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第七話

 藍の言葉で仁軌は、使者として月涼を伴って帰国することを提案してきた。その折に藍を潜り込ませる算段にしようというのだ。残すは重慶だが一人、月涼の屋敷に残すわけもいかないため、藍と同じく女装して連れて行こうかと話し合ったが、線は細いがまあまあの背丈だ。


 「やっぱ、重慶。あんたは、ここに残りな。」

 「え~。退屈じゃん。お前も、藍もいないんだろ。」

 「仕方ないだろ…。そんな、背の高い目立つ女装女官をていけるとつれていけると思うのか?逆に見せ者になるわ!!」


 月涼が少々イライラしながら重慶に怒るが重慶は、こっちの耳からあっちの耳へと通過させて、聞いていないような生返事だ。そんな、やり取りにまたも藍が口を開いた。


 「うーん。それならさ…。」


 藍の提案に皆、口をあんぐり開けて聞き入ったが、結局その案を通すことになったのだった。重慶を一人、藩黄(妓楼)に掘りこんで月涼一行は、北光国首都に旅立つことになった。北光国へは、藩按から川を船で渡る方が早いため一行は、薬師を伴い馬車で藩按へ向かった。


「ふぅあー、少し寝てしまったか?」

「ああー。疲れてたんだろう?」


仁軌が、月涼を少し心配して、声をかける。


 「そうですね。何かとかってとこですね。バカ重慶の事もありますし。色々,する事多すぎってとこです。そう言えば、藍の身分は、どうするつもりですか?」

 「あー。それは、西蘭においてきていた,私の妹にしてある。西蘭に入国した際に。引き取ったことにしてある。」

 「ぷっ。あははは。妹、ですか?仁軌さんの。」

 「な、なんだ?何か変か?」

 「いや,考えてくださいよ。あの、藍ですよ。」

 「ふ,それもそうだ。」


  仁軌との会話で少し疲れが飛んだ月涼は、これから乗る船について,仲達を呼んだ。


 「仲達さん、海南に行くほどの距離でもないですよね。どれくらいの時間で渡れるんですか?」

 「あー。3刻ほどで着いたら、いい方だろう。」

 「わかりました。それなら、食料も少し積んでいこう。」

 「ん?なんでた?」

  「まぁ、防衛策とでも言っておきます。」


 仲達は、含みを持ってうなづいていたが了承した。月涼の考えが自分の域を超えているのは,以前の事件でよく分かっているからだ。

一行は、必要なものを船に乗せて、藩按を出立した。天気も良く、北光国へは、思ったよりも早く着いた。


「さあ。ここから、首都まで荷馬車を用意しているがどうする?月涼?お前、何か考えてるんじゃないのか?


ニヤリと笑う月涼にやはりなと思う仁軌と仲達だった。藍は、すでに女装で準備万端だ。


「じゃ,後のこと,よろしくお願いします。王宮で会いましょう。」

「なるほど。」


『ハイヤー!』馬に跨り、月涼は、どこに行くのかも告げず、街中に消えていった。そして、仲達、仁軌、藍は早々に王宮入りして藍を後宮に忍び込ませるのに成功した。

 一方その頃、西蘭において行かれた重慶はというと案外、楽しく妓楼で過ごしていた。そう…女装して月涼の代わりの涼麗として、リュートをかき鳴らし、舞を披露して人気を博していたのだった。


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