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天啓の雲   作者: 古寂湧水 こじゃく ゆうすい
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対馬の仏像の返還交渉で虚々実々の駆け引きです。

いよいよ対馬の仏像と、なんとK国の仏像が20体まで一緒にお詫びとしてついてきましたよ。

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[あ、ちょっと待ってショーケースは無しにしてそのままバリアーに仕様変更します。仏様の力で寄せ付けないという感じがするからね。]サスケ、[はい、承知しました。]


倉庫の片づけが終わって、いよいよ仏像の到着である。王様が少し瞑想して、観世音菩薩の真言、オム マニ ぺ メ フムを唱えると仏像20体と対馬の仏像1体が並んだ。


さすがに国宝だけあって見事に神々しさを漂わせている。


これから記者会見であるが、以前に小堀遠州の復活や郷義弘の刀の展示で話題を提供したので、今回もただ事ではないなと、またまたTV放送車5台に多数のマスコミが詰めかけている。いよいよ始まった。


[皆様お集まりいただきましてご苦労様です。今日は以前にも増して興味を持たれる話題を提供いたします。皆様驚くと思いますが、・・・盗まれてまだ返還されていない対馬の仏像が戻ってきました。


そしてもっと驚くと思いますが、K国の国宝の仏像20体も一緒についてきました。


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なんでも不始末のお詫びにこちらに100年間滞在して罪の償いをするということです。なお対馬の仏像は半年間ここにいて分身をここにおいて対馬に帰られます。以上です。


撮影は商売の邪魔ですので3種類の写真を用意していますから持って行って結構です。勝手に入られた場合は番犬2匹が尻に噛みつく場合もありますが、その場合の保証は一切いたしません。


なおこの番犬は200㎏の猪を数度をかみ殺していますので悪しからず。]


一瞬の静寂後、おー、えー、・・。歓声が上がった。[何とか撮影をお願いできませんか。][写真をもってお帰りください。以上で終了します。どうもありがとうございました。]


王様とスタッフはさっさと引き上げてしまった。強引に入ろうとした者はバリアーに遮られ足をバタバタさせて、頭を痛がっている。石松達3人組はいつものように、


通路を妨げているものは強制排除の準備をしている。マスコミの騒ぎを聞きつけてまたまた大使館のおばちゃんがやってきた。


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以前にも増して足をバタバタさせて喚いている。石松達は当然にほったらかしである。K国大使館から外務省に連絡が行き、主査と担当者の2人がやってきた。王様が直接対応である。


いらっしゃいませ。私が責任者です。仏像をご覧にになるのでしたら案内いたします。[なかなか派手にやってらっしゃいますね。対馬の仏像を確認させていただけますか。][はいこちらです。どうぞ奥へ。]


[間違いありませんね。それとK国の仏像20体も本物です。]連れてきた博物館の学芸員が驚きの表情をしている。[これは当然に外交の問題になり強制返却ということになりますがどのような考えですか。]


[強制返却でも何でも構いません。念を押しますが、私がK国のように勝手に持ち出したのではなく、仏像が勝手にやってきたのです。持ち帰れるのでしたらどうぞご自由にしてください、


ただし建物を傷つけたり商売の邪魔になるようなことはお断りします。建物に重機は入れませんのでよろしくお願いします。]


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主査は首をひねりながら帰っていった。翌日、開店時間前、の30分間だけ立ち入りを許可したのでバリアーは解除である。大使館員が2人に外務省が2人に荷物の引っ越し会社の屈強な10人が入ってきた。


いつも店頭で騒いでいる年配の女性は大声で喚きながらである。[あなたが責任者、今日は絶対に持ち帰りますからね。]


[建物やほかのものを傷つけたり壊したら、強制的に排除しますのでよろしくお願いします。][さあ、早く入って運んでください。]引っ越し屋が仏像に触れようとしても近づけないし、


気のバリアーを張ってあるので大使館員もそばに来ても触れることができない。[どういうことなんでしょう。]


[よく聞いてください、あなたの国の方が理不尽なことをしたから、仏像が怒って近づけさせないんですよわかりませんか。][そんなことってあるわけないでしょ。]


[じゃあ勝手にしてください。時間になったらおかえり願いますんで。]日本の外務省担当者も困った顔をしている。


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[お役人さん、私も被害者で、商売の邪魔になるだけです。さっさと何とかしてください。]外にいるマスコミ関係者はどうなることかと展開を見守っている。レポーターも実況中継しているようだ。


[そろそろ時間ですので、お引き取りください。][まぁ~、何とかしてください。][何とかするのはあなたたちで、私ではありませんよ。さっさとお帰りください。]ふてくされながら出ていった。


[さぁ~仕事、仕事を始めてください。]新聞も一面に書き立てて興味深々のようだ。


新聞を見て対馬の住職がかけつけてきた。[どうもご迷惑をおかけしまして申し訳ございません。すみませんが見させてください。]たいへん遠いところからご苦労様です。]


