おちゃどり
「次はお茶鳥の園ですじゃ。お茶鳥は羽根が茶葉になっておりましてな。紅茶をはじめとして様々なお茶に加工されておりますじゃ。先ほどのガラス牛のミルクとともに淹れるミルクティーは王妃様もお気に入りですな」
そう、ガラス牛の牧場をあとにして今はお茶鳥の園に向かっている。ガラス牛の不思議な生態を考えながらも馬車は進む。
なお、ガラス牛のミルクはとても濃厚でおいしかった。バターやチーズもクラッカーに乗せて試食したが、まぁ美味しい。謎の生態すらなければ素直にあの味を堪能できたのに・・・・・。
馬車が進むこと10分ほど。少しずつ外が賑やかになってきた。空気もなんとなく緑茶のようなふわりとしたいい香りが漂っている。
「着いたようですね。作り手さま、どうか驚きませゆよう、お気をつけください」
「おどろく?」
不思議に思いながら馬車を下りると、色とりどりの羽根を持つ鳥?がずらりと並んでいた。
ぜんぶで30羽はいるだろうか。それらが虚無の表情でひたすらジッとこちらを見ているのだ。
恐怖でしかない。
こちらが動けばそれに合わせて鳥も首を動かす。でも体は誰も微動だにしない。謎の緊張感すらあった。
「あの、こちらが、お茶鳥ですか?」
「そうですじゃ。色ごとに加工するお茶が違うのですじゃ。緑の羽根なら緑茶。赤なら紅茶。茶色はほうじ茶、といった具合ですな」
「なるほど・・・・・なんでこんなに注目されてるんでしょう?」
「いやー、すみませんすみません!お客様がいらっしゃると伝えたらこの子たちが歓迎に向かってしまいまして!」
歓迎、だったのか。
「このお茶鳥の園の所長をしております。この度はご足労いただきすみません!」
「いやいや、今回はお茶鳥の羽根を少し持っていっても良いと聞いておるんじゃがなぁ」
「はい!先ほどまでこちらで遊んでいたので、沢山あります!」
「作り手さま、お茶鳥の羽根は抜け落ちたものを拾うんじゃ。拾ったものを水洗いして、乾燥させて、色ごとに選別して、加工。なかなか手がかかっとるんじゃよ」
「そうなんですね。あの、ところで・・・・歓迎はまだ続いてるんでしょうか?」
お茶鳥たちはじっっっっとこちらを見続けている。
「はい!みんな大歓迎しています!」




