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がらすうし

もはや私室扱いなのでは?と思いつつオレンジの部屋で目覚める。


今日はこの国の特産を見に行く日だ。実はかなりワクワクしている。


というのも、クッキードラゴンとか、なぞの植物とか、そういうわけの分からないものではなく、畜産という文化に基づく産業を見学するからだ。


そういえば、昨日のクッキードラゴンのうろこを食べた件については王様は何も言わなかったな。この国の人にとっては食材の一種、という扱いなのか。私の身の軽さとか、万能感とか、そこらへんを聞きたいのだけれど。


まぁいいや、と問題は置いといて、畜産の見学である。今日もお供は騎士さんだ。加えてコックさんも参加である。


「ガラス牛のミルクやバターはお城でも使っています。その細かな説明ならば、実際に使用しているキッチンの者がよいかと思いまして」


「今日は畜産関係の視察とのことで、わしも挨拶に行かせていただきますじゃ」


というわけで、馬車で牧場へ出発。馬車をひくのはやたらと筋肉質な馬だった。


「今日行くのはガラス牛の牧場と、お茶鳥の園、それからエッグコッコの飼育場ですじゃ。まずはガラス牛の牧場ですな」


簡単な説明を聞きながら牧場へ向かう。歩くよりも速いということもあり、牧場までは15分くらいで到着した。


広い牧場には真っ白な牛がちらほらと見られた。これがガラス牛だろうか。


「さ、まずは牧場主どのに挨拶にでも行こうですじゃ」


そうして牧場の建物を目指して歩くとガラス牛の大きさがよく分かった。普通の牛の倍はありそうだ。それと歩くたびに首元の鈴がチリンとなる。


「よくぞおいでくだすった。ワイがこの牧場の管理を任されとる者だでよ。丁度今からガラス牛の乳搾りさするで、見学されていきますかいの?」


「ぜひお願いします」


「牧場主どの、ミルクの味見とバター作りの工房も見せてくれんかの?」


「あぁ、ええですとも」


ガラス牛はとても繊細でかつ頭がいいらしい。同時に人なつっこいので、見知らぬ人間がいても大丈夫だそうだ。


で。


一頭ずつ手作業で乳搾りをしていくと、ガラス牛に変化があった。なんと白かった体が徐々に透き通っていくではないか。


よくよく聞いたり体を調べてみると、ガラス牛の体は保護色になっていると同時にガラスのように硬い体毛が生えているそうだ。白く見えるのは、まさしく全身にミルクを溜め込んでいるから。ミルクがなくなると、また保護色に近い透明になるのだそうだ。


どんな生態なのだ、と言いたくなった私は悪くない。

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