いよいよ新選組の登場です。
新選組の斎藤一が扇子一本の3段付きで、3人を一撃でノしてしまいました。
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[私は望月佐渡守である。そなた望月すず、我々の一党か。][はい、450年後のこの館の当主の娘です。][なになに未来から来たとな、何が何だかわからんな。]
[こちらのサスケさんも、この館に代々仕えている従者ですよ。][信州から仕えているサスケか。][ならばここにもサスケはいるぞ、誰か呼んで来い。]
すぐに昔のサスケがやって来た。[これが450年後のおまえの跡取りだ、なんか確認する方法があるか。]昔のサスケは現代のサスケをジロリとながめそのままの姿勢でいた。その域に達したものは気を測るだけで、
実力がわかるものである。しばらく沈黙していたが、[この者は私と同じか、それ以上の実力があります。]
[ふ~む、すると本物かお前どこでその術を習ったんだ。][はい、親父から甲賀忍術をそれに合気武道というものを加えています。][なかなかのものだな、し て要件は?]
[昔の実家に挨拶後に柳生の里に滞在している、上泉伊勢守様に会いに行くところです。]
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[ほ~、有名な兵法者だな、なんでまたそのようなところに][はい、今仕えています殿様の要望で、未来からお呼びになったのです。][ふ~ん、なんだかわからんが泊っていきなさい。]
[これは些少ですが。]砂糖とウイスキーを差し出した。[ちかごろ堺に入ってきている南蛮酒だな、サスケ~おまえにもこっちの酒をやる持っていけ][はぁ~、ありがとうございます。]
一泊して旅立ちするときに昔のサスケが3人に弁当を持ってきた。[しっかりと姫をお守りするように][ありがとうございます。これは正露丸という腹痛によく効く薬です、どうぞ受け取ってください。][お前も達者でな。]
一山越えると柳生の里である。[昔のサスケさんはやっぱり修羅場を何度もくぐっているのか、腹が座っていて貫目があるというか重みがありますよ。]
すず[私もそう思うわ、さて急ぎましょう。]ちょうど稽古が終わっているところに伺ったようだ。
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当主の宗厳と伊勢守主従は寛いでいた。[なになに甲賀の望月のものが使いに来たと?]
[おじゃまします。私は望月の娘で今の望月の末裔です。450年後の王様の要望でこちらの伊勢守様一行をお連れに上がりました。こちらは正使の新門辰五郎さんです。]
[新門辰五郎と申します。これが王様の書状です。][なになに分身をして来ればよいということか?][はい、そのとおりです。サスケさんちょっと分身を見せてくれるかな。]
サスケはすかさず分身をして2人になった。[これは虚と実ではありません、実と実、2人ともに本物です。したがって、片方はいまのとおりに柳生館に滞在して、片方は分身をして一緒に行きます。
柳生様との交情はかわりません。
主従と宗厳もうなずいている。宗厳は辰五郎に尋ねた。[我々小さな豪族はその時の勢力者について生き延びていかなければならない。過去から来たのならば、これからの流れが分かるだろ教えてくれないか。]
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辰[へい、今、京は三好様が勢力を持っていますが続きません。織田信長に松平元康が勢力を伸ばしてきます。六角承偵様も信長にやられます。
したがって柳生様は筒井順慶と三好様の家老松永弾正の間を、うまく渡っていかなければなりません。
ここで重要なのは松永様は信長に殺され、信長は家臣の明智光秀に殺されます。そして光秀は羽柴秀吉に殺されます。秀吉の子供は松平元康改め徳川家康に滅ぼされます。
柳生様の子供たちは優秀で長男の長男が家康の子供に仕えて剣の正統を受け継ぎます。2男の宗矩様は将軍家に仕え1万石の大名になります。]
[そのような流れか、なるほどな激しいものだ、それにしても我が柳生家は安泰で安心をした。いや~、千金の情報だぞ。][それでは荷物をまとめますので、明日にでも一緒に行きましょう]
[今日は出会いと旅立ちの祝宴を張る。辺鄙なところで何もないが、楽しんでくつろいでくれ。]
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[親分、王宮で食べた肉はうまかったですね~。]とター坊はまだ夢心地である。今日はター坊によっちゃんとタエのいつもの3人組で、シマ内の見回りである。
おヨシは定食屋の手伝いで来れないが、代わりにゴン太が一緒についている。
[なにか新しい見世物は出てないですかね~。]顔パスでただ見できるのでそこらへんは熱心だ。[そうだ、お父さんが連れてきたヤットーの先生が道場を開いたので見に行こうか?]
