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レッツ!インターンシップ!



 俺はライトとチェルシーと別れると、自宅へと戻る。

 今後の方針は明日にでも話し合うことにしているのだが…



「で…どうする?」

「そうね」



 正直、2人から同意を得られたものの、冒険者への道筋そのものはノープランであった。


 ここで問題となるのは、2人のタレントを開花させるために、戦闘系のライセンスの取得が必要であることだ。戦闘系のライセンスポイントには戦闘経験が必要である。素振りだとか魔術書の読み込みでもライセンスポイントは取得できるのだが、必要なポイントが貯まるまでに数か月は時間を要することになるだろう。そこまで2人がモチベーションを維持できるかと言われれば、ライトはともかく、チェルシーは難しい。


 つまり、成果を上げるためには、即効性が必要だ。

 そうなると、手っ取り早いのは戦闘経験なのだが…



「あの2人を魔物と戦わせるわけにはいかないしな」

「ええ、そうね…そこで…」


「お、流石のスター様!アイデアがあるわけですね!」

「ええ!私をもっと褒めたたえなさい!」


「いよっ!大統領!」

「ふふーん!」


 スターはとびっきりのドヤ顔を見せてくる。

 さて、こいつのご機嫌を取っておいた上で、本題に進めようか。



「それで?アイデアは?」

「冒険者ギルドで依頼を受けるのよ!魔物討伐が良いわね」




「…え?」






===================

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「…ヤツがアルファギルドにインターンの申し込みだと?」

「はい」


「ふむ」

「詳細を付け加えるならば、子供2人の付き添いで申し込みしています」


「2人?見込みがありそうなのか?」

「いえ、どちらも戦闘系のタレントはなく、所持しているのも生活系のごく一般的なタレントのみです」

「…何が狙いだ?」


「おそらく、敵対する意思はないと示したいのではないでしょうか?」


「こちらの流儀に合わせると、そうアピールしたいということか」

「はい、おそらく…」


「ふむ」


「先日、ガイアスとレグナードの2人から報告があった通りです。2人へ頭を下げていたということは、薬草やガルダクルの件は害意なくやったことである可能性が高いと思います。直接、我らに謝罪できないのも、事情が事情ゆえに、こうしたカタチで謝意を伝えにきているのかもしれません」


「…飛躍的な意見だな」

「はい、私見に過ぎません」

「ふむ」


「いかがされますか?」

「アルファギルドは認めているからこそ、俺にまで申請が来たのだろう…ならば、条件付きで許可を出せ。アルファギルドにはアルメリア家がバックにいる。適正なタレントがないとの理由でインターンを断ることは難しい」

「わかりました…しかし、条件とは?」


「冒険者の護衛を雇わせろ。いくらインターンとはいえ、非戦闘員だけに依頼を受けさせるわけにはいかんだろ」

「そ、それはそうでしたね…肝心なことが抜けてました」


「できれば、不慮の事故か何かで死んでくれることを祈るばかりだ」

「こちらから手は出せませんよ?」


「ああ、アウレウス様に獲物を横取りされたと言われては敵わんからな」

「アウレウス様にはありのままを報告しておきます」

「そうだな。そうしてくれ、アルファギルドのことと、アルメリア家のことはしっかりと伝えておけ」

「はっ!」







====================

====================







「うそ…」



 俺は冒険者ギルド最大手のアルファギルドの受付にいる。

 受付の美人なお姉さんが笑顔で俺に手渡してきたものは…



「インターン…通ってる…」

「はい。条件付きですが、認可がおりました」


 美人な受付のお姉さんがニコリと微笑みながら頷く。

 本来、非戦闘系のタレントしか持っていない連中は、冒険者ギルドに雇ってもらうどころか、こうした職業体験的なこともなかなか経験することができないのだ。



「条件は、非戦闘系の依頼であっても、戦闘員となる冒険者を1人以上雇うことです」

「…それだけ?」


「はい。なお、C級までの冒険者であれば、当ギルドからその護衛料の半分を手当として支給いたします」


「すごい好待遇!?」

「いえ…普通です…」


 少し困惑した様子の女神な受付のお姉さん。



「そのため、C級の冒険者を護衛に雇うのがよろしいかと。本来であれば護衛は斡旋するところですが、今回は経験を積むためのインターンとのことで、護衛を探してみるところから始めていただくようお願いします」

「わかりました!」


「それでは、今日から1週間以内には依頼を受けていただくようにお願いします」

「はい!」




 俺は受付の女神へ笑顔で別れを告げると、アルファギルドの外へと出る。



「…ね。通ったでしょ」

「ああ、流石はスター様!」



 外で待っていたスターがするっと俺の肩に乗ると、どこか自慢気な様子でそう語りかけてくる。もはや、こいつの自慢気な態度や、不遜な態度には嫌味すら感じない。


「しかし…良く申請が通ったな」

「アルファギルドのバックには、アルメリア家がついているから、宗教的ないざこざはあまり関係なのよ」


「…アルメリア家か」

「どうしたの?」



「あ、いや、何でも」


「そう?それじゃ、今日中に護衛は見つけちゃいましょう。1週間以内には依頼を受けなければならないから、早い方がスケジュールを立てやすいわ!」

「ああ、そうだな!」





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