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天啓の雲   作者: 古寂湧水 こじゃく ゆうすい
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新選組と剣聖と言われる上泉伊勢守信綱門下の試合が始まりました。

新選組の猛者である7番組隊長の斎藤一が疋田文五郎に挑みました。

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刀を突きつけて一喝した。[へい、恐れ入りやした。金を払って退散します。]喉を抱えながら、すごすごと行ってしまった。[ひゃ~おじさん達強いね。]ター坊とよっちゃんは感心したようだ。


[私の父は新門辰五郎ですがよろしかったら、お茶でも飲んでいっていただけますか。]


[せっかくだが上泉先生のところに行く予定で、わるいけど案内をしてくれるかな。][それはお安い御用で、どうぞこちらです。][こんにちは新門のタエです。お客様をお連れいたしました。]


上泉伊勢守主従3人は揃っていた。ちょうど稽古の休憩時間だったようだ。上泉[これはこれは新選組のお歴々ですね。島津義弘様より連絡をいただいています。さぁ、まずお座りになってください。]


[そのうち露死阿と戦いになるといわれ最後のプーチンチン邸に突撃するのが私たちの役目だと聞かされまして、一切を上泉先生より指導を受けるようにいわれました。]


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上泉[なかなかの猛者ぞろいですな。私たちは剣術家ですので、まず手を合わせてから話をしましょうか。][それでは若手ですが、隊内でも上位の腕前で先ほどもこの娘さんのトラブルを解決いたしました。


7番隊隊長で突きが得意です。][それではこちらが甥の疋田文五郎です。両者中央に出なさい。]


斎藤一は一刀流の流れをくむ流派の豪の者である。すかさず秘伝技の夢想剣に仏捨刀を繰り出したが受け流され、最後は得意の三段突き繰り出したが見切られてしまい、[参りました。]と言って下がってしまった。


次は一番隊隊長の沖田総司よりも練習では上を言っているという、神道無念流の永倉新八である。[両者前に出なさい。]蹲踞をして素早く分かれた。


いつもは積極的に連続技を仕掛けるのだが、唸ったまま動けない。しばらくにらみ合っていたが、[参りました。]明らかに格の違いである。


実際に真剣での斬りあいになった場合は局長の近藤勇と副長の土方歳三が抜群に強い。


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天然理心流は実戦を想定した剣法で道場のものとはまた違うのである。[それでは最後に末席の若いの、立ち合ってみなさい。]服部猛夫である。


二刀を使うと猛者ぞろいの隊内でも勝てるものがいないといわれている。近藤と土方は目を見合わせてにやりと笑っている。


[それでは文五郎とかわって意伯が立ち合いなさい。]ちょっと首を斜めにして片手下段に竹刀を持っていたが、相手のすさまじい二刀の連続技を紙一重で見切っていたが、


そのうち絵に描いたように乾いた音を立てて貫銅が決まった。意伯ぐらいの境地になると一刀も二刀も関係ないのである。相手の攻撃がすべて手に取るようにわかり、


紙一重でかわしスキが出たところをきれいに打ち貫く、ただそれだけなのである。服部が下がって一礼するとともに一同も揃って一礼した。


3人組がソワソワして落ち着かない。というのは王宮の番犬が子供を産みそうなのである。


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いつも見回り用にゴン太か番犬を借りに来るのだが、自分のを欲しいと思っている。番犬はいつものように吠えて、ゴン太を呼んだ。志野もゴン太にせかされたのか、一緒にやってきた。


[あなたたち犬を見に来たの?タエちゃんは欲しかったのよね。][はい、できればオス・メスの2匹欲しいです。][それじゃあオスはここの一匹、メスはどこかの狩猟場か寺犬と交換して2匹にするわね、


兄弟では夫婦になれないから。どんな毛色のがいいの?]


