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プロローグ

 目を瞑り、流れ落ちる滝を思い浮かべながら魔法を詠唱する。


「アクア」


 僅かに目を開けると、杖の先端から豆粒ほどの光が溢れているのが見える。


「お客様、この杖なら……」


 ……発動しろ。そう強く念じる。

 目を閉じていても分かる。その光は段々と大きくなっている。

 今度こそいける。そう確信した。

 その瞬間杖は爆発を起こす。


「ゲホッ、ゲホッ」


 煙が部屋中に充満する。


「すみません。この杖も適合しないみたいです」


 木、金属、魔物の骨など様々な材質でできた杖を試したが、結局オレに適合する杖は見つからなかった。


「来月から王都の魔法学校に入学するので、どうしてもCランク以下の杖が必要なんですが……仕方ないですね」


 殺傷能力の低いCランク以下の武器でなければ、学校の授業で使用することができない。

 しかし貿易が盛んなこの街にもないとなると、入手はそうとう困難だろうな。


「お客様のお力になれなくて誠に申し訳ございません」

「いえ、気にしないでください。とりあえずこの杖を買います」


 そう言って代金を支払う。

 試した杖はどれも魔法を発動できなかったが、最後に試したこの木製の杖だけは何故か詠唱後にも壊れなかった。とりあえず何もないよりはいいだろう。


「それと、これはチップです」

「えー! こんなに貰ってもいいのですか!?」

「はい、色々とご迷惑をおかけしたので」


 それもあるが、主な目的は口止めのためだ。Cランクの魔具を簡単に破壊するような魔力を持っている奴はそういない。探りを入れられると色々面倒だ。


「では、失礼します」


 そしてオレは店を出た。

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