方は精神体と言う事になり、始め全裸だったのはそう言う事ですね」
まさかあの天使カミングアウトしちゃってるのか! 思わず顔が赤くなる。
「一通りの事は聞きました」
目を背けてほほを赤らめる【微笑の聖女】様に少しドキッっとしながら長くなりそうなので先を促す。
「話しを続けてください」
「現在貴方の体は昏睡状態にあります。戻る事は出来ません」
とんでもない爆弾発言がキタ!
「ゴジョウダンヲ」
「本気デス、あの子が貴方を引っ張ってくる時に少し強引過ぎたみたいで……体と精神を繋ぐ線が千切れてます」
「あのぉてんしぃぃぃぃ!! 何しちゃってくれてるんだぁぁぁぁ」
ボク死ぬの? でも昏睡ならまだ助かる可能性はあるよね? 明日の朝には響が来るから最悪のケースは免れそうだ。あ、線を直せるようになるまで時間ずっと止めて貰えば良いのかな?
「できません。幼馴染さんへは虫の知らせですでに連絡済みなので。明日の朝には病院へ搬送される事になっております」
「悠さんは? お母さんには連絡取れなかったんですか!」
「残念ながら響さんと違って一般人の様なので無理です」
気になる事を言った気がするがここは置いといて、何とかする方法を……あれ?
【微笑の聖女】様は知っていて、もう連絡済みでおつかいをして欲しいと言っている。つまり何とかする方法が有る?
助かる可能性があると思えると少し落ち着いた。
「落ち着きましたか? その方法を話しましょう」
「お願いします……」
「こちらを読んで下さい。私のさらに上司からの手紙で、私は閲覧や内容を知る事を禁じられています。貴方が考えても読めない様にプロテクトがかけられていますので安心してください」
天使は手紙が大好きなのかな?
『お困りの貴方へ』
今の絶望は気に入ってくれたかな? あの天使を騙し、君を今の状態まで追い込んだのはボクさ。
ボクから君に望む事はただ一つ。とある異世界へ行って魔王に類する者を倒して欲しいんだ。
方法は問わ無いし何年かかってもかまわないよ? 時間が経てば経つほど君の体が老い弱っていくけれどね!
ボクには邪魔な存在なんだよ? 直接手を下す事が出来ない事情があるから、君を駒として送り込む事にしたのさ。
拒否権が無いのはわかっているね? 他の天使には君の心を読めない様に今したからこの事は内緒だよ?
もし喋ったらどうなるか……君の大事な天使やもっと大事な幼馴染の身に不幸が起こらないと良いね? ボクは悪くない。
あまり長いと怪しまれるね、さぁ戦いを始めようか! 憎き〔FOURTH HEAVEN〕の小娘との戦いを!
天使のおつかいの内容変更New
1.期間は神の代わりに魔王に類する〔FOURTH HEAVEN〕の小娘を倒すまで。
2.おつかいに行っている間も時間は進む、老い弱っていくのが嫌なら早く倒せ。
3.死亡したらそこまで。親類・縁者に悲しい不幸が起こる事になる。
4.もしおつかいを達成したら怪我・病気は戻す時に完治してやろう。
5.報酬は体と精神を繋ぎ直す事と特別に一日3g達成までにかかった日にち分の金をまとめて支給してやろう、ありがたく思え。
6.ボクは悪くない。それだけ大きな『世界に存在する力』を持った自分を恨め。
手紙を読み終わった彼方は声にならない叫びをあげ、神への復讐を心に誓う。
「絶対に許さない!」




