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天啓の雲   作者: 古寂湧水 こじゃく ゆうすい
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猫寺のネコの芸が完成したので、女子高生で試したら大うけ

猫達の報酬で条件闘争がありましたがメザシ1匹に週1回鮮魚を付けることで解決です。


241

志野は実家がバードサンクチュアリをやっていて自分も動物が大好きである。[おもしろそうですね、これができるようになるとすごいことになりますよ。]


[私もそう思う、ユリもそう思うか。]ワンワンワン。とりあえずゴン太にユリをネコ寺に連れていき挨拶させることにした。


[きたね、こっちがゴン太でこちらがユリちゃんだな。]じ~っとしばらく見ていたが[タエちゃん老師たちはこの2匹について、なにか言ってなかったかな。]


[玉蘭市にいるチベット仏教開祖のパドマサンババはゴン太を見て、座布団を譲ったそうです。カイラス寺の老師はユリについて王様にゴン太と同じぐらいすごい犬だと言っていました。


観世音寺の老師は困ったときにはゴン太に相談しなさいと言っています。]


[なるほど、この犬たちに手伝ってもらえば何とかなるかもしれないね。][ゴン太はすごいのが解りますが、ユリちゃんもそうなんですか。][そのとおりだ。ゴン太とまた違った特徴に気づくと思うよ。]


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[さて、ゴン太とユリちゃん、リーダーのトラちゃんのところに挨拶に行きましょう。]ワンワンワン、[トラちゃん、仲良くしてね。]ミャー、といって手を差し出してきた。


[それではトラちゃん、私が手のひらを出したら手を添えて、どうしたのかなと言って2,3秒置いてからもっと頑張らなければいけないでしょうと、ここは力強く言ってね。はい、練習よ。]


手のひらを差し出すと、トラネコは手を添え[ニャンニャンニャン、3秒後ミャーミャーミャーミャー!]最後は特に力強く言った。


すかさず頭をなでながら[いい感じで、よくできたけど、どうみんな。][これはうまいジョー。][親分これいけますよ。]和尚さんも笑っている。ゴン太とユリもワンワンワンと合格である。


ほかの猫も集めてもう1度トラと一緒にやってみた。ター坊とよっちゃんもほかのネコに手の平を出している。ニャンニャンニャン、ミャーミャーミャーミャー!と同じく最後を力強く言うことができた。


243

[うわ~ぃ、できたジョー。][親分、すぐに実戦でやったほうが忘れなくていいですよ。][そうね、トラちゃんいらっしゃい、あのお姉さんにもう一度やってくれる。]ミャー。


[そこのおねえさん、ちょっと来ていただきますか。超能力ネコが元気をくれますよ手の平をネコの前に出してください。]ミャーミャーミャーミャー!最後は同じくしり上がりで、力強く鳴いた。


[きゃ~、なにこれ面白いね。]他の友達も手を出してきた。と、その時ほかのネコ3匹が3人に対応してミャーミャーミャーミャー!と同じく手を置いて鳴いた。


なにこれキャッキャッキャッっと歓声が上がった。[これ毎日やるんですか?][そのうち時間を決めてやろうと思っていますが、まずネコ寺でSNSを立ち上げてみます。][わ~楽しみです。]大成功である。


住職[いけるかもしれませんね。とりあえず老師に報告をしておきます。]タエ[和尚さん、どういうわけかこの犬2匹がいると物事がうまくいくんです。]


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住職[それに気が付いたかな、はははは。まあ少し休憩してお茶とお饅頭でも食べていきなさい。][これはよもぎ饅頭だジョー。美味いジョー。][これは老師の好物で時々ここの本山で作るんだよ。]


グッズの手配はタエがやっているが全面的に両夫妻はタエに任せている。グッズのサンプルは王様の手作りということで辰五郎も全部仕入れることに賛成をしている。


問題は作ってくれる工場だが、仕入責任者がまとめて1年分仕入れれば可能だと言っている。もちろん仕入れて売れなければ大損だし、よく売れればタエへの信頼感は増幅される。


[親分、お父さんにお母さんは毎日勤行に行って頑張っているよ。][ぼくんちもだジョー。][そう、グッズは何とかなりそうだわ。][それはよかったです。][よかったジョー。]


[明日にでもお店を見てもらうので、呼んできてくれるかな。]翌日に両夫妻がやってきた。[タエお嬢さん、どうもありがとうございます。]


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[まず2店舗の中をご覧になってください。][中はまだ使えますね。][多少の改造で使えるようになると思います。まず2店舗あるのでどちらがどちらの店を使うか決めなければなりません。


まだ仮の話ですがどのように決めましょうか、店の立地で売り上げが違うかもしれません。]


ター坊とよっちゃんはどうなるのか心配顔になっている。その時よっちゃんの両親が[私たちは後輩にあたります。どうぞ先輩がお好きな方をお決めになってください。]と一歩下がった話をした。


[これは売り上げに影響しますので、五分の条件で決めた方がいいと思います。]こちらも自分の欲にとらわれない、素晴らしい返答である。


[両者の言い分はわかりました。それでは僭越ですが私が決めさせていただきますがよろしいでしょうか。][はい、それで結構です。][わかりました。どうぞ決めてください。]