[間違いございません。万感の思いが込み上げてきたのか、仏像の前で突っ伏してしまった。][半年後にそちらに戻るということです。自分で行かれるということなので搬送の心配はありません。]


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何が何だかわからずに思いあぐねていると、ゴン太とユリがやってきた。住職はじ~とみていたが突然額を床につけて最敬礼をした。実情が分かったらしい。[そういうことですか、これも仏様のお導きです。]


[帰りの心配はしなくてもよろしいですよ、部下に送らせますんで数秒で対馬に着くことが出ます。]


日K国議員連盟の会長が来るという連絡があったが仕事中は忙しいので開店前の15分だけの面会になった。

[いや~ぁ困ったことになっちゃいましたな。][すみませんがご用件は。][決まっているではないか、何とか解決しなければいけないということだよ。]


[どうぞ、解決してください私も困っています。][いい方法はないかな。][さ~解りません。私は夢にこれらの仏像の場所を開けておくようにということだったので、そのようにしただけです。


解決するのは私ではありません。すみませんが開店時間になりましたので、おかえりください。小政、お送りしなさい。]


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小堀遠州のところに、現宗家があいさつに来た。[挨拶が遅れまして、申し訳ございません。][私が復活したことで、たいへんなのはよくわかっています。]


[いえいえ、初代様が道を作ってくださったので、今の私たちがあるので感謝をしています。]


[して、挨拶伺いはわかりましたが、ほかにも要件がありそうですね。][はい、知人から頼まれまして、初代様がここの社長と懇意だということで、仏像のことで教えてほしいのです。]


[仏像をどのようにしたら持ち帰れるかということですね。][その通りです。]


[これは普通に考えたらわかることです。私見ですが理不尽なことをして持ち帰ったのに返還しないので、国宝の仏像が怒って対馬の仏像を連れてこちらに来て、


償いとして100年間ここにいると言っているのです。ですから怒りを解けば帰るということですよ。それよりもここに遠州好みの手頃な茶碗があります。仕入れていったらどうですか。]


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[わかりました、今後ともよろしくお願いします。]連日の報道のおかげで明日香陶芸店の知名度はかなりに向上した。やっぱり、古伊万里・魯山人の普及品の食器が多い、


料理店からの注文だと単価は低いが量が多いので合計金額はそれなりになるのである。


京都の飲食組合から京焼の普及品に古伊万里・古九谷・明の色絵のいずれも普及品の展示即売会をやってくれとの依頼が来ている。このような時期にどうかとも思ったが、


サスケは分身していけば問題無いと言っているのでサスケ・すず・志野と私が犬2匹とともに全員分身で行くことにした。


食器の展示会と言っても抹茶の本場なので、京焼と遠州好みの普及品のお茶碗と手頃な花器も用意した。期日はダラダラやってもいけないので集中して3日間とした。


サスケとすずは実家が近いのでうれしがっているし、志野は初めての場所に興味を示している。さてどうなることやら。


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いよいよ始まった。予想をしたように仁清・乾山・潁川・仁阿弥・木米・保全の普及品の食器がすごい人気である。本物とは高台裏の印が本物の印に香の印が少し重なっているだけで、


ひっくり返さなければ本物とおなじなのと、いままでこのようなものはまったくなかったので、あたりまえといえばあたりまえであるが。


うわさを聞きつけて五条坂の陶器店など同業者も卸売りを希望してきた。同業者は一般客と交わらないようにテーブルの隅に来ていただいて志野が担当した。


商品の持ち帰りも可能でどんどんさばけていく。今日売り切れになっても、明日には届くと言ってまた来てもらうようにしている。


今夜中に分身して揃えておけばいいことなのである。抹茶茶碗も本物と印を除いて同じものなので次々に売れていく。花器も思った以上の売れ行きである。


商品は一応3日分を用意してきたのだが、すでに2日と半日分ぐらいが売れているような速さである。


300

ここは料理会館の大ホールであるが、早くも人気のうわさを伝え聞いてマスコミが取材にやってきた。商品がどうのこうのという前に明日香陶芸店の名前で、あ~、という感じである。


新聞で毎日報道されている、注目の店そのものだからで、こりゃここもいいネタになると張り切っている。


[すみません、対馬の仏像のことですが・・・。][ご覧の通りに手一杯なので、4時に終了しますので、その後でしたら多少はお受けしますよ。]マスコミも邪険にするとしっぺ返しを食らうので、


頭に来ても辛抱しなくてはならない。


どこかひょうひょうとした老人が立ち寄った。[あなたは千家の師匠に1億円の茶碗を売った人かね。][はいそうです。][あの時は初の個展でしたので、ハッタリをかまそうと若気の至りです。


今はオリジナルの益子乾山のものだけです。][そうかおしいな。][高麗・李朝のもので最上級のできのものをストックしてあります。種類を言ってくだされば明日お持ちします。]

さあ、面白い展開で目が離せないですね。

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