[はい、赤ゴマっていうんですか白と赤が混じっているのです。四国犬に多くいるタイプですけどDOGOMixで50kgのゴマはかっこいいです。それと奥さんにするのも同じような毛色がいいです。]


[そう、もうすぐ生まれると思うけど、ゴン太が知らせに行くわね。][は~い待っています。][親分良かったですね。獰猛でなめられないのがいいです][ぼくは100kgぐらいに大きくなるのがいいと思うジョー]


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[あんたたち何言ってるの、ゴンちゃんみたいのがいいでしょ。][それじゃあ、ここで生まれた一匹はゴンちゃんにに選んでもらおう。][そうだジョー、ゴンちゃんに決めてもらうのがいいジョー。]


三日後に12匹生まれた。[うゎ~い、可愛いのばっかりだ。][ゴンちゃん、私に一番合うのはどの子なの、教えて頂戴。]この中で一番大きくて赤ゴマの毛色の活発な犬のところに来て、


前足でトントンと体に触った。[これはいいじょ~。]3人の考えはすぐに一致した。[名前は大きいから大ちゃんにするわね。][うゎ~いダイちゃんだ。]


志野が王様と一緒にやってきた。[いいのが見つかって良かったな、3ヵ月はここでお母さんと一緒にいなければいけないことになっているので、その間にいい彼女を見つけておくよ。]


[いつでも遊びに来ていいわよ、番犬小屋は入口のそばだからいつでも来れるわね。]とそこに定食屋の娘のおヨシがやってきた。


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おヨシ[いいわね、うちは商売で忙しいからネコぐらいしか飼えないわ、どこかにかわいいのいないかな。][おちゃわん屋のネコがおもろいジョー。]


タエ[前に志野お姉さんがアルバイトしていたところのおニャン子ね。トラ毛の上にエンジ色の僧衣着たような可愛かったわ。]


[まあ、あのようなネコだったらネコ寺にいるから今度もらってきてあげるわね。]ネコ寺のいわれは野良猫がお寺に住み着いて和尚さんの勤行を毎日聴いているうちに、


自分も一緒に和尚さんと一緒にお経をあげるうちに超能力が付いたといわれている。サバやトラの地毛にエンジ色の僧衣を着たようになっている。


30匹ぐらいいるといわれているが、おちゃわん屋のネコはここの出身なのである。


[タエ親分、見回りに行かないんですか。][ター坊、なんか面白いの見つけたの?いま、ややこ踊りというのがすごい人気で一度見てみたいな。]常設の歌舞伎場とともに、


旅芸人などが使用する演芸場もあるのである。

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そこに6~8歳ぐらいの女の子8人が大人のしぐさをまねて踊るのが大人気になっている。化粧も大人のようにするので怪しい雰囲気が漂っているが、これが受けているのである。


[じゃあ、今日はゴンちゃんも一緒に行こう。]ワンワンワン、ゴン太も子供達との見回りは大好きである。


[あ、いらっしゃい新門の~、どうぞそのまま入っておくんなせ~。][いつもすいませんね~。]中はいっぱいの観客で、前座の大道芸が終わっていよいよややこ踊りの番になった。


みんな幼いが芸達者で幼いお色気が人気である。[親分、これ面白いですね。明日も来ませんか?]


[明日、ター坊とよっちゃんは上泉先生のところでヤットーの稽古でしょう、男のくせによわっぴーままではだめよ。ややこのおケツばっかり見て喜んでいるようなのは根性を入れ替えないといけないわ。


毎日、お尻が腫れるまで打ちのめされないと使い物にならないわね、職人町の子供何人かはすでに入門してる、あなたたちも行ってきなさい。]


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[職人町のやつらは頭が弱くて体力自慢の奴らばかりで、僕らは頭で勝負ですから必要ないです。]ター坊の頭に拳骨が飛んできた。[おヨシのところに子ネコが来てるジョー、見に行こう。]


志野がネコ寺からもらってきて、すでに定食屋の看板ネコになっているという。入口の電話台のそばの椅子に、腹を出して寝転がっていた。やっぱりトラ毛だけれどネコ寺と同じように、


エンジの僧衣を着たような模様になっている。三人がそれぞれ撫でても知らないように寝ている。ずいぶんとおおらかなようだ。


[こりゃあ、おもしろそうなネコだジョー。][そうなのよ、お客さんが触っても全然関係なく寝ているの。ジュースでも飲んでいって。][飲もう、飲もう~、喉が渇いたジョー。]


[ダイちゃんの彼女は王室狩猟場からもってくるそうよ、同じ赤ゴマでよかったわね。]


