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天啓の雲   作者: 古寂湧水 こじゃく ゆうすい
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大名物九十九なすとそっくりな景色の天然木椀の抹茶茶碗ができる。四菱自動車の買取りに着手。

天下の大名物九十九なすを彷彿とさせる景色の木椀ができましたね。別名を”親父の禿げ頭”というのもいいですね。そのものですよ。はっはっはっ。

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[すずさん、ウロスの娘さんは元気ですか。][だいぶ慣れてきたようです。現在、福丸オリジナルドレスの工房に通っていますけど、とても面白いらしくて無夢中のようですよ。


30分でデザインから縫製までしてしまいますので、もちろん彼女にも超能力が入っていますけれど自分本来の能力とうまくマッチングして、期待通りのものが素早くできるようになってきたということです。]


[それは楽しみだぞ。だんだん実力が発揮できるようになってきたかな。][そうですね。実力がありますから。]


アルチャナルブランデ州のボムディアの酒造工場に、桶マスの仕入れ先を探す日本人が現れたということで酒造所と桶買い酒造所の2ヵ所の周囲10キロメートルにバリアーを掛けて不審者の侵入を防いだ。


それと同時にそろそろ木椀ができる頃なので、予定の10個の他に追加があるようだったら買い入れるようにと5万円を増額して渡した。


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酒造会社の酒は25度だけの販売だけだったが、原酒の43度でも桶買いの酒と工場生産の木桶蒸留酒を売ることにした。


それに併せて瓶から樽に入れ替えて熟成の楽しみも味わえるように、2升に4升それに1斗樽の空樽販売もするようになった。


これはチヨの発案であるが案外と人気で、木の柄杓を樽のサイズに合わせて無料サービスしたのも喜ばれている。


副首相と会長がやってきた。


[どうもいらっしゃいませ。どうぞおかけになってください。]副[正純さんの弟に300億円を投資して、ブランドを立ち上げるようだな。][その通りです。有望新人も確保されていて、準備を進めています。]


[まあ、王様が仕掛ければ成功するわな。ところで明日香王国の実績を紹介して、日本との絆が深いようなことを言っているけどあれは評判がいいし、皇室を敬う態度も好感が持てる。


国ごとに手直しをしていると思うけどいい試みだ。]


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[そうですね。ネット販売で荒っぽく稼いでいるところもありますんで、心証をよくするようにとの宣伝です。]会長[なるほど。こういうことも必要だな。


私はブランドを作っていくというのは賛成だし、セレブ地区という金持ちが集まる場所にあるのでそこで売れるものが無ければ話にならない。]


[正純さんの弟は3年もあればルイヴィト〇などを束ねる会社に、勝てると言っているので300億円を預けました。]


副[はっはっはっ。正芸というのは競馬ばかりやっているアホンダラだけども、兄貴の顔は潰さないだろうよ。案外とこういうのが化けるんだよな。私は面白いと思うよ。


それにその新人というのは探ったら、なかなか面白そうな娘だね。][天性の才能があるとともに性格も素直なので、正芸さんが面倒を見れば期待通りに伸びると思います。


その他にとびっきりの天才を3人用意しますんで面白くなってきますよ。]会長[ルイヴィト〇を倒せば世界一だぞ。]副[はっはっはっ。その通りだ。]


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サスケがブータンの桶屋から帰ってきた。木椀20個を持参してきた。


サスケ[予想通り追加で10椀作っていましたが、これは見事なものです。倍以上で売れる代物です。][う~む、これはうなるしかないわな。悪いけど遠州さんを呼んできてくれますか。]


遠[ほう、また凄いものですね。大名物の”九十九なすの茶入れ”の景色そのものです。こんな材料があったんですね。これは珍品ですので、先日のものの倍の評価は当たり前です。


もう1品の方は穏やかな大地に春霞がかかったような景観で、温かみのある木材に霞状の控えめな白色がうっすらとかかっています。これも同等に逸品だと思いますので評価も同じランクになります。]


[そうですね。銘を”九十九なす”と”春霞”にしましょうか。価格は各3,500万円にします。分身の普及品は各30,000円にいたします。


元になる本歌は保管して、高台裏の銘には明日香の印を入れます。すずさん、マスコミに伝えてください。]


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向かいの合同庁舎の会議室で記者会見が始まった。


記者[以前のものより数段上のレベルですが、この2種類の材質の名前は何というのですか。][木の種類の名前はわかりませんが、普通にそこらへんで生育しているということです。


同じ種類の木材ですがこの2種類の産地は特別に生育しているところしかわかっていないそうです。作者の死んだお父さんが集めたもので、その場所はわからないそうです。]


記者[前の作品の時にアルチャナル近郊の職人さんが作者だということを聞いていますが、何人かの日本人がこの作者を探し回っているようですが、まだ見つけたという情報は入っていません。


勝手に土足で上がり込んでくるような人たちをどのように思われますか。]


