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ステータスパネル



「ステータスパネル?」

「ええ」


「お前のスキルで見ても何もなかったんだろ?」

「いいから」


「…へいへい」



 スターのスキルで見ても俺にタレントがないなら、ステータスパネルなんか開いてもと思いながら、俺は虚空を指でダブルタップする。



 すると、俺の目の前には、青く透明なパネルが表示される。

 俺の目には見えるが、他人には見えないものだ。このステータスパネルには俺の能力値が載っている。他の人間であればタレントやらライセンスなども載っているのだが、俺にはただ「なし」とだけ書かれている。




「いつものステータ・・・ん?」






-------------Status-------------

名 前:クラッド

性 別:男性

年 齢:32

レベル:1


クラス:『 なし 』

レベル:0


H P:15

M P:5

筋力:7

魔力:4

敏捷:4

\u5e78\u904b:255



■ユニークタレント

『 トランザクション / オーソリティ3 / ディアクティブ 』

『 コピー&ペースト / オーソリティ2 / アクティブ 』

『 ランダムアクセス / オーソリティ3 / ディアクティブ 』


■タレント

『 なし 』


■ライセンス

なし


■アクティブスキル

『 コピー 』

『 ペースト 』


■スキル

なし


■装備スキル

なし




--------------------------------





「タ、タレントが増えてる!?ス、ス、スキ、スキルもぉ!?」




 俺は思わず大声で叫んでしまう。

 足に力が入らず、その場で崩れ落ちるようにしゃがみ込む。




「だ、大丈夫ですか!?」



 そんな俺を見て、シェリルが慌てて駆け寄ってくる。

 すると…



「シェリル!そこを動かないで!」

「ひぃ!」



 スターが凄い剣幕で止めると、シェリルはピタリと足を止める。

 俺とスターの内緒話をシェリルに聞かせないためであろう。




 そして





「…タレントが増えているのね?」



 スターは足が震えて立てない俺の横に進むと、シェリルに聞こえないよう囁くように問いかけてくる。俺は目の前に表示されているステータスパネルの中身が未だに信じられないのだが、今は、こいつにちゃんと説明しないと…




「あ、ああ…スターが言っていたトランザクションってのもあるし…何か良く分からないタレントもある…」



 俺はステータスパネルに載っているタレントを告げる。

 名前がただのタレントではなく、ユニークタレントと記述されていた。


 しかし、そんな俺の反応とは裏腹に、スターはどこか得心がいったような表情で呟く。



「トランザクションまで…やっぱり」

「やっぱり?…いや、そうか、そういうことか…」


 

 スターが死んでいると記憶を俺が引き継ぐのは、俺もトランザクションを所持しているからなのだろう。オーソリティが3ってことは、俺よりもスターの方がオーソリティが高いってことか。



「な、なぁ」

「なに?」



「コピー&ペーストとランダムアクセスってタレント、聞いたことあるか?」



「…ランダムアクセスは私が持っている特殊な力のもう1つよ」

「もう1つ…?あの鑑定スキルみたいに使えるやつか?」

「ええ、だけど…もう1つのタレントは聞いたことがないわね。そもそも、どんな効果なのか載っているでしょ?」


「いや、効果が出てこない…」

「効果が出てこない…妙ね…ちなみに、コピー&ペーストのオーソリティは?」

「2だな」


「…最高位!?」



 スターがかなり驚いた表情を見せる。

 こいつが驚いたことに俺も驚くが、それよりも…



「いや、2ってことは、1のやつもいるだろ。最高位ではないんじゃ?」

「いえ、実質的に、ユニークタレントのオーソリティは2が最高位よ」


「え、1は?」



 俺がそう問いかけると、スターは少し考え込むような表情を見せる。



「話せないなら無理に聞かないぞ?」



 興味本位なだけの質問だ。

 それでこいつを困らせるのは忍びない。


 俺がそんな風に考えていると



「いいえ、制約に掛からないように伝えるにはどうしたら良いか考えていたの」


「ん?制約?」


「ええ、特殊な力を得るために制限を受けているのよ。でも、大丈夫よ」

「ん?あ、ああ…?」



「そうね。羽が6枚ある人、その別名って何かしら?」



 羽が6枚ある人

 それはブログ教やデバク教の信仰対象となっている女神様のことだろう。羽のそれぞれに星の名前が名づけられている女神様であり、教会に像が置かれている。


 精霊の儀の際、その女神像の前で儀式が行われるため、誰もが1度は見たことがあるだろう女神様だ。ああ、俺の忌まわしい記憶が蘇ってくる。



 それはさておき、確か、あの女神様、いろんな呼ばれ方があったよな。

 アドミン、大いなる母、オールワン…



 ん?オールワン?




「…おいおいおいおいおい!!」



 俺はオールワンという単語でピンっときた。

 その予想はどうやら正解だったようだ。




「ええ、その通りよ」

「まさか、女神様がオーソリティ1ってことか?」


「そうね」

「もしかして…ユニークタレントって神様の力ってことか?」


「トランザクションとかまさにそうでしょ」

「…」





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