Rp10、接触
「緊急要請。只今より、惑星プローメルにて3メートルの怪物が出現しました」
「直ちに戦闘態勢に入る。隊を編成し、惑星プローメルの研究調査員と合流。後に怪物を撃破或いは、遺伝子を研究ラボへ持ち帰ることを命じる」
研究ラボから“インシュビ―”との交戦を許可された、研究調査員メンバーである、テイル一行。
「でかい・・・近付けはしないが、俺達の二倍はある・・・手は50センチ、足は70センチ・・・肉弾戦では勝つことができない生物なのか・・・」
リーダーのテイルが調査員になったのも、その鍛え上げられた肉体が評価されたからである。何か不明な生命物質に囲まれた時に、銃器を扱える耐力があるのも彼しか居なかった。だが、そんな彼でも「人工生命体の理屈では解決できない」と言い出した。
幾ら強固な肉体に囲まれ、パルマ式ナイフで切り裂こうにもインシュビ―のような対象を相手にした事もシミュレートすら在り得なく、もしかしたら反撃に遭うことも当たり前。
――――
「調査員の中でも、根黒は戦略的思考を持っていない・・・」
「・・・ああ。私が総長であるのに、命令を下そうにも立ち向かうなら、パームランチャーを使用しての戦闘になる。まず捕獲し、エネルギープライマーで覆うよ・・・」
決定打では無いににしろ、対策係は専門な根黒総長ですら次元の穴から“湧いた”モノが急成長を遂げ、巨体で知能を持つ事を想定することも出来ない。まず、柔らかすぎるのが問題で、鉄球すら跳ね返すだろうことを理解している。捕獲しようものなら、その内なる骨格によって千切られてしまうだろう。
ソレは異質で、考えようもない態度で「オレ」と称する。我が子の様に扱っていたミヘルを庇ってやれるか、問題が沢山ある。
「へへ・・・頑張りなッ。戦闘隊員がやってくるまでの時間稼ぎだからな・・・!」
「リーダー、総長ぉ・・・私達、とんでもない対象を育ててしまったんですねぇ~」
「ミヘル・・・帰ったら、帰れたら・・・何がしたい?」
「恋人に会いたい!・・・です」
「貴様等は、オレの仲間であるか?それとも民達か。いずれにせよ、オレも長くここへ留まる事は出来ぬ・・・父との闘いで光に包まれたのだからな・・・」
「・・・父と・・・光に・・・?」
「次元から現れたのなら、解読しなくてはならん・・・」
「ライズ・・・私・・・」
―ギュ、キュウウゥ―――ン―
「あ、戦闘隊員が到着する!?」
「・・・ようやく来たか・・・」
戦闘隊員達は、リーダのテイル達と接触をし、事の状況の説明を行った。特に研究ラボから受け取った試験管の液体から異次元現象が起き、惑星プローメル全体が異変を起こした事と、それとは別に次元干渉が起き、1ミリ単位から赤子、怪生物へと成長した事のほか、他の惑星にも影響が現れそうだと伝えた。インシュビ―は彼等へ何もせずにその場に留まっていた。
“お前達、エネミーに接触したそうだなぁ。大丈夫か?”
“ああ。まだ戦闘などしていない・・・”
テイル達が、そのように話していた事に退屈したのか、インシュビ―自ら、その場へと赴こうと歩を進めた。まるで“親・仲間を探している”かの様な態度で接触しようとしている。
“ノシ、ノシ、ピタ・・・”
「貴様等、何を話している?」
「お前を遺伝子にする話だよ」
「よく分からないが、オレを肉の欠片にするのだな?」
「その、通りだよ!」
“ギュ――オオン、ビイイ――ィ”
「き、効いた・・・」
「なに?再生・・・?」
その肉体は再構築と再構成を繰返し再生をもしてゆくのであった。
“グアァ・・・”
「なんという太い指なのだ・・・!」
「隊員の一人がそのまま貫き潰された・・・?」
“ゴシャァァ――ッ”
「足で!・・・銃器ごと、踏み潰してしまうとはッ!!」
「さぁ、お前達・・・小型艦を派遣してある・・・その遺伝子を持って逃げろ!」
「ブレトーナ・・・逃げるんだ・・・」
「は、はい!」
(さようなら・・・“我が子”、インシュビ―)
やがてその肉体が如何なる攻撃さえも支配する頃、遠き暗黒星雲の魔王とされるアスラゲージから交信を呼び掛けられた。
<<<インシュビ―よ、我と融合しろ>>>
「なんだこの不安は、闇は・・・そして、この音は?」
<<<魔王アスラゲージを呼ぶがいい>>>
「オレが貴様を呼ぶというのか・・・。よかろう!」
――惑星パルマ―ジュ・研究ラボ――
「ヤツは“覇王”だ。全てを支配すべく登場したのだろう」
「次元干渉を起こし、アスラゲージと接触した波動がレーダーに伝わったから、根拠はあるよ」
「この次元フォレスを支配するのだな?」
「遺伝子はまだ有るから、コレを解析・実験に回すよ」
インシュビ―は研究ラボから“覇王”と命名され、実験対象とされる。だが、次元空間を干渉させていた人類たち。それによってあらゆる遺伝粒子によって覇王は魔王との融合を果たしていった。
「ミヘル・・・俺はライズ・・・君と同じ意志、魂を分かち合ったんだ」
「ライズ、君は次元干渉によって遺伝子を書き換えられたんだな・・・?」
「あの、ライズさん。彼女ならさっき、危険生物と接触し、避難したので研究ラボへ直ちに報告したと、電報が入っていますが?」
「え?・・・危険・・・生物・・・?・・・“モノゴトリー”の仕業・・・か・・・」
――――
一方、ミヘル・ブレトーナは研究ラボへ調査員としての使命を果たし、ライズは艦隊のパルマコアの技師として働くことを命じられる。
「よぅ、ライズ~あれから随分と時が流れたなァ!」
「ええ。ほんとうに・・・うっ、」
“カランッ”
人格の錯誤が起きる中、別次元の存在だった事に腹を立て、人工生命体とは何かを考えるようになった。様々な遺伝子を組み込まれた彼の信の記憶が何であるか、理解する時間を要する事となった。
「ライズ・・・ペンダント、大事にしててね・・・」




