世界初の月面普段着旅行です。星を見ながらのパーティはコック長の石松を始め次郎長たちが仕切っています。
月面料理でロールキャベツは意外でしたが、案外と口の肥えたお客さんは褒めていましたね。
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月面に一行が到着した時には昼間の設定だったので、地球と同じ環境にかえって戸惑っていた。
サスケ[こちらのサロンでお茶を飲んでくつろいでください。今は昼ですが10分後には夜になります。]子供達7人がお茶と菓子を運んでいる。サロンは強化ガラスの天井だが空が見えるようになっている。
既に夜の設定である。一同から”ブラボー”の歓声がたくさん上がった。サロンに星が降ってくるようになっているのである。星に見とれてそのままの時間が過ぎ去った。
1時間半を経過したころから天体望遠鏡に行ったり宇宙温泉風呂に入っている人もいる。ここでも同程度の時間が経っていよいよ最後の2時間のガーデンパーティーである。
石松と鬼吉それに法印大五郎はダブル分身で2人づつと茶畑出身の若い衆4人の計10人でキッチン周りをやっている。ホールは次郎長に大政そして小政と子供達7人である。
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まず前菜と酒が運ばれた。石松が腕によりをかけた本格的なフランス料理に次郎長酒造のワインにブランデーである。酒のラベルは今回の月旅行に合わせた特別のデザインである。
客[このブランデーは特別な味わいがするけど、製法が違うんですか。]タエ[はい。このブランデーは熱を入れない蒸留ですが、超能力でワインから水分だけを抜き取る製法です。
貯蔵は合計で1年以内ですが超能力で高速経過年数を使用していますので、樽で50年甕で50年の合計が100年の設定になっています。]
客[なるほどおいしいわね。このメーカーの連絡先を教えてください。][あそこにいる総支配人が社長をしている次郎長酒造です。][帰ったら注文するわね。][はい。ありがとうございます。]
客[星が素晴らしい。酒のつまみはこの星だけで充分な感じだぞ。それとここのコックはいい腕をしているな。この場によく合わせている。]周辺で頷いている。
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客[いや～、月でステーキを食べるとは思っていなかったよ。これは和牛を超える明日香牛だろ。肉の味が濃くてうまいわ。]王様はキッチンとパーティ場を見ながら総合的な指示を出している。
サスケ[ここまでは大成功ですね。石松の料理も好評です。][シンプルだけど細かく気づかいをされた料理に納得されている。帰ったら店が人気になるぞ。]サスケ[そうですね。世界最初の月面料理人ですから。]
長[目つきと雰囲気で業界人というのはわかりますね。幸いにおかしな動きはありません。][ルール違反を犯したらすぐにゴンタとユリが捕まえるさ。]
客[普通、このような席ではロールキャベツが出てこないが、これはうまいね。キャベツが吟味されているし明日香の黒毛豚かな。]タエ[はい。その通りです。味が評判の明日香黒豚ですし、
キャベツも無農薬栽培で一番の旬のものを選びました。]客[シンプルな料理というのは奥が深く難しいものだが、ここのコックはいい修行をしているな。]
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コーヒーとお茶それにフルーツが出てパーティは終了した。外に着いたポジションで整列し、出発して正殿に戻ってきた。記念のプレートが渡されて解散である。
すぐにインタビューが始まった。記者[数人に様子を聞いたところ皆さんが大満足で、夢のような時間を過ごしたと言っていましたが大成功ですね。][はい。おかげさまで無事に終了しました。]
[この次のツアーはいつ頃になりますでしょうか。皆さんが注目されていると思います。][まだはっきりとはきまっていませんが、来年の5月中旬頃を予定しています。]
記者[フランスの有名レストランのオーナーがブランデーがとてもうまかったと言っていましたが、どこのメーカーのものですか。]
[はい。私が筆頭株主の次郎長酒造の火入れをしない特別製法のブランデーです。宣伝はあまりしないのですが、その道の通の方には人気のある商品です。]
司会[それでは記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。]
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サスケは取って返し月面に戻りすっかり後片付けが終わって帰りを待っていた一行を、陶芸店に連れて帰り分身していた身をを元に戻した。天体研究班はそのまあ1週間残り研究を続ける。
1千万円を稼いだ石松たちの次郎長一家は貸し切りの無礼講でどんちゃん騒ぎをやっている。スバル宇宙観光旅行社は与兵衛寿司で打ち上げである。
長兵衛チームの10人と王様とスタッフに志野と子供たちそれに遠州が参加している。
サスケ[それではスバル宇宙旅行チームの本日のツアー成功を祝して“カンパーイ”]昴[お月さまってウサギさんがいるんでしょ。][人間が行ったらウサギさんはどこかに行っちゃった。]
昴[今度ウサギさんの御馳走を持って行ってやろう。]チヨ[昴ちゃんの大好きな卵焼きがあるわよ。]昴[ここのはちゃんと芝エビが練り込まれているのでおいしいです。]チヨ[私もそのように思います。]
