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Rp13、思い出のペンダント


「モノゴトリー、お前はフォレスに彷徨いし闇でなく光であったのだ・・・」

――――

 クルー達は終わらない宇宙次元戦争に終止符を打とうと試みる。

 しかし、その願いも空しく、研究者達の意図に張り巡らされた実験としてまた、戦争は繰返されるそんな中だった。

 ライズの記憶が戻り、ミヘルと再会する。二人はお互いの距離の遠さに驚き、近付いていった。

 ここはまるで天国だったと言わんばかりのコンタクトだった―――。


「やぁ、元気だったかい?」

「ライズ・・・久しぶりね・・・ギュッ」

「僕もだ・・・。長い戦争が僕達を再び、出会わせてくれたね」

「ねぇ、あのペンダント大事にしてある?」

「勿論さ。えっと・・・ゴソゴソ・・・これだね?」


 ミヘルとライズのペアペンダントへ通信音声を残す。ようやく会えた二人の思い出は、お互いの意志と魂の儚い命によって紡がれていた。そういう意味では共通点の在る滅多に無い機会だ。お互いで確かめ合いながら・・・。


「いいかい?今からこのペンダントに願いを込めるんだ」

「えへ、なんて言おうかなぁ~」

「そうだねぇ・・・」

挿絵(By みてみん)

 二人はしばらく沈黙の時を過ごした。それでもお互いが幸せだと感じられるなら、このような次元戦争の厳しい闘いの中でも生きて居られると信じていく。小さな椅子に腰を掛けながら、お互いの意識を体同士で確かめ合った。衣服を着ているのに、二人の肌と肌が触れ合う寸前である。だが、お互いの体温が感じられるのは初の試みだった。


「―――で、ライズと居られる様になったのね。どう?」

「あぁ、いいよ。それで次は“最初は捨てて出て行くのかと思ったよ”でどう?」

「あぁ、そうじゃないよ。違うの、“愛を感じるの”がいい。“だから待って居て?”とか」

「それでも、“僕は君の生還を信じて待って居る!”と声を残した」


 お互いの交信が過ぎると、ペンダントは再びその繋がりを外すように別れる。後にそれが通信機となることが、心残りだとミヘルはライズへ伝えた。


「また、再び出逢えることを信じて・・・」

「ライズ・・・私はまた、あなたと別れるのね?」

「違うよミヘル。僕達はこの通信機を伝って再び出逢うんだ・・・心配ないよ、」


 やがて、二人はお互いの立場に戻ると、戦場の中へその身を置くことになる。ライズは整備士の仕事を続け、技術職を復習するよう心掛けている。しかし、ミヘルは調査員として、各次元から現れた宇宙間バーストの光の変容により、その調査をアギト・マクスエル総督から命令された。


◇  ◇  ◇


「おお、着いたか!」

「マクスエル総督・・・いえ、艦長。お久しぶりです。ミヘル・ブレトーナ、只今到着・帰艦しました・・・」

「うむ。早速で悪いが、あの宇宙間バーストの中を我が隊員達に紛れて調査を行ってほしいのだが、君なら巨大生物を育てた実績もあるから大丈夫だろう」

「わたし・・・が、ですか?」

「うん。君なら次元干渉にも耐え得る能力を持ちあわせて居るだろう。惑星プローメルでの事件から大きく成長したな?」

「ですが・・・無理はしたくはありませんよ・・・」

「怖がるな、ブレトーナ君。あんまり抱えすぎると弱った心が意志と違う方向へ行ってしまうだろう?それとも命令だから嫌悪感を得たのかな?」

「いいえ・・・」

「直ぐにだ。コレを渡して置こう」


 ―――ミヘルはアギト・マクスエル総督の部下から、携帯サイズの電子探査機を受け取った。

 それは如何なる次元にも壊れることの無い―――、虹の鉱石の一部を加工した新型通信機である。


 中身は人工生命体のコードから機械生命体の理論を組み込んだ代物だった。小さなミヘルの体にそれが装着されると、マクスエルは「君を娘だと思っている」と告げ、直ちに各隊員との連絡のもと、その命令に従わせた。


「ミヘル・・・もし、別の世界へと身を追いやったなら、ライズへ連絡するといい。記憶を取り戻した彼なら、君を迎え入れて我が艦へ通信が繋がるだろう。もし、何かあったら直ぐにでも連絡してくれ・・・」

「あのぅ、私にこの使命が・・・?」

「大丈夫だと言ったろう?ミヘル・ブレトーナ。最古から畏怖に出でる生命よ・・・研究所のデーターは我が人類が補完してある。きっと戻れるよう、願うよ」

「了解しました。例え別の次元のライズや艦長に連絡が取れたとしても・・・」

「あぁ。大丈夫だ。任せてくれ・・・」


 ミヘルはペンダントに託した思い出を胸に、宇宙へその身を放り投げた。小型艦や小型ロボットを用いたとしても、宇宙間バースト現象によってライト・オブ・ホールにそっくりな状況でその身と意志、そして魂が分解され、そして再び再構築・再構成、再生が促される。



「行って来るわね、ライズ・・・」


――――

 こうしてミヘルは次代の世界線へワープする。


 異なる世界線での異なる自分をその目で見られる事を想う。


 そして、次元フォレスを残し、彼女は自身の変容を遂げるのだった。



  湾曲の世界線「次元フォレス」編 ―完―

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