ワンワンワン、ゴン太がすかさずに同意した。
参道の裏の奥に上泉伊勢守主従の道場がある。[こんにちは~新門辰五郎の娘ですが見学させてください。]とゴン太の足を雑巾で拭きながら、奥に向かって行った。
早速若い門下生が[どうぞ、お入りを]疋田文五郎は稽古をつけていて、上泉伊勢守と鈴木意伯が正面に座っていた。[はじめまして、新門辰五郎の娘タエと申します。この犬は王様の愛犬でゴン太と申します。]
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[やあ、よくきたね。]弟子にまんじゅうとジュースを持ってくるようにいった。[お父さんにはいろいろお世話になっているよ。その犬は王様の愛犬ですか~。]
じっと見るようにしてうなずいた。[素晴らし犬ですね。]
[そうです200kgの大猪をかみ殺してしまうし、人間の言うこともすべて理解ができる賢い犬ですよ。]ター坊とよっちゃんはすぐにまんじゅうをほおばっている。
[門前町のシマはすべて辰五郎さんが仕切っているようだね][はい、それとこの国のテキヤはすべて父が仕切っていますので、子分がいろんなところにいます。]
[ほ~そりゃあたいしたもんだ、へんな与太者は入ってこないかな?。][はい、私たちはまだ子供なのでたまになめられますが、このゴン太と王宮に50kgの番犬が2匹います。その犬達を借りて連れていますので、
大体は大丈夫です。犬が代わってどやしつけてくれます。]よっちゃんにター坊はまんじゅうを食べながらうなずいている。
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[生活に不便がございました、申し出てください。王様か父に伝えて対応します。][また遊びに来なさい。]
新門辰五郎が王様と話している。[上泉先生に特殊部隊での指導を頼んだらいかがでしょうか?]特殊部隊は王様直属で300人がいる。サスケが責任者で関口柔心とともに指導をしている。
早速、サスケを呼んで尋ねた。
[特殊部隊の錬成具合はどうかな][全員合気武道の師範以上になっており、1人で1個師団と戦えます。][1個師団は1万人だけどもすごいな。][上泉先生を教授に入れたらどうか。]
[急な接近戦になった時には、とてもいいですね。構えていたら1個師団以上でも対応できますが、準備が整っていなくて急なときにはたいへん助かります。]
[まあ2人とも達人だけども相対すればおのずと器量が分かり、おのずと上泉先生が上に来ると思うがどうかな。][そうですね上泉先生が武術の総責任者でよろしいと思いますよ。]
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今日は上泉主従の特殊部隊、初指導の日である。武道場に主だった面々がそろっている。武術師範の関口柔心が[こちらは有名な新陰流創始者の上泉伊勢守先生と弟子の各先生である。
まず鈴木意伯先生とだれか立ち合ってみよ。組み手でも、一個師団を倒す気組みで勝負してもいいぞ、もちろん竹刀で打ちかかってもいい。][そこの2段の師範代理、勝負してみろ]
筋骨たくましい22歳ぐらいの青年が勢いよく進み出てきた。たぶん安直に接近戦では簡単に負けてしまうが、距離があれば気組みで倒せると思っているのであろう。
両者は中ほどで7mぐらいの距離でにらみ合っている。意伯は自然体で竹刀を片手で持ち、そのまま下げたままである。合気武道の構えで気組みをしているが、全然相手に変化がないので焦っている様子だ。
といって空手や柔道に合気道で勝負する前に遣られてしまうのはわかりきっているので、攻め手が全くないようである。[勝負あり。]一方的に終了である。
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全くどうしようもないのはみんなが納得して、うなずいている。サスケは[これからみんなに小太刀を習ってもらう。特殊部隊は銃を持たないので小刀を持つようになるが、長さはこれから検討をしていく。
なお刀匠は有名な岡崎正宗と弟子の粟田口義光に郷義弘を召喚してある。普通では絶対に手に入らないものだ。]
いつもの子供3人組がタエを頭分にター坊とよっちゃんが従っている。お供はDOGOMixの2匹である。今日はター坊とよっちゃんもタエとおなじ、股引に腹掛けとめ組の印半纏着て鯔背な格好である。
[あんたたち、組の半纏を着てるんだからシャンとしなさいよ。]とタエ[はい、親分。]
胸を張って誇らしい気持ちで見回りをしている…なんだか向こうの方が騒がしいが、テキヤともめているようだ。売り物の丸い大きなせんべいを、金を払わずに取り上げているようだが、
150㎏はありそうなガタイのいいのが3人いる。
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[あんたたち、そこで何やってんのここは新門辰五郎のシマ内だ、かってはやらせないよ。]はやくもDOGO2匹が唸り声をあげて戦闘態勢に入っている。
大猪をかみ殺してしまう獰猛な犬だ、普通だったら相手はこの迫力にたじろいでしまうがいっこうにひるまない。
どうやら巡業に来ている江戸相撲の下っ端のようである。ガキはひっこんでいろとせせら笑っている。2匹の猛犬は低い体勢から勢いよく飛びかかっていったが、
張り手をかまされてそれぞれが吹っ飛んでしまった。タエの頭を小突こうと手を頭にやった瞬間、グェーっと3人が続けて呻いて喉を抱えてうずくまってしまった。
誠の隊旗を掲げてだんだら染の装束・・これはもしかしたら新選組の面々。隊士の斎藤一が得意の3段付きの一撃、扇子1本で片づけてしまったのだ。
態勢を立て直した番犬がもう一度飛びかかろうとしたが、タエがそれを静止した。副長の土方歳三が[まだやるか、やるなら片耳もらうぞ。]
上泉伊勢守信綱の高弟と新選組隊士の試合が始まりますよ。