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Rp9、戦闘と開発

「あ“あ”ああああああああ――――アッ!!!」


“ガチャン、ゴッ、ドシャッ”


「落着け、うっ、お・・・俺だぁ~!!」

「スピリチュアル・ランサー発射!」


“シュブッ”


「ぐ――ッ・・・ぅあああ!!」

「ダメだ・・・ッ、もう一度ぉ・・・」


 戦闘区域に入ったにもかかわらず、自らを傷付けて抵抗を行っている。それは研究ラボでの生態実験に向き合い、己の記憶と意識による、不随運動と健康的思考と闘っていたのだ。まるで過去の“自分でない能力”に抗うように。


“ガチャ、ドサッ・・・フッ、フッ、うぅ、ハァッ”


「・・・落着いたか?君は前の戦闘で遥か遠くの宙域抗争に巻き込まれた」

「今は新たな記憶とこれまでの肉体が怯えて抵抗を続けていた」

「・・・意志が、僕の意志が繋がるように・・・か?」



“あぁ。一度の戦闘だけでなく二度目の戦闘に疲れ果て、肉体ごと滅茶苦茶になっていたその体を研究ラボで接合手術を受けて今、ここに居るんだよ”



“・・・ふ・・・ゥん”



―戦闘宙域―

 戦闘艦隊同士が次元の区切りを満たそうとしている時、そこにアスラゲージに融合した別細胞の遺伝粒子をまとった生物が、両者の艦隊ごと破壊する。

 その間、人工生命体を防備する、高さ5メートルの生体型戦闘メカロボットを一艦50機ずつ出撃させた。しかし、アスラゲージ“α”と認識されたその生物には、光と闇の各ホールから現れた遺伝粒子の武装では全く歯が立たなかった。それ程にして戦闘区域を殲滅寸前にすると、何らかの警告メッセージを伝え、その次元区域から飛び去る様に消えてゆくのだった。


―ビュオオオオオオ―

「こいつ、全ての砲門を躱してゆくぞ!?」


―ダダダダン、ビュイイイイ―

「これだけの交差する照準にさえ応答しないというのか?しかも、俺達はたった一個体なる“形状に捕らわれている”とでもいうのか・・・」


―キュォォォオオオ―

“全砲身が焼き切れるまでフォトンカノンを浴びせろ!”

“まだ諦めずにマイクロレーザー照射し続けろ!”


 集中砲撃さえ、何事にも応答しないその、漆黒にも近い蒼が宇宙の蒼に紛れるよう。それが赤黒く変化すると全艦隊と生体型戦闘メカロボット達が隊列を揃えたり、散ったりしてカノンやレーザー、ミサイルという砲撃を加える。

 なのに標的・アスラゲージαは狙われず、その宙域を過ぎ去り近付くだけであった。それはまるで何かが在ったから、そこへ近寄って眺めているかのような態度である。

 艦隊のクルーメンバー達は敵・味方同士で連携するも、全く動じないソレに集中するのに、当たったとなれば興奮を止めずにコンタクトを取ってみせる。だが、アスラゲージα自体、砕けては再生する事くらいしか彼等に通すことすら出来ないのであった。

 そう、我等は人類なのに敵対し、次元戦争を繰り出してきた証を立てたいが故に・・・あらゆる兵器を製造してきたのである・・・。



―ヒュオオ――ン―


「落着いたか?」

「ああ。だが、彼は俺達にメッセージを託そうとしていた」

「こんなにもボロボロになっているのに、笑ってもくれずに交流を求める様だった」

「何だか、研究ラボから生命実験を繰返されている内に、時が刻まれるような感覚さえ無くなってくる・・・あの男のように、狂ってしまうんじゃないかな?」


 艦隊の誰もが「風すらない」というのに、推進剤と空間の擦れる音が風のように聞こえるだけだった。 

 砲身から流れ出る秒速さえも超える発射音だけは宙域に通じるのに、彼等の声は空間さえ、応えてはくれない。

 そこには次元を超えた戦闘が繰り返されているだけで、そこへ研究を重ねたいという学者が興味を持ったに過ぎないのだから、いつか次元の向こうからやってくる艦隊とも、生命とも、遺伝子とも何時か、言葉を交わし手を取り合ってみたいものだと願い出る者達さえ居るのだが・・・


「そんなもの、私達の権限には無い話だな」

「待ってくれ、実際戦闘してみれば分かるだろう?なのに、お前達は何故そうでもしないと生きて居られない?俺達の苦しみが何故、理解を通り越している?」

「適当――、なんだよ。笑ってしまうんだよ」


“ゴガッ”


 幾つ殴ったとしても、彼ら人類からすると、鳥の羽ばたき音にも届かなかった。届くのは意志と魂による記憶である。結局、殴った記憶でさえも損壊した体を修復されれば、その記憶は操作され、別の生命遺伝子と組み替えられて、組み込まれる。そうなれば再び研究成果だとして戦闘に繰り出されるだけである―――。

 もう少し次元干渉が上手くいけば、と研究者達は思ってはくれないのだろうか、技術者は穏やかに暮らしたいだけなのに、ライト・オブ・ホールやダーク・オブ・ホールから降り立った“生命理論”にこびり付くだけに存在する。研究と実験の為にだけ、製造工程で、その数を増やされ朽ちて往けば、再びそれ以上の数と質を求められるだけである。

 その、響きは決意よりも空しいもので、宇宙空間の次元にさえも響くことはなかった。


―惑星プローメル―

「お前が、オレの母なのか?」

「わ、私は・・・あなたの名前を付けただけ・・・」

「オレを“インシュビ―”と名付けたであろう?」

「ミヘル、離れろ・・・」

「何という事だ。もう3メートルに成長している・・・」

「た・・・助・・・け、てぇ~・・・」

(ライズ!!)


―宇宙惑星パルマ―ジュ研究ラボ―

「何だと?1ミリにも満たない遺伝細胞が3メートルの生物に成長を遂げただと?」

「これでは次元の歪みと同じだろうな。直ちに戦闘開始を命ずる」

「そう。我等、研究者が最大権力を下しているのだから――、な・・・」

「そういえば、被検体“Riz=ライズ”が再び苦しみだしたそうだな?」

「今は、触れないでおこう。いずれ彼等もその意味を理解するだろう――」

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