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プロローグ
「元気そうだな」
俺は頭にピストルを突きつけられた状態で、男に話しかけられた。
その声に俺は驚いた。
それは数年前に亡くなった友人の声だった。
「まさか……」
俺はつい、声に出してしまった。
「まさか?ああ、そうだ。そのまさか、だよ。ほんとはこの場で殺したいほど俺はオマエを憎んでいるけどな、殺すなと言われたからオマエにチャンスをやる」
殺すな、声が頭に響く。
その声は俺の返事を待つこともなく、「時間がない。明日、オマエは体調不良で出張を延長するんだ。そして指定の場所にこい。誰にも言うなよ。オマエの行動は全て筒抜けなんだ」