王宮に島津義弘に甥の豊久、参謀長の竹中半兵衛、首相の真田昌幸らが揃っている。サスケとすず、それに王様も同席している。


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竹中半兵衛[今日は対露死阿戦のおおまかな打ち合わせです。石田三成財務大臣の主導でUSA・EUROそれにロンドン・シンガポール・香港で銀行が回収して中央銀行に送る古札を分身した偽札を差し替えて、


いままでにストックした本物の分が1,500兆円貯まっているので目標の2,000兆円まであと少しになっています。]


国王[そこで、三軍の核になる主導者を決めておいたほうがいいのではないかと集まってもらった。まず、陸軍の露死阿戦責任者は誰がいいかな。][島津義弘[私が薩摩だからと申すわけではありませんが、


やっぱり西郷隆盛が適任かと思いますがどうでしょう。]島津豊久[舎弟の従道、従弟の大山巌など、それに日露戦で活躍した情報の明石元次郎・秋山好古・児玉源太郎を復活させたらどうでしょうか。]


竹中半兵衛[海軍は伊予水軍の村上武吉に日露戦の秋山真之、空軍は台南航空隊の斎藤大佐に小園中佐それに撃墜王の坂井三郎や岩本徹三の歴戦の勇士をと思ったのですが、


まだあまりにもまもなく、関係者も迄おられるのでどうかと思われます。]


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国王[それもそうだ、それに空軍は今回あまり出番がないぞ。]半兵衛[今回の戦いは超能力をフルに活用し、瞬時で軍隊に警察は施設共々200年前にしてしまう、


それに一切の銃火器を排除してしまうので戦いになりません。進軍に何も障害がなくなるが、いろいろ手製の武器で反撃をしてくる可能性もあります。特にクレムリンには中世の武器庫もあるので、


注意が必要だし侮ることはできない、その時に腕力の強い幕末の勇士や新選組が必要になってきます。]


義弘[問題はその後です、うまくまとめられなければどうしようもない。その点、西郷は人望がありますので心配はしていませんが、同じ幕末の英雄の勝海舟も入れますかな。]


国王、[それはいいですね。]一同もうなずいた。半兵衛[最後はたぶんモスクワになると思うので、サスケさんとすずさんの特殊部隊と新選組の活躍になると思いますよ。]


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竹[それに誠の旗をモスクワに立てて、思う存分に暴れられるのは最高の気分でしょうね。]


タエ達3人組が王宮の番犬小屋を覗きに来ている。タエの犬ダイは腕白もので、いつも他の犬に噛むようにして遊んでいる。


母犬はそばでじっと見ていて介入しないが、あまりに度が過ぎると分ける。もう2ヵ月になっている。


タエ[ダイちゃん一番かわいいな、この2匹の白犬は世界一の標高8,888mの如来山の南の白雲市に復活しているお釈迦様がおられる仏教センターに狛犬としていくのよ。][白い2匹はかしこそうだジョー。]


めずらしくタエのお父さんの辰五郎がやってきた。[いい犬じゃあないか。][はい、この大きいのがタエ親分のです。][今日は何の用事なの。][この門前町をもっと発展させるにはどうしたらいいか、


そんなような打ち合わせだ。][私たちも参加していい?毎日見回りをしているからお父さんより町中のことは詳しいよ。][子供がか、まあ迷惑をかけないんだったらいいよ。]


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3人組も打ち合わせに参加することになった。[やあ、親方どうもみんなもよく来たな。][子供なのに打ち合わせに参加させろっていうもんで、すいません。]


[な~に、案外といいアイデアを持っているかもしれんぞ。でなんか面白い考えを思いついたのかな。]


[へい、よく考えたのですが、せっかく江戸の雰囲気を造ってみんなが着物を着て、それに街中も江戸のようにしています。そこをもっと掘り下げたらいいように思います。]


[具体的にはどのようなことかな。][へい、浮世絵作者の葛飾北斎・安藤広重・写楽などと彫師や擦り師などを呼んで、大々的にアピールしたらどうでしょうか。]


