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第三十八話

 北光国宮中、紫蘇宮。仲達たちは、ここの牢に閉じ込められていた。かなり厳重に見張りがあるため、外部との連絡は不可能に近かった。中に閉じ込められた、医師たちの疲労は、かなりの状態になってきていた。いきなりとらえられて、連れてこられてから数日、水も与えらえれていない状態である。


 「仲達様…。我々は、殺されるのでしょうか?同盟国の助けになるとと思い志願したのにあんまりです。」

 「そうだな…。私もまったく状況がつかめない。話し合いも何もないままここに掘りこまれたからな。」


 そんなやり取りの中、黄黄がやっとやってきた。『にゃお~ん。にゃお~ん。』格子をすり抜け中に入ってくるのを見つけた仲達は、『これで、連絡が取れる。』とホッとするのだった。黄黄の首輪には、現在の状況が書かれた手紙が結び付けられていた。自分のかなりの危機的な状況を知った仲達は、一つの事を思いつくのだった。そして、その方法を書いた手紙を黄黄の首輪に結び付けた。


 「黄黄、お前と会うのもこれが最後かもしれん。しっかり、頼んだぞ。」


 仲達は、少し潤んだ瞳で、黄黄を見つめて、頭を撫でた後、格子の向こうに黄黄を押し出して、手を振った。黄黄は、なんとなく嫌な予感がして、もう一度振り返ったが仲達の背中しか見えなかった。とにかく、『この手紙を早く、月涼にもっていかないと』と強く思い駆け出した。黄黄が月涼の宿につく前に、牢では大騒ぎになっているのだった。


 「誰か!!誰か!!早く来てください!!仲達様が!!仲達様が!!」

 「なんだ?うるさいやつらだ。お前たちは、もう、医師じゃない捕虜として扱うことになったんだ。黙ってそこで静かにしてろ!!」

 「そんなこと言っていいんですか?西蘭国の仲達様が血を吐いて、お亡くなりになっているんですよ!これでも黙れとおっしゃるんですか?」

 「な、なんだと?どけ?…。うわ~!!」


 警備兵は、仲達の亡骸を見て尻餅をついて驚き、ほかの兵たちを呼ぶのだった。集まった兵が仲達の死を確認し、大臣たちに報告に行く。大臣たちも慌てて牢にやってきて、確認するのだった。『これは、大変なことになってしまった』大臣たちは、右往左往し始める。『とにかく皇后陛下にも伝えよ。それから、亡骸をどうするか早急に考えねばならん。』どこからともなくそんな意見が出始める。『そ、そうだ…とにかくこの事態を収拾せねば。』

 身分の低い医師が何人死のうが構わなかったが、亡くなったのは仲達であり、西蘭国の代表使者なのだ。しかも仲達は、皇太子付の侍従も兼任していて、かなりの地位にある。いきなり、亡くなったことが知れ渡れば、一気に戦争になるのは、必然的であった。だが、そこへやってきた第一皇子は、平然と言うのだった。


 「そんなに戦争が怖いのか?受けて立てばいいではないか?もともと、国王が死んだのは、その使者たちに任せる予定だったんだから、そのままその亡骸を城の外に放り出して、宣戦布告と行こうじゃないか?。」

 「恐れながら…。今、我が国は、戦争ができるだけの状況ではありません!!国王が亡くなり国葬の準備もままならない状況。まして、籠城しながら相手国を迎え撃つつもりなのですか?」

 「それぐらいの事も出来ないのか?」


 第一皇子の言葉にその場の者たちは、絶句するのだった。そして、その場にいた皆が『この皇子が国王になれば…国は無くなる…。』そう思うのだった。だが、陰でほくそ笑むものが一人だけいた。『馬鹿な第一皇子…。ああ。感謝するぞ。くっくくく。』

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