『薔薇の国のお姫様』起承転結あらすじ
起
遥か遠い薔薇の国には、美しい薔薇のお城に一人で暮らす、心優しいお姫様がいました。
お姫様は深紅の薔薇「アンクルウォルター」をこよなく愛し、『情熱』と『愛情』を込めて育てては、世界中の人々や他国のお姫様たちに分け隔てなく贈っていました。
その薔薇は多くの人々に喜ばれ、お姫様は花を通して世界中に友達を増やし、笑顔と喜びに包まれた日々を送っていました。
承
しかし、お姫様は薔薇に情熱と愛情を注ぎすぎるあまり、庭にアンクルウォルターを植えすぎてしまい、ついには水も肥料も土も尽き、大切な薔薇をすべて枯らしてしまいます。
友達を招いて開くはずだったパーティーもできなくなり、お姫様は深い孤独と悲しみに沈みました。
そんな時、遠い国から白馬に乗った心優しい王子様が現れます。王子様は「オレンジデュカット」という薔薇を愛し、『信頼』と『プライド』を持つ人物でした。二人は力を合わせて荒れた庭を立て直し、それぞれの薔薇を育てながら心を通わせ、やがて深い愛で結ばれます。
王子様のプロポーズを受けたお姫様は結婚し、二人は王と王妃となって薔薇の王国を治めるようになります。さらに二人の間には二人の男の子が生まれ、王妃は家族とともに薔薇を育て、人々に笑顔と幸せを届け続けました。
転
王妃の温かな人柄と活動は世界中に広がり、薔薇の王国の理念に共感した人々によって、世界各地に百二十五か所もの薔薇園が築かれていきます。
王妃は王国の象徴として多くの人々に慕われ、世界中の人々は「王妃がいるから安心だ」と感じるようになりました。
けれど、その平和を妬む盗賊たちが現れます。彼らは王妃を王国の象徴と見なし、王妃を奪えば国も世界中の薔薇園も混乱すると考え、王国を襲おうと企てました。
それでも王妃は武器を取らず、盗賊たちと真正面から向き合い、問いかけ、語り続けます。彼らの苦しみや悲しみを理解しようとしながら、『情熱』『愛情』『信頼』『プライド』の心をもって、一年近くにわたり対話を重ねました。
結
王妃の揺るぎない言葉と慈愛に触れた盗賊たちは、やがて自分たちの過ちに気づき、奪うのではなく与えることの尊さを知ります。
王妃は彼らにもアンクルウォルターとオレンジデュカットの薔薇を贈り、その花は和解と新たな始まりの象徴となりました。
こうして盗賊たちは王妃の友となり、薔薇の王国にも世界中の薔薇園にも再び平和が戻ります。
王妃は、ただ自分が幸せになるためではなく、出会うすべての人の心に『情熱』『愛情』『信頼』『プライド』という幸福の種を蒔き続けました。
そして薔薇の王国には今日も、優しい笑顔と薔薇の香りが広がっているのです。




