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お前の手に地球の未来がかかっている


「お前が彼女を落とさなければ、世界は崩壊するんだ」


パソコンの画面に必死にこっちに訴えかけてくる男性が映っている。


市川奏汰は、その男性を見て驚いた。


画面に映っている男性は、自分そっくり。

いや、まさに自分だった。

ただ今の自分より少し歳を重ねているようだ。

20代後半〜30代といったところだろう。


「昨日の話でわかっただろう?本当のことなんだ」


そう昨日のことだ。

奏汰は昨日の出来事を思い出していた。



15時間前―


奏汰は、いつも通りに数学の授業を窓の外を見ながら過ごしていた。

桜が散り始め、風が吹くたびにひらひらと舞っている。


高2というのは、一番いい時期だと思う。

高1は生活にも慣れないし、先輩が怖い。

高3は大学受験で勉強をしなければならない。

高2というのは、そのどちらもなく穏やかに過ごすことができる。


(いい午後のひとときだ)


奏汰はふぁぁと欠伸をした。

奏汰は、見た目も成績も平均的な平凡な高校2年生だ。

陰キャではあるが友人もいるから“ぼっち”ではないし、とはいっても陽キャみたいにウェイウェイ騒いだりすることもなく、穏やかな日常を過ごしていた。


昔は、俺には特別な才能や人生があるのではないか、なんて考えたことあったし、それがないとわかってつまらない人生だと嘆いたこともあったが、今はこの平凡な人生に満足している。

これからも人生の中で多少の波はあれど、総じて平凡な人生なのだろう。


今日の1日の終わりを告げるチャイムがなると、それぞれ部活などに向かっていく。

奏汰は帰宅部なので、いつものように幼馴染の篠田誠と共に帰っていた。


「奏汰、お前のクラスはどうだ?」


「あー、まぁ普通かな」


奏汰は1組、誠は3組だ。


「普通ならいいじゃねぇか。俺のクラスは佐々木がいるんだからな」


佐々木とは女王様気質の女で顔は綺麗だが、性格が最悪だ。

ファンの男子を下僕のように扱い、飲み物を買いに行かせたりと、パシッているのを見かける。

佐々木がクラスにいるとなんとなく佐々木の意見が通りやすかったり、佐々木の機嫌で雰囲気が変わる。

みんな佐々木が苦手なのに誰も言わないのだ。


「それはご愁傷様」


「いいよなぁ。お前のクラスには、大久保梨央がいるじゃん」


大久保梨央-。

大久保梨央も佐々木と同様にこの学校では美人で有名だ。

ただ佐々木と違って控えめ、というよりクールだ。

1人で過ごしていることが多く、女子たちからは陰で雪女と呼ばれている。

そして成績優秀で常に学年トップの成績で、さらに運動神経も抜群だ。


完璧な才女。


それが大久保梨央だ。


「あぁ、いるけど、関わることねぇしな」

「お前みたいな陰キャが関わることはないか」

「言い方はむかつくがその通りだよ」


帰宅して自分の部屋に戻ると、奏汰はパソコンをつける。

昔はゲームをよくしていたが、最近は動画を流しながらぼんやり過ごすことが多い。

いつものようにYouTubeをつけた。

おススメ動画がどんどん流れてくる。

特に見たいものもないので、いつも流したまま放置している。


制服を着替えていると、「い・・いち・・・いちかわ・・・」と途切れ途切れで音が聞こえる。

不思議に思って、パソコンを見ると、画面は真っ暗だ。


「あれ?壊れたか?」


「い・・いちかわ・・・いちかわかなた!市川奏汰!」



自分を呼ぶ声がパソコンからしてくる。

驚いて後ずさりする。


「いいから聞いてくれ!お前の未来がかかっている」


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