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[長兵衛チームのみんなはここに来るのは初めてだったな。どんどんやってください足らなければ追加してください。][3回目はわかりませんが次もいけそうですね。]
サスケ[入札額は下がっていっても続くと思うな。]すず[私もそのように思います。他にない貴重なものですから。]長[この会社が日本だったら税金がたまんないですね。
明日香でしたら超能力費95パーセントでも認められます。99・9パーセントにしますか。][はっはっはっ。その通りだ。経費は次郎長さんに1千万円とみんなへの給料だけでなので、
そのくらいにしないといけないかな。これからしばらくは月面の仕事はほとんどなくなるけれど、パートではないので給料は出るしボーナスも少しですが出ます。これからも引き続き頑張ってください。]
石山本願寺と安土城それと市街の一括建築が3日後に迫ってきたので真田社長と経営コンサルタントの業務部長と担当が会議室にやってきた。
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[ご苦労様。順調のようですが総合的にどんな感じですか。]業務部長[2ヵ所の美術工芸館ですが、石山本願寺の方の宗教美術工芸館の方は当初の収蔵予定は8万点でしたが、
ゴン太さんの申し出により15万点に変更になりましたので建物もそれに合わせています。なんでも復活されているお釈迦様らからの収集が各2千～4千点になるのでそのくらいになってしまうということです。
とても皆さん協力的で天界で描き溜めていた分も多いということです。それからゴン太さんが過去に気を送って絵画の方も名人級になっていますので、面白い作品がたくさんあるそうです。
それから皆さんお抹茶を独自に楽しんでいますので茶席に合うようなものも多数揃えてくれました。特に達磨大師とパドマサンババそれに恵果大師は面白がってたくさん描かれましたよ。
茶席用のものは茶道美術工芸館の方に入れましたが人気になりそうですね。]
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[無料の簡単なパンフレットの他に両館用に説明本も刊行したけれど、かなり売れそうだな。日本の宗教大学や専門家などからたくさん調査などの依頼が来ると思うけど、
文科省などの正式な依頼以外は一般客と同じ扱いをするように言ってあります。先方の都合だけで忙しい思いをする必要はありませんので。説明本を買って読んでいただくそれだけですね。]
真田[宗教団体が大勢で押しかけて来そうですね。特に日蓮さんの未発表のものが数千点発表されたら大変ですよ。][様子を見て人手が足らなかったら坊さんにでも行かせますよ。
餅屋は餅屋っていう感じですか。はっはっはっ。それから宿は普通ランクとやや高級なのを4割増しにしたので何とかさばけると思う。超高級なのはないけどな。]
真田[警備は私の下で新門警備がやっていますが、小型犬の2種類は評判がいいですね。リード無しである程度自由にやらせていますが、トラブル無しで迷子が出た時にはすぐに解決しています。]
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[それでは予定通りに明後日の10:30でよろしくお願いします。真田さんはこちらでコンサルトさんは現場ですね。]2人[それでは失礼します。]
陶芸店の隣地の畑の隣で現況は農地であるが1千坪が売りに出たという知らせが入ってきた。話を持ってきたのは茶室が建っている1万坪の仲介をした不動産業者である。
価格も同じ坪85万で出してきたが、指値も同じ坪75万で出しておいた。当然に他が買わないように気を入れておいたのでそのままほっぽりっぱなしである。サスケ[これもゴンちゃんの段取りですかね。]
[たぶんそうだろ。勝手な予想だけど初代の海の坊さんにでもやらせろ、という感じにも思えるがどうだろうかな。遠州さんどんな感じですか。]遠州[はっはっはっ。なかなか王様も読みが深いですね。
明日香の本拠地の近くでやり易いですもんね。経営コンサルタントを噛ませれば全く問題ないですよ。大変に面白い案件だと思います。]
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[なかなか時間が取れなくて安土城の茶道博物館での茶室のことで話し合いを持てませんでしたが、ゴンちゃんを信頼して遠州さんの意向を酌んでいると思っていましたのでよろしいでしょうか。]
遠州[とてもよくできていますよ。これも私が作ったことになりますので、ありがたいことです。息子か弟子が行くかまだ決めていませんが、利休師匠や夢窓疎石それに復活された宗祖のお歴々のなかですので、
きちっと恥ずかしくないようにやらせます。][経営コンサルタントが付きますので、分身させて好きなものを使ってください。恵果大師は弘法大師の師匠ですものね、
どんなものを茶室に合わせてきたのか楽しみです。]遠州[それもそうですがパドマサンババも大変に面白いと思っていますよ。昔のサンババは奥さんが5人もいた破壊坊主だったらしいですけれども、
頭脳は抜群によかったらしいですからね。][私も何度かお会いしていますが、面白そうだがなかなか食えん奴という感じもするわな。]
達磨大使にチベット仏教の祖パドマサンババ、それに弘法大師の師匠の恵果大師が描いた茶室の掛け軸はかなりの評判を呼ぶでしょうね。
