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プロローグ1
あなたは今笑っていますか?……泣いていますか?
私は……あの日からずっと、あなたにした大きな過ちが心にひっかかったままです。
許してもらえるなんて思ってない。
でも。
もう一度会いたい。
謝らせてほしい。
私にとってあなたも大切な人間だったのだと、ちゃんと話したい。
もう無理な願いなのでしょうか?
親は? と聞いた私に、あなたは答えた。
「オレはライオンの子」
あの時は意味もわからず、変な男だと思ったけれど、今になって思う。
あなたは、ライオンの子。
誰の子でもないあなたはライオンの子。
孤高のライオン―――
神様、お願いします。
彼に会わせてください。
もう一度。
もう一度だけでいいから。




