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異世界で守護竜になりました  作者: みん


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27 交流会

カイルスさんからの突然の告白から3ヶ月。


キース達が交流会の準備に走り回っている間、私はマナーの勉強とダンスの練習と浄化の訓練でクタクタになる毎日で、カイルスさんとの婚約については、カイルスさんに任せっきりだった。

しかも、なんと、リシャールと芽依さんとの婚約の話も出たそうで、ショックを受けたレナルドさんを、お母さんが慰める為に、最近ではレナルドさんの家でご飯を作って一緒に食べたりしている。


「これ、もう、私が『お姉さん』って呼ばれる未来しかなくない?」


それに、何と言ってもお母さんには一番幸せになって欲しい。今迄一人で私を生んで育ててくれたのだから、これからは自分の幸せを一番に考えて欲しい。レナルドさんとなら、きっと幸せになれるだろうし、お母さんを護ってくれるだろう。


兎に角、この数ヶ月の間は、色々と忙しくて大変だったけど、嫌な忙しさではなかった。


交流会まで1週間。参加予定者リストを確認する。

勿論、西領の殆どの貴族が集まる。その為、人数が多くなり過ぎないように、2日に分けて交流会を開く事にした。1日目が子爵、男爵、準男爵、騎士爵。2日目に公爵、侯爵、伯爵を招く事にした。


『普通は、1日目に上位貴族じゃないの?』


と訊けば


『問題が起こる気しかしないので、敢えて2日目にしました』


とキースに言われて納得した。1日目に問題が起これば、2日目の交流会が中止になる可能性があるから。


“ジャスミーヌ=ハイエット公爵”


参加予定者リストの上から2番目にある名前。“トラブル要因”としか読めない名前だ。しかも、このハイエット公爵を推す貴族もまた、同じリストに載っている。


「何かが起こる未来しかみえない」


あのジャスミーヌさんが、あのまま黙っている訳はないだろうし、ジャスミーヌさんを後押ししている貴族が私に難癖をつけてくる可能性もある。私に難癖をつけて来た時点で、色んな意味で終わるだろうけど。


交流会では、2日ともに、カイルスさんとアルマンさんとマイラさんが護衛につき、キースも私の側に控える。役者勢揃い状態だ。


『愉しそうな交流会ね』


ふふっ──と笑ったのは、ローゼさんだった。

交流会に、他の守護竜が参加する事はないけど、何故か、他の3人の側衛が、こっそり潜り込む事になった。『何かあった時の助けになるから』と言われたから、素直に受け入れた。


交流会での服装は、私は守護竜の正装。近衛3人とキースは白と黒の騎士服を着ている。そして、参加者と言うと、私が白竜(しろ)だから、白色以外の服での参加が基本となる。


交流会もまた、ダンスから始まる。ある程度ダンスをしてから、後は軽食を取りながら会話を楽しむ──と言う流れだ。





交流会1日目──



西の宮殿は、西の離宮よりも広大な土地に大きな宮殿が建っていた。交流会の会場もかなりの広さだった。ホールの両サイドには、色んな料理がズラリと並んでいる。なんでも、騎士爵の人達は料理をよく食べるそうで、騎士爵参加のパーティーでは多目に用意するんだそうだ。


1日目は、子爵以下の貴族だからか、華美ではなくシンプルなドレスを着ている人が多い。成人を迎えた子息令嬢も参加しているけど、特に問題も無く迎える事ができた。いくつかの男爵と子爵が、ここ数ヶ月の間に降爵や奪爵されていたけど、理由は──訊かないでおく。

参加者全員が揃ったところで、私が挨拶をした後、私とキースがダンスをして、1曲目が終わると参加者達がダンスを始めた。その間に、私はドリンクで喉の渇きを潤した。


「キース、足を踏んじゃってごめんね。大丈夫?」

「全く問題ありません。踏まれた事すら忘れてました」


へにょっ─と笑うキースは可愛かった。




参加者との挨拶や会話は、意外にも楽しかった。領地の事をより知る事ができたし、何より、リシャールに感謝する声も聞けたからだ。見ている人は、ちゃんと見てくれているのだと思うと嬉しい。だから、私からも『リシャールは本当に良い子』アピールをしておいた。これで更に偏見が無くなれば、芽依さんも安心するだろう。


こうして、私にとっての初めての交流会は何事も無く穏やかな雰囲気のまま終える事ができた。チラチラと、私と息子の仲を結ぼうとする親も居たけど、キースの笑顔には勝てず、そのまま下がって行った。下がらなかったとしても、まだ公表はしていないけど、私には既に婚約者が居るから、仲を結ぶ事は無い。


兎に角、1日目の交流会は無事に成功した。予定通りに。


「はぁー……2日目の明日も、予定通りに……なるんだろうなぁ………」


今からため息しか出ない。貴族社会とは何とも面倒くさい世界だ。ただ、放置する時間が長ければ長い程ややこしくもなるから、最初にキッチリとさせておいた方が良いのは確かだ。


「子竜だからと言って、甘く見られないようにしないとね。頑張ろう!」


と、グッと手に力を入れた。




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