Rp7、覇王=魔王と呼ばれし次元干渉
宇宙の末端から抜けた更に先の次元には暗黒星雲という“狂い”が在った。
突如、宇宙空間に現われる次元の一部アスラゲージも、その一端として現れ出でると元の宙域空間へと戻ってゆくのであるが、万が一、戦闘宙域の艦隊の前に現われるなら、それ等は残骸と化しているだろう。このようにして次元フォレスには様々な宙域と次元、星雲で構成されており、各惑星との干渉から文化という、文明が整う様に研究されていた。だが、そこからダーク・オブ・ホールを括り抜け、小さな惑星が点在する宙域空間で、暗黒星雲に辿り着くと更に、遥かなる闇が大地を覆った惑星が一つだけ存在している事は、どの惑星にも英知にも届かなかった。
――――そんな星が幾つものオーラを漂わせ、真の魂と意志として存在するのである――――。
だが、それは、神の意志から現れたのか、それともライト・オブ・ホールが時に変化した形状であるのか、それは魔導士バダンという名を発していた残り芽が時を刻むごとに、次元の集団となって集落として築いていたのであるが、それは何処にも響き渡らなかった。
それは、各次元を擦り抜けていて、宇宙空間の宙域か、若しくは点在する惑星に穴として突如、現れるか・・・それは、とても危険なる形状を謀反してじっくり様子を醸し出していたのか、それは誰にも理解の脱した内容であり、理であり、常識でもあった。
―――空間宙域に現われるその常識・・・それは、遺伝粒子として確認した研究ラボ施設による悪魔的な理か、人工的に生命の細胞を機械的に被膜シートに落とし、生前同等の意識の奥底に眠る記憶に従って、蘇生させ、プロトタイプからオールタイプへと進化させる事で、各惑星に人類を送り込むという計画。それを基に現在の惑星プローメルの実験により、宙域を裂く次元から現る遺伝を試験管へと落とし、もう一つの次元干渉を分離させ、新たなる生命として内なる光の針、“インシュビ―”を呼び出そうとした――――。
またの名を研究ラボでは、内なる眩き閃光の闇、インシュバイツと表現する科学者さえ居たほどである。彼の名は、インシュバイターという名であるが・・・それを引継ぐように研究員メンバーである新米ミヘル・ブレトーナが適任されたのは、最古の文明・ブレトルの創り上げた世界と、畏怖なる器質・相木俊郎の意志が宿っているからに宇宙の神は“そういう眩き存在に過ぎない”と判断したからであろう。
<<<我等が黒き太陽、星食へと満たされる時、あの光と闇の頂きに見える“虹”が我等を称え、我等を傷めつけるのだ!>>>
<<<魔王アスラゲージよ、勇者である魔導士バダンを称えダーク・オブ・ホールより現し落とし給え!>>>
<<<覇王をここへ、不遇にも“光を殺した王子インシュビ―”をここへ、与え給え>>>
―――それは、次元すら通り抜ける程の音と声だった。まるで邪心さえも蘇らせるような儀式を人間という形状でなく、化身として異形なる存在として集落を構えていた。その集落さえも宇宙宙域の遺伝子から現れる、木と炎としての形として成すのだが、住処であり焚火など一切ない・・・。
――宇宙イラ・ウーズ――
そこは別次元との存在なる艦隊と戦闘区域に入る、異なる人類艦隊と生命存続に至る戦争が繰り返されていた。しかし、その残骸さえも意志があり、その魂に残る記憶達が次元から通り抜ける暗黒星雲からの響きによって苦しみ始めた・・・
“アスラゲージの音・声がする・・・我等はあの響きによって再び、戦争に繰り出されてしまう。もう、終わったと思えば再び始まりを告げられて、逃げ場のない闘いに苦しむというのに・・・”
“再び始まったのか、あの儀式が・・・あの響きだけは通されたくはない。母胎となるアプソープに引き込まれたくはないのに、また、繰り返されるというのか?それとも繰り出されるというのか・・・!”
“我等は再びその響きによって支配されるというのか、あの最古よりも遥かに遠く在る世界線模様から抜け出せぬというのか・・・あぁ、もう息絶えるよりも遥かなる魂さえも落ち着きがない・・・”
――ゴゴゴゴ、ゴッォオオオ――ぉ・・・ン――
「あぁ、痛い。また、俺達は記憶の輪廻を通うというのか・・・折角、研究ラボによって再びこの生命と繰返しによってこの場に居るというのに・・・はち切れそうだぁ―――あぅうァ―――ッ?」
「痛い、次元、星、あらゆる艦体を突き抜ける、あらゆる核と暗黒物質さえも通り抜ける・・・このっ、脅威なる波動を止めてくれる時は何時頃にも刻まれてきた・・・」
「残骸さえも物理的に壊れることの無い、この響きが私達を覆っているのね・・・もう、この戦争を繰返す意味すら与えられないというのに・・・研究・実験に使わされる・・・」
「あァ、ミヘル・・・僕は・・・俺は、私はァア―――ッ!!?」
全艦隊が揺れた。
大いなる意志をも通り抜ける“響き”によってそれ等は突き抜けて来た。
――惑星プローメル――
新たなる脅威は次元を通り抜けて赤子となっていた。
―あぁう、ばぁ~い、きゃっきゃ―
「ああ、この子がこんなにも大きくなったよ・・・」
「闇に捕らわれた・・・光によって生まれたのかも・・・知れないなぁ、」
「リーダー、この子、おっぱいが欲しいんじゃないです?唇、チュパチュパ動いていますけど・・・私は・・・」
「人口哺乳瓶に、タンパク質と乳酸菌、それからビタミン、ミネラルなんかが入っているけど、気に入ってくれるかなぁ~!」
「全くだ。こんなに“可愛いヤツ”とは思わなかったからなぁ・・・なぁ、“我等が子”よ・・・」
(ライズと結ばれたら、わたしも“おっぱい”あげられるよねぇ~)
たった小さな次元から遥かに遠き切れた世界の中で、佇む人類たち・・・
それが、後に全宇宙の宙域全体の、脅威になるとは、未だに予想だにしなかったのである。
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