[それも面白いな、北斎は何といっても偉大で外国にも名前が響いているからな。][ボクも言ってもいいですか?]ター坊がめずらしく真剣な顔つきになっている。


ター坊[ここは大本山の前で人通りも多いです。その人たちを喜ばせるような催しを、もっと多くしたらいいと思います。]


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ター坊[超能力で江戸時代に人気があった見世物などはすぐにわかるわけですから、それを呼んだらいいと思います。][見世物をもっと多くか?それもいいかもしれんな。


親方、タエちゃんに江戸から呼び込める超能力を与えるので、協力してやってくれるかな。]


[子供でいいんですか?][なに、タエちゃんはしっかり者だから大丈夫だ、それに頼もしくて頼りになる子分もいるしな・・・ハッハッハ。][ぼくも頑張るジョー。]


そこに志野がやってきた。[まあ、子供達も偉いですね。私は王様にサスケさんにすずさんも陶芸の専門家ですので、江戸時代の有名作家で京焼の、


仁清・乾山・潁川・仁阿弥・木米・保全などを呼べば面白いと思います。本山の裏山がかなり広いので、充分に窯を築くことができると思います。][それはいいな、志野さんとサスケにすずさんとで進めてください。]


[今日は料理長が特別にケーキとクッキーを作ってくれました。クッキーは持ち帰れますからね。]


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[わぁ~い、おいしそうだジョー。]ター坊は見世物が多くなると、タダでしょっちゅう見れるのでほくそえんでいる。


今日はター坊とよっちゃんは新門の印半纏に股引に腹掛けで目が吊り上がっている。というのは職人町の同い年の2人組から決闘状を突きつけられたからである。


最初はビビっていたがタエに尻を叩かれ、行くことになった。[あんたたち、新門の印半纏を着てるんだから負けたら承知しないよ。]


相手は2人とも上泉道場で剣道を習っている乱暴者である。いっしょに5ヵ月になったばかりのダイと彼女のウメが付いていくことになった。タエは2匹の子犬に作戦を授け、


頃合いをみはらかって足に噛みつくことになっている。そこをすかさず飛び込んで鼻に徹底的にパンチを見舞うことになっているのだ。


タエの家で喧嘩の準備をしていると、若頭の大前田栄五郎がやってきた。[お~なかなか気合の入ったいい目つきしているな、デイリか。]


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多くの喧嘩を経験してきたので、雰囲気でわかるのである。[い~かよく聞けよ、子供の喧嘩は噛みついて離さなければそれで勝ちだ。


よっちゃんはまだ小さくて力がないのだから、鼻にでも噛みついたら勝てるぞ。]


3人は目が吊り上がって気合の入った顔で出ていった。2匹の犬もいつもの遊びまわっている時の感じではなく、少し腰を沈み加減にして歩いている。や~い、よわっぴー鼻たれ小僧とちいせえワンコロ、


それに小娘まで来たんか。][私は入らないけど犬は一緒だ。][はは~ん、こんなちいせえイヌッツコロ蹴とばせば一発でおしまいだ。どっからでもかかって来いよ。]


4人がにらみ合っていたが、いきなり2匹の犬が唸り声をあげて飛びかかっていったが、しばらくして2匹とも蹴とばされてしまった。しかし小さくても狩猟犬である。


2メートルほど蹴とばされ背中から落ちてしまったが、鳴き声を上げない。まだ戦う意思満々である。


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ター坊もよっちゃんも力が弱いので投げ飛ばされ腰に手をやって痛がっている。[やっぱり弱っぴーやつだ、生意気にシマの見回りなどとぬかしやがって~。]


と言ったとき、投げ飛ばされていた2人は掴んでいた泥を、相手の顔面に向けて投げつけたその瞬間、2匹の犬は勢い良く2人の足に噛みついた。小さな犬でもアゴの力は相当強い、


[イタタタ・・・。]イヌを振りほどこうとしたとき、ター坊は相手の鼻にパンチをお見舞いした。4・5発殴ったら血が噴き出してきた。


よっちゃんは目に土が入ってこすっているスキを見つけて、猛然と鼻に噛みついた。こちらもすぐに血にまみれてしまった。


[はい勝負あり、離れなさい。]相手はすごすごと足を引きずり、顔に手をやりながら退散していった。タエの作戦でいったんわざと簡単に投げ飛ばされて、


土を掴んで顔面にあてるのが一番のポイントだったのである。


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それにしても5か月の犬も、いったん蹴飛ばされたのに良く立ち直った。やっぱり200kgの猪に向かっていく種類だけのことはある。[エイエイオー、エイエイオー、エイエイオー、ワンワンワン、ワンワンワン。]


