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第二十八話

 しばらくルーリーと話し込んでいると輪が目覚めた。


 「月涼様…。助かりました。もしかしたらと思ってあの場所で、待っていました。」

 「良かったよ。拘束されたとばかり思っていたから。それより、どうやって、抜け出たんだ?」

 「あの、その…。汚物廃棄の樽の横に隠れて…。脱出できてすぐ、川に飛び込んで体は、洗ったのですが…。服は、近くの民家から拝借しました。」

 「ぷっ!!あーはははは。あの樽は、洗ってあってもまあまあの匂い…。すごすぎるぞ輪!!お前の忠義は、素晴らしいなんてもんじゃないぞ!!とにかく、風呂に行ってこい。ちゃんと身なりをととのえたいだろう?」


 月涼もルーリーも目を見開いて、輪のすごさに拍手しそうになった。その後、身なりを整えた輪は、改めて、宮中から逃げる直前の話をするのだった。


 「仲達様に、医師たちを逃がす段取りを頼まれた私は、急ぎ向かったのですが時すでに遅く、軟禁状態で医師たちの屋敷には潜入できなかったのです。そこで仕方なく、逃げる方法を探しながらも宮中の情報を探りました。兵士たちの話では、仁軌様はどうやら右大臣に監禁されていることと、仲達様は左大臣側で、監禁となっているような話しぶりでした。兵士の間でも混乱が起きているようです。」

 「なるほどな…。みな、どちらにつく方が利があるかと言ったところか。だが、こちらとしては、混乱している方が良いな。外からの揺さぶりには、もろくなりやすいからな。」


 月涼は、そろそろ、藍が西蘭国入りして、医師団の奪還作戦を立ててくれていそうだが、中での混乱を考えると普通に、医師団を返すように言っても内乱に、利用しようとしているから無理だろうと踏んでいた。『もっと大きく揺さぶりをかけたいとこだがな~。』


 「ちょっと?何考えてるんですか?リャンリー。変なことしないでくださいよそんな顔するときは、必ず大きな事するんですから…。」

 「リャンリー?って月涼様の名ですか?」

 「ああ。海南国の呼び方だ。あ、そういえば、こいつの紹介がまだだったな。輪。」

 「はい。」

 「私は、リャンリーの幼馴染でルーリーと言います。すぐに顎で使われてしまう…!!かわいそう下僕のような存在なんです~。この人にとって!!」

 「は?何言ってんだ。お前が好きで私といるだけだろう?」

 「はいはい。そうでございますね」


 輪は、月涼とルーリーのやり取りを見て、クスクス笑いながら藍を思い出していた。


 「月涼様…。藍は、無事に国についたでしょうか?」

 「まあな。大丈夫だろう。あいつだぞ?あっちについて、私の悪口を散々、奏に言っているはずだ。この宿についてから直ぐに居場所を飛ばしたから、連絡が来るのを待ちしかない。」


 輪は、それもそうだなと思いながらこれからどうなるのか?と少し不安になっていたその頃…。月涼の飛ばした鳥が、奏の元に文をもって飛んでくるのだった。

 

 「はっくしゅん!!はっくしゅん!!」

 「どうした?藍?風邪か?まあ、船で大変な思いして帰ってきたから。」 

 「いいえ!!絶対、月が俺の噂をしています!!」

 「はははははは。藍、お前はすごいな。月涼の文が届いたぞ。」

 「どこにいるんですか?月?」

 「まあ待て、今、文を広げるから。」


 鳥から、文を取り上げた奏は、月涼の居場所を確認した後、地図を広げ始めた。湯治場の宿の場所を確認し、これからの戦略をまず考えて『どちらにするか?女装させずに正式な西蘭国の正装で使者にして、宮中に入り込ませるか?』藍を再び月涼の元に送り込むか?悩むのだった。『本人に聞いたら、すぐ女装するって言うんだろうな?』とも思いながらとりあえず聞いてみた。

 

 「藍?どっちがいい?」

 「何が?」

 「女装か?普通か」

 「あ~女装…って言うと思った?普通に正面突破!!ですよね~。今回ばかりは。」


 奏は、以外だなとプッと吹き出しそうになりながら、自慢げに言う藍の顔を見るのだった。


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