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第四十五話

 右大臣と重慶が対峙する中、一人の男が倒れている皇后の傍らに飛び込んできた。第一皇子であった。


 「皇后!!皇后!!しっかりせよ!!おのれ、右大臣其方の差し金であろう!!」

 「何をばかなことを。それより、国の一大事、今は、西蘭国と話し合いし事を治めねばなりませぬ。どうか、我に一任くだされ。第一皇子殿下!」


 第一皇子は右大臣を睨みつけてから一声を発した。


 「右大臣を捕らえよ!!この者は反逆者だ!!証拠もそろっている!!」

 

 第一皇子の号令で兵士たちが一斉に集まり右大臣を取り囲んだ。慌てふためく右大臣は、『何のことか?』と虚勢を張り『証拠などどこにあるのか?』と息巻く。

 その状況を見守るかのように見ていた西蘭国は、黙ってその状況を確認しながら、奏がサッと手を挙げる。次の瞬間、どおおん!!とけたたましい音が鳴り響く。青華国の精鋭部隊が新たな爆薬を発破したのだ。


 「はああ。お前たちのいざこざなど知ったことか!!早く医師団を出せ。医師団の他に我が国の使者である仲達とそちらの国が送った仁軌殿は、いったいどこにいるのだ!!」


 奏が雄たけびの様に声を張り上げ北光国に告げる。もちろん、仲達も仁軌の生存は確認済みだ。だがここで、大声でこれを伝えればこちらの切り札を大義名分に加えられるからだ。奏の声に従う事もなくまだ、その場でもめ合う北光国の状況を見て、月涼がやっと前に出てきた。『ここまでする気は、なかったんだけどな…』そんなボヤキをつぶやきながら、通信石でソニアに合図を送った。


 「義母上。面倒だから落としちゃいましょ。」

 「ほほう。嫁!!面白いの。」


 ソニアの言葉が終わる前に、あちこちで爆音が鳴り響く。そして、青華の精鋭部隊が西蘭国の兵と共に小競り合いを続けていた右大臣と第一皇子を無視して、城内へとなだれ込んでいく。その状況を目の前で見ているかのようにソニアが月涼に言った。


 「どうだ。満足か?嫁…。すべて片が付いたらわっかておろうな?」

 「ん?なんのことでしょう?」

 「まあ良い。外堀は、埋めてある故。」


 月涼は、その言葉になんとなく嫌な予感をしながらも取り合えず『目の前の事に集中するか!』と気持ちを切り替えた。内乱続きの北光国が一致団結して敵に迎えるわけがなく、掌握はいとも簡単に成し遂げられた。西蘭国の医師団は、かなり憔悴し体が弱っている者もかなりいたが全員、無事が確認できた。

 奏は、目的は、達成したが制圧したこの国をどうすべきか迷って、月涼にこの後どうする?予定だと問うた。


 「んんん。どうしようか?あんまり考えてないんだよね…。義母上の勢いに乗った?というかさ…。まあ、この国の国民にとっては、主が変わって良くなるから良いんじゃない?」

 「いや、その主を誰にするんだよ?」

 「え?重慶でしょ?それしかないしさ。まあ、とりあえず義母上が国民が困らないように、人員は送ってくれるって言ってるから、その後でいいんじゃな?西蘭国の状況からして、この国を属国にするほどの余裕があるわけでないでしょ?」


 月涼の言葉に奏は、ムッとした表情で睨み返す。奏としては、西蘭の属国で動き出そうと考えていたからだ。その表情をみて、月涼は、冷めた目で見ながら『まだまだだな』と心でつぶやく。


 「あのな。地繋ぎの北光国が西蘭に併合するのは、見た目理想的だ。だがな、経済的にも文化としても後進を取っている国を併合するには財力がかなりかかるんだ。それぐらいの計算をすぐできるようになれ。皇太子殿下。今の西蘭国にそれだけの補正予算が有るのか?感情論で動くなともう一度言わせるのか?」


 奏は、月涼の言葉にかなり苛立ち、腹だったが図星すぎて何も言い返せなかった。

 


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