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世界を救うために君を落とします  作者: 月丘 翠
作戦《4》ライバル登場!ライバルを倒せ!
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ライバルを倒せ!①

体育祭も終わり、残すイベントは期末試験のみだ。

期末試験もいつもなら憂鬱だが、今回は違う。

昨日の夜に、メッセージが来たのだ。


“期末試験が近づいてきたので、明日から一緒に勉強しませんか”


早速今日の放課後から図書室で勉強だ。

奏汰は、誠と別れると鼻歌交じりで教室に入る。


「おはよう、市川」


小春が元気よく声をかけてきた。

梨央と話していたようだ。

体育祭の後、小春が梨央にしっかり謝ったらしく、そこから少し仲良くなったらしい。


「おはよう、市川くん」

小春にならって、梨央も小さな声だが挨拶をしてくれた。


「おはよう、大久保さん」

「ちょっと私は無視!?」

「おはよ、藤沢」


「ついでかよ」と不服そうな顔で睨んでくる。


「そういえば、さっき先生に聞いたんだけど、今日転校生がくるんだってさ」

「転校生?」

「そう。しかもうちのクラスらしいよ」

「相変わらず何でもよく知ってるな」

「私の耳は地獄耳だからね」


小春はふざけて耳を自慢気に奏汰に見せつけてくる。


「それ別にいいことじゃない気がするけど」

そんなことを言っているとチャイムが鳴って、担任が入ってきた。


席に着くと、ぼんやりと窓の外をみる。

梅雨も明けて少しずつ暑さが増している。


「はい、じゃあ今日は転校生がいるので紹介します」


がらりと扉が開き、長身のイケメンが入って来た。

女子たちが息をのんでいるのがわかる。

男子たちはため息をついている。


「じゃあ、自己紹介お願い」


「藤堂藤志朗です。宜しくお願い致します」


藤志朗が深々と頭を下げると、担任に言われた席に着く。

「藤堂くんは今までアメリカで過ごされていたので、日本の高校のことでわからないことがたくさんあると思います。みんなで教えてあげてください」

藤志朗はよろしくと白い歯を見せて笑った。


「この時期にうちに転校してくるって変わってるよな」


お昼ご飯を食べながら、誠は女子に囲まれている藤志朗を見ている。


「まぁな。なんかアメリカにいたらしいぞ」

「ふーん、いけすかない奴」


誠は、不服そうにぐっと睨みつけた。


「まだ話したこともないんだから、そう言うなよ」

そう言って、奏汰も藤志朗を眺めていると、藤志朗がゆっくり立ち上がり、歩き始める。


(おい、お前まさか―)


奏汰が思わず立ち上がった時、藤志朗が立ち止まった。


「大久保梨央さん、放課後に校舎を案内してくれないかい?」


本を読んでいる梨央は、声をかけられて本からゆっくり視線をうつした。


「放課後は用事があるので無理です」


きっぱり言うと、本に再び視線を戻した。

藤志朗は断られたことが受け入れられないのか、何も言わずそのまま突っ立ている。

そのうちに他の女の子に声をかけられて、その場から離れていった。


「さすがだな。って、奏汰・・・なんでお前ニヤニヤしてるんだよ」


「別に何でもない」


奏汰はそう言いながら、昨日のラインを思い出していた。


あっという間に放課後になり、奏汰は図書室へ向かった。

いつもの場所で梨央が本を読んでいる。


「大久保さん」


声をかけると少し微笑んで、荷物を避けて隣の席を空けてくれる。


「今日からまたよろしくお願いします」


奏汰が頭を下げると、「任せてください」と梨央が微笑んだ。


前回と同様に梨央が計画を立て、その通り勉強していく。

おんぶにだっこで恥ずかしい気もするが、学年1位の勉強法は確実だ。


「大久保さん、ここがわからないんだけど」

「ん?どこ?」


そう言いながら、梨央がノートをのぞき込む。

梨央との距離が近くてドキドキが止まらない。

これがあと2週間あるのか~。心臓もつかな、なんて思っていたら、男が声をかけてきた。


「やぁ、大久保さん」

2人が顔を上げると、男が立っている。


「藤堂くん」

「藤堂」


「今日の用事というのは試験勉強なわけだね?大久保さんは見た目が美しいだけでなく、勉強も出来るんだね」

藤堂はまるで奏汰なんて見えていないかのように、梨央の正面に座った。


「僕も一緒に勉強しよう」


そしてそのまま図々しくも鞄から教材を取り出し、勉強し始めた。

その上静かに勉強しているならまだしも、奏汰が「ここがわからないんだけど」と梨央に聞くと、「君、そんなこともわからないのかい?」そう言って藤堂が解説してくる。

図書室でも梨央とあまり話せず、帰り道でもぴったりと張り付いてきて、梨央に話しかけ続けていた。


家に帰ると、ベッドにばたりと横になった。

「疲れたぁ・・・」


藤堂藤志朗。

イケメンで高身長。家が裕福で、頭も優秀のようだった。

しかも、大久保梨央を気にいっている。


自分自身と比べると、勝てる要素が一つもない。

世界の崩壊を食い止めるためにも負けるわけにはいかないが、不安しかない。

奏汰がため息をついていると、またパソコンが急に立ち上がった。


「・・・またか」


パソコンに何やら文字が表示されている。

「どうせライバルに勝利せよとかいうんじゃないんだろうな?」


恐る恐る起き上がってパソコンに近寄ると、「ライバルをぶちのめせ」と表示されている。

「なんか妙に攻撃的だな。嫉妬でもしてんのか?」

そう言った瞬間、パソコンの電源が切れた。

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