汚くないです
【注意】
直接的表現はありませんが、いつもよりエッチです。
苦手な方は避けてください。
「ごめんなさい! ごめんなさい!」
問いただしても、オートレイは謝るばかりで状況を説明しない。
「怒ってないから落ち着いて。ほら、座ろう」
俺はオートレイの手を取って、彼女をその場に座らせた。
「俺の部屋でオートレイはなにをしていたんだ?」
少しだけ落ち着いたオートレイは涙ぐみながらそのときのことを話し出す。
「私、隊長の軍服をきれいにしてさしあげていたんです。少しでも喜んでいただこうと思って……」
「そうか、ありがとうな。それでどうなったんだ?」
「能力を使って服をきれいにして、洋服掛けに戻しところで、隊長と神官さまの声がしました。すぐに出て行こうとしたのだけど、隊長はドアに鍵をかけて、その場で神官さまと濃厚なキスを交わしはじめたんです」
あの日はもう異世界転移をした後だったから、キスは何回でもできたんだよな。
まあその直後に、キス以上のことをたっぷりしてしまったのだが……。
「それで出てこられなくなったのか?」
「はい。とっさに洋服入れに隠れて、外の様子をうかがっていました。そしたら、神官さまが隊長の軍服を脱がしはじめて……」
そうそう、ファーミンは俺を脱がせるのが好きなんだよね。
俺も同じでファーミンのを脱がせるのが……って、違う!
「ぜ、ぜんぶ見たのか?」
「はい。隊長がソファーに座ると、神官さまは嬉しそうに隊長のものを頬張られて。それで、隊長がお返しとばかりに神官さまのお股に顔をうずめられると、今度はとろけそうなお顔になって喘いでいらして。それで――」
いつものようにまくしたてようとするオートレイを慌てて止めた。
「詳しい描写はいい!」
「ご、ごめんなさいっ!」
オートレイは再び捕食されそうな動物になって怯えている。
「大声を出してすまん。怒っているわけじゃない」
「申し訳ございません。どうしても目が離せなくて、最初から最後までがっつりと見入ってしまいましたぁっ!」
オートレイは嘘がつけない性格だ。
本人がこう言うのだから、俺が果てるところまで見ていたのだろう。
「過ぎてしまったことは仕方がない。それで……このことを他の隊員たちにも伝えたのか?」
「言っておりません! 私の胸にしまっております」
「そうか……だったらもういい……」
さんさんと降り注ぐ太陽の下、気まずい空気が充満していく。
「隊長……」
「どうした?」
「隊長は神官さまを愛していらっしゃるのですか?」
「ああ、そうだ」
それは即答できた。
俺は間違いなくファーミンを愛しているし、愛情がなく女を抱けるタイプでもない。
「でしたら、私たちは天空王の花嫁にはなれないのですね。うぅ……うえーん!」
声を上げて泣くオートレイの姿はまさに青天の霹靂だった。
「どうしたんだよ?」
「わ、私、おこがましくも隊長の花嫁になれると思っていたんです。私なんて愛されるはずがないのに!」
「それは……」
「私だけじゃありません。砦の隊員たちは、みんな隊長の花嫁になれると信じています。でも違ったんだ。私たちとは異世界転移のために仕方がなくキスをしただけだったのですね。私、なにを夢見ていたんだろう……」
「それは違う!」
思わず叫んでいた。
我ながら自分勝手だとは思うけど、俺はオートレイのことも、みんなのことも愛していた。
一人ひとりが愛すべき部下であり、パートナーだったのだ。
「俺はオートレイのことだって愛しているんだ。信じてはもらえないかもしれないけど……。けっして異世界転移のためだけに利用したわけじゃないんだ」
「本当に?」
「本当だ。誓ってもいい。今後はもっとみんなを幸せにすることを真剣に考えていく。いままでだってそうだったんだ」
オートレイは腕で涙をごしごしこすると俺を見上げた。
先ほどまでの悲壮感はもうない。
ただどこか、淡い期待を寄せるような目つきである。
「た、隊長! 信じていいのですね!?」
「おう」
これ以上オートレイの涙は見たくない。
それに、はっきりと伝えるいい機会だったと思う。
だけど、続くオートレイの言葉は俺の想像の斜め上をいくものだった。
「でしたら、私も隊長のモノをお慰めしていいわけだ!」
「はっ?」
「そして、隊長も私の……その……神官さまと同じように……いいんですよね!?」
普段はまったく感じない力強さをこめてオートレイが聞いてきた。
「そ、それは……」
突然、オートレイは自分の黒いTシャツを脱ぎ捨てた。
ボロロンッ!
空耳じゃない。
たしかにいま、なにもない虚空にとてつもない擬音が響いたぞ!
それくらいすさまじい光景だった。
やはり、オートレイのおっぱいはナンバーワンである。
こんなド迫力のボディーはお目にかかったことがない。
「オートレイ!?」
「お願いします、隊長。私を信じさせてください!」
俺はどうすればいいんだ?
ここは辺境の荒野の真ん中で、周囲を見回しても俺たち二人以外は誰もいない。
それに自分の領地内でもある。
だけど、こんな太陽の下で?
「いきなりすぎないか?」
「私、汚くないです。私にはこの能力がありますから!」
オートレイは必死になって自分の胸を撫ではじめた。
フンドシの能力を使って全身をきれいにするつもりなのだ。
「ぷにぷにでみっともない体ですけど、汚くはありません。だから、神官さまにしたみたいに! ……あんっ!」
手が敏感な部分に当たったらしく、オートレイは甘い声を上げた。
目の前でこんなものを見せられたら、俺だっておさまりがつかなくなってしまう。
「ここはまずい。せめて車の中に行かないか? あそこならエアコンも効かせられるから……」
いや、汗だくというのも嫌いじゃないんだが……。
「はい! 私にしかできないことで隊長をお慰めします!」
「お……う……」
♡ ♡ ♡
その後は驚きの連続だった。
俺にとってもオートレイにとっても初めての経験ばかりだったからだ。
俺はオートレイが満足するまで頑張り、その後に挟まれたり包まれたりした。
最後は二人がもつれあって、どうなっていたかも定かじゃない。
力なく俺の胸にもたれかかったオートレイがつぶやく。
「すごい……。天国を垣間見てしまいました……」
「俺もだ……」
そろそろ他の隊員たちが遺跡から戻ってくるころだったが、精魂尽き果てた俺たちはしばらく動けないでいた。
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