[それでは決めさせていただきますが、やっぱりここは先輩を優先します。]


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[古いしきたりを守っている新門の家風でありますので、ご了承を願います。入口に近い好条件の方をター坊のご夫妻でお使いください。][賛成いたします。]


[それでは心苦しいのですが、甘えさせていただきましてこちらをご利用させていただきます。]


[店舗の改装や看板を作るには資金が必要です。2店舗をまとめることで新門の出入り業者に安くやらせるようにいたします。準備費用が必要な場合はお申し出ください。新門でご融資いたします。]


[わぁ~い、ボクんちのお店が決まったジョー。グッズも王様が作ったいいものが入ってくるジョー。うれしいな。]


ター坊は[ネコの新しい芸ができたのでこりゃあすごい人気になるぞ。]とはやくもエンジン全開の感じである。タエが見たところ最初は立地条件の良いター坊の店が有利だが、


よっちゃんの父親は深みのある人柄で占いとか人生相談で人気が出るような感じがした。タエとネコ寺の和尚さんが相談中である。


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[和尚様、ネコの芸は毎日10時から40分間と11時からの40分間の午前中の2回でいかがでしょうか。芸の回数が増えればお賽銭も増えると思うのですが。][ネコは勝手でわがままだから1回で飽きてしまうと思うよ。]


[それは困りましたね、何かいい方法はありませんか。][むずかしいね。]


[そうだ、食事で釣るのはどうでしょうか、2回うまくやれば魚を食べれると言ってニボシでも1匹ずつやるのはどうでしょうか。][それだったら協力するけどボスネコの判断だな。]タエはボスネコに話してみた。


[トラちゃん、キャットフードだけじゃ飽きちゃうでしょ、40分ずつ2回演技をやればニボシを1匹もらえるのやってくれる。]ボスネコはふんという感じで行ってしまった。


動物の世界でも正当な賃金の支払いのない労働は無理のようである。もう一度ボスネコのところにいって、[じゃあさっきの条件に鮮魚を1週間に1回付ける、こんな感じでどう?]


[ミャー。]と言って握手を求めてきた。


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さて和尚さんとの再度の交渉である。[和尚様、さっきの条件に週一回の鮮魚付きだと言っています。ここは本山で宣伝費も多少あると思います。人気になって参拝客も増えると思うのですがどうでしょうか。]


[はっはっはっ、ネコの条件闘争か・・・まあそれだったら参拝客が増えるので正論を言えば何とかなるかもしれんな。][よろしくお願いします。]


いつもの3人組が観世音寺の老師のところにいる。[ネコ寺の和尚から聞いたけど、ネコとも折り合いがついてうまくいっているようだね。][はい、ボスネコの条件闘争にあってたいへんでしたが何とかなりそうです。


それと王様がネコグッズのサンプルを15種類作ってくれたのですが、新門の仕入れ部が中に入りまして工場と交渉をして段取りが付きました。店舗の方も入居の割り振りと改装の準備が整いました。


あとは修業期間が終わって許可を受ければスタートができます。][よくやっているね。それにしてもネコの条件闘争というのは面白い。]


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しかも週一回の鮮魚付きか・・ははは、許可は残りを真面目に出ればそれでOKになるようにはなる。もちろん必要な超能力は付加される。][ありがとうございます。]


[ター坊とよっちゃんどうだ、お父さんとお母さんは楽しみにしているかな。]


[はいそれはもう、自分の店が持てるので毎日その話をしています。][ぼくんちはお店の図面を書いて、どこに何を並べるかいつも考えているジョー。]


[カイラス寺と同じようにうちもお茶饅頭を作ってみた、食べなさい。][これはうまいジョー。]


今日は修業が終了の日で、老師から許可証をもらってくる日である。子供達3人店舗を開けてこちらに来るのを待っている。ネコ寺としても王様と老師の肝いりであるから設備の充実を図り、


絵馬をかける場所を作ったりスタッフの人数を増やしたりしている。店舗の改装も看板づくりが終わって、刻んである木材とともに組み立てて取付けるだけであるので、


本日中に出来上がり明日からのオープンが可能である。


250

予定どおりである。明日は初めてのネコ芸の一般オープンなので役所の広報や観光局それに新聞・雑誌・テレビの取材陣も多数の来所が予想されている。改装業者も集まってきた。


[お待ちどうさん、許可証をもらってきたよ。]二組の夫婦がニコニコ顔でやってきた。[おめでとうございます。それでは業者さんにお店の改装をやっていただきますが、よろしいですか。]


[どうぞ、始めてください。][ター坊の店は猫屋、よっちゃんの店は福猫の看板がかかっている。目玉の占いと人生相談コーナーの改装も取り掛かっている。]


[うわ~ぃ、看板ができたジョー。][早いね、ほとんどできちゃった。事務関係のものを入れればあとはグッズかな。]今日はオープンの日である。8時から両店とも準備をして9時からの開店に備えている。


9時の開店時間である。案内ポスターをたくさん貼ってきたので近所の人たちも大勢が来ると思われる。


ター坊とよっちゃんは両親の店が持ててよかったですね。

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