表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/51

第四十二話

 延妃の持ち帰った証拠の半分は、仁軌に持たせることにした月涼は、今すぐ延妃にそれをもって皇后の元に行くように指示した。そして、黄黄に『延妃が証拠の品を皇后に渡した後すぐに花火を上げるんだ。』と言いつけた。


 「延妃、この証拠を渡したら直ぐにこの花火を黄黄に渡してほしい。黄黄は常に傍にいるようにさせるから探す必要はない。いいですね?それから、多分証拠の品の欠片がないことを言うはずだから、自分が安全に城を出た後、残りの半分が皇后の元に届けられると言うんだ。」


 月涼に指示された延妃は、コクリと頷くと早速、宮中へと急ぐのだった。一方、月涼の義母であるソニアは、月涼の合図が今か今かと心待ちにしていた。砲撃位置も確認し、部下に命令させて、被害の合いそうな村人も金を渡して引っ越しまでさせると言う準備の良さだ。


 「いったいいつになったら、連絡が来るのじゃー!!騙したのか!!また。今度こそ首根っこをひっ捕まえて首に連れ帰って皇后教育を受けさせてやる。リュートの言葉など関係ないからの!!」


 ソニアが雄たけびを上げたその時だった。通信石が光だし月涼がソニアを呼ぶ声が聞こえてきた。


 「義母上!!聞こえますか?聞こえますか?」

 「なんじゃ。嫁。やっとか?待ちくたびれたから其方を連れて国に変える準備を始めて居ったぞ。」

 「え?なんて?」

 「聞こえなんだか?もう一度言うてやろう。この状況に飽きたから、其方の首をつかんで帰る。」

 「あーはははははは。まってください。ちょっと待たせたのは、分かりますが…。ね。そんなにお怒りにならずに…。砲撃してもらう合図の事をですね…。」

 「ん?やっとか?やっと打てるんじゃな。」

 「はい。それは、もちろん。」


 月涼の言葉に、喜んだソニアは、いつ撃つのかと前のめりに聞き始める。月涼は、その態度にホッとしながらも『危なかったー…。』と少し冷や汗を垂らしながら、作戦を話し始めた。『まず、北光国城の方から花火が上がったのを確認したら一発目の空砲を撃ち鳴らす。続いて、1時間ほど開けてから次の空砲を3発ほど撃つ。北光国が慌て始めるのを月涼が、確認したら通信石で指示をだしたタイミングで、ソニアの決めた場所に砲撃をしてほしいという事だった。』この撃つタイミングとタイムラグは、延妃を無事に外に出し、城内の宮中奥の医師団を騒ぎに紛れて、逃がすためだった。ただ、逃がすための誘導が誰もいないのが心もとない為、全員が逃げ延びれるかが分からないことが残念な作戦だった。


 この作戦を頷きながら聞いていたソニアは、月涼にもう一つ手を貸してやろうと言うのだった。


 「ふむ。それなら、我が軍艦から、精鋭部隊を数人貸してやろう。城壁に爆薬を仕掛けさせてもう一つ混乱んを巻き起こせば良かろう?その後、西蘭国の正式舞台に突っ込ませて、医師団を返還せよと言わせればいいではないか?」

 「そんなことしたら、青華国との間に戦争が起こるじゃないですか?義母上様。」

 「うむ。だが、戦争にすらならない国だから心配するでない。軍事力も蟻んこのような国だしの。何とでも治められるわ。のう?重慶。そこにおるんじゃろ?お前の国のことじゃ…。なぜ話さぬ。」


 いきなり名指しされて、いたたまれなくなる重慶。そして、国の格差やこの会話だけでも自分が力がない上にいかにいい加減だったか身につまされる思いだった。


 「ソニア様。お久しぶりでございます。此度は、力添えいただきありがとうございます。」

 「はっ。其方に力など貸すわけなかろう。我が国にやってきた留学生の皇子ごときに…。だがな我が嫁を巻き込むなら、もっと違う事で巻き込め。国の発展ならまだしも内乱の上に、他国にまで迷惑をかける国が本当に必要なのかもな?」


 ぐうの音も出ず項垂れるしかない重慶だったが、初めて、自分が異国を回って得た知識をきちんと使わねばならないと思い始めるのだった。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