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天啓の雲   作者: 古寂湧水 こじゃく ゆうすい
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東海村原子力発電所の前に祭壇を設けて、王様以下が観世音宗の式服で真言を唱えると・・・ありゃ不思議・・。

3分で2兆5千億円をいただきですね。

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他の勉強もして来いということです。そこで6年そして大工修行で6年の12年を他で学びました。ですからこのお椀の周囲に動物や草木の彫刻もできますし、ホゾを組み込むのも何ともありません。


それとここにも塗りの漆職人がいますが、できることなら自然の木肌のままの方が面白いですよ。]


[それでは持参した抹茶茶碗と写真集を参考にして彫刻と出っ張りを入れて、大将の感性で好きなように2個作ってくれるかな。1個5,000円×2個=10,000円でいいかな。]


[こりゃあどうも、一生懸命に作りますが、明後日までに仕上げます。金はその時で結構です。][ではよろしくお願いしますよ。][承知しました。]


チヨ[いいのができそうですね。自信のある表情をしていました。]昴[ボクもそのように思います。おじさんの目が生き々していました。]兆助もワンワンワン。と鳴いている。


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全く違う木の種類で2椀が出来上がった。1椀目は緻密な木目で高山に生息しているものと思われる動物が彫られているが、


巧みに木目を活かせて洒落っ気があるし見ていて飽きないものになっている。2椀目は初めから薄い墨色になっていて木目は多少だが見える。ここに草木が鋭い感じで彫られている。


どちらも秀逸である。高台はホゾで細かく丁寧に埋め込まれていて、少し叩いてもビクともしない。[これはいいものだな。あと10個を同じように作ってくれるかな。


お金はここに全部を払っておくが、6万円で頼む。2週間でやっておいてくれるかな。][これはどうも喜んでやっておきます。]チエ[これはいいものです。良い買