[ここアルチャナルを含めた周辺は野生動物の最後の楽園と言われるところで、トラやヒョウが密集しているところです。探すのは勝手ですがそれなりの覚悟が必要です。]


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記者[気になるのは他にまだ逸品が出てくるのではないかという期待ですが、いかがでしょうか。][はい。お父さんの代に集められた木材で他にまだ発表していないものが2種類あるということですが、


遺命によりあと8年間寝かせないといけ事になっていますので、もう少し待ってください。それでは失礼しますね。]サスケ[”九十九なす”のネーミングもいいですけれど、


私は”親父の禿頭”なんて言う名前もピッタリだと思いますよ、薄朱色の地肌にかすんだ黒茶色ですもんね。][はっはっはっ。そんなもんだがな。]すず[5,000円が3,500万円っていうのはちょっと阿漕ですよ。]


[こういう当たりもないと人生が面白くないだろ。]陶芸店の入口に黒の高級車が停車し、派手な中年女性が降りてきた。しかもあの獰猛さで知られているチベタンマスチーフで100㎏はあろうか、


迫力は相当なもので石松に鬼吉も一睨みで震え上がってしまって、リード無しの猛犬が勝手に中に入っていっても何もできないでいる。


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ゴン太がすかさず飛び出てきたが、なぜだか懐かしそうな顔をしている。船橋の駅前で陶器店を開いていた頃のお客様で、確か四菱創業家の本流ということだった。


[どうもお久しぶりです。ようこそお越しいただきました。][王様で大富豪になったのに謙虚で昔と変わっていませんね。今日はインタビューで話していた木椀2種類を見に来ました。お願いできますか。]


[はいこちらになりますが、1椀3,500万円です。][それではこれとこれをお願いしますわね。][承知しました。ありがとうございます。お支払いは振り込みでよろしいですか。]


[執事がすぐに手続きをしますので、請求書を上げてください。][すずさんお願いね。][それにしても重工の筆頭になるとは思いもよりませんでした。


他の四菱を傘下に入れたいときは私に話してください。四菱も全面改良が必要な時期になりました。]


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[はい。ありがとうございます。こちらが請求書になります。]振り込みがすぐに確認された。[入金が確認できました。まことにありがとうございます。こちらがお品です。


四菱さんのことでお伺いすることがあるかもしれません。その節はよろしくお願いします。]

[お待ちしております。では失礼。]チヨと昴は目をパチクリさせている。


昴[5,000円で買ったものが3,500万円になっちゃうんですか。]チヨもポカンと口を開けたままである。[商売はこういうときもあるし、5,000円以下の損をして売らなければいけない時もある。


だからいつも謙虚にして前を向いていることだ。]二人[はい。わかりました。]真田首相と竹中参謀長がやってきた。[どうもご苦労さんです。


実は四菱本家の奥様が来られて3,500万円の茶碗を2個買われていきましたが、他の四菱の買収の話があれば援助をするようなことを言っていました。四菱で何処か面白いところがありますか。]


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[創業家から離れていますが、自動車は元々が重工からのものです。元に戻っても全く変なものではありません。それにコロナでルノ〇に日〇それに四菱は大赤字ですので、攻めるのでしたら今です。


他からどこも援助をしないと思いますので。]真[その通りです。日〇とルノ〇の株を30パーセント下げにすれば勝負ありです。3週間で決着がつきますよ。


竹[日〇がうちと水燃料エンジンで提携しましたが、四菱はまだです。今のところ将来の展望もないのですぐに落ちますよ。][わかりました。すぐに取り掛かります。]


翌日、日〇に四菱それにルノ〇の株が全面安になったが、王様はすぐに四菱に買いが入らないように手を打ってしばらく見守る事にした。


この時点では株主が売りに出しただけで王宮の絡みは全く表面に出てこないのである。真[日〇と四菱の内部情報ではかなり慌てふためいているようです。これ以上下がると責任問題ですからね。]


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竹[1週間後に四菱を20パーセント下げにすればこれでギブアップです。ここでも王宮関係は何も出てきませんが、ここで頃合いを見計らって企業買収班を投入します。


この時に他から邪魔をされないように超能力を入れてください。それにマスコミもほったらかしにするように気を入れてください。これで買収をしてしまいます。


王宮の持ち株会社が筆頭株主になり経営権も全面移譲します。]


四菱自動車株は日〇が過半数を持っていてルノ〇も持っているので、両社の株価を追加で各10パーセント下げて当初より40パーセントダウンになった。


四菱は運命の追加の20パーセント下げで、当初より50パーセントダウンである。王様はすぐに買収班に出動を命じて事に当たらせた。


真[買収班がどんどん攻め込んで、間もなく両社から全面買取りになります。まったくのクズ値で買えるのでいい買収ですね。]

いよいよ四菱重工に続く四菱自動車の買収工作が始まりましたよ。

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