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にんぎょ

「こんにちは」


「あらこんにちは。私に話しかけてくる人は久しぶりね」


意思の疎通はできる。そっとセンを意識しながら話を続ける。


「このあたりには昨日着いたんですよ。それで色々と見て回ってまして。あなたはこの土地の方ですか?」


「海のどこでも私は行けるから、そうとも言うわね」


こちらに害意は持ってなさそうだ。この警戒心もこの世界に来てから持ったものだ。はじめは『平和ボケ』していた人間らしくなんの警戒心もなかったが、一度痛い目にあってから、どうしてもぬぐえなくなってしまった。


「丁度いい、そろそろ食事にしようと思ってたんです。一緒にいかがですか?」


「それはありがたいけれど、私が食べられるものを用意できるかしら・・・」


「アレルギーですか?大体のものはリクエストにお応えできますよ」


「そうね・・・・・それなら、あなたを食べさせてもらおうかしらぁ」


と、人魚は襲いかかってきた。しかし、ランタンに変わっていたセンが光を放つ。


「セン!」


眩しさに怯んだうちにセンをナイフに変えて、切りかかる。こういった命のやりとりも、経験したがまだ慣れない。


「ぎゃっ!」


「セン、もう一度!」


今度はセンを槍に変えて人魚を貫く。それきり人魚は動かなくなった。しばらくすると、人魚の体は泡になった。甘い匂いにもしやと思って一口味見すると、さっぱりとしたムースに近い口溶けだった。害がある感じもない。


後から聞いた話では、このあたりには人の肉を食べる魔物が住んでいたのだという。その体はムースのような口どけだが、あまりにもその魔物が危険なため、もうずっと近くの人たちは怯えて暮らしていたという。


その名はシームース。クッキードラゴン同様、討伐しても大丈夫なものらしく、安堵するのだった。

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