町のはずれの空き地では勝ちどきが上がっていた。


[よ~し、たこ焼きかお好み焼き食べに行こう、なんにする。][ぼくはおこのがいいジョー。][ター坊はなんにする。][ぼくはおこのの5種類入りがいいな。][よし、じゃあ行こう。]ワンワンワン。


清水次郎長が王宮に新茶とブランデーを持参してやってきた。世界一の如来山の近くでオーナーは国王であるが辰五郎がまかされ、


その関係で総支配人のような立場で茶園・葡萄園・ワインとブランデー工場にレストランをやっている。


[新茶ができましたので、お届けに上がりました。][お~すまないね、まあ上がりなさいな。]覆いなしで宇治茶を超える抹茶を生産している。


[ブランデーも火入れなしの超能力蒸留をしていますので、独特の風味が気に入られています。]


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[それはよかった、何か困ったことや要望があるかな。][はい、実は猪が増えて畑を荒らされて困っています。それで辰五郎親分に聞いたのですが、まだ番犬の子供が3匹残っているということですので、


ぜひ譲っていただければと思います。]


[それは構わないよ、その犬の兄弟は娘のタエにもらわれていって、子供の喧嘩の助太刀をして活躍したらしいぞ。もともと猪の狩猟犬だからちょうどいいんじゃあないか。]


[へ~、デイリの助太刀ですか、そりゃあいいやちょうど私らの犬にはぴったりのようで、ありがとうございます。]


辰五郎の家に葛飾北斎に娘のお栄、安藤広重に東洲斎写楽の4人がそろっている。[ようこそおいでいただきました。江戸でお会いしました新門辰五郎でございます。


その世界で有名な方々をお招きできましたことを、たいへん光栄に思っています。]北斎[とりあえず腹が減ったから、なんかうまいものを食わせてくれないか。]


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[へい、どんなものがよろしいですか、そばか寿司か・・・寿司でしたら江戸でも評判の華屋与兵衛寿司がここでもやっています。][それならそれにしておくれ、皆さん方もそれでよろしいですか。]


[タエ、与平寿司に行って特上を10人前頼んで来い。][は~い][しばらくお待ちを。来るまでにおおまかな話をいたします。住居は職人長屋に用意してありますので、あとで若い衆に案内をさせていただきます。


生活と仕事に必要な金子は充分にご用意しますので、題材は好きなものをお書きになって結構です。また旅に出たければお申し出ください。いかようにも対応いたします。


写楽さんは芝居がたいそうお好きだと聞いていますが、どこでもシマ内でしたら無料で見れる手形をご用意いたします。]


写楽、[そりゃあいいや、毎日ただで見れるな。][それとこの国の王様はたいへん庶民的で、私みたいな半端者でも気軽に御用を命じてくれます。今度王宮に招待させますので、一緒に食事でも致しましょう。]


170

北斎[面白い殿様だな、おれも時の将軍様に招かれて何か絵を描けと言われたので、鶏の足に絵具をつけて紙の上を歩かせ、紅葉のもみじが川に流れていますとやったら笑っていたな、はっはっはっ。]


[それとお栄様には私の娘が江戸で面白い見世物とかいろいろ教えてほしいと言っていました。邪魔くさいと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。]


[私は子供が好きなので、どうぞいつでもお越しになってくださいな。][これと子供の子分2人と犬2匹がいつもセットになっています。][い~ですよ、賑やかなのはかまいません。]


茶道の小堀遠州が王宮で濃茶を飲んでいる。もちろん王様が焼いた益子琳派のお茶碗を使用している。[お茶も器もいいですね。][お茶は私の茶園独自の品種で器は琳派の様式を参考にし、


益子の浜田庄司の釉薬方法で私が作陶したものです。][へぇ~王様が自分で作ったんですか、見事ですよ。]




いよいよ本命である露死阿戦の準備が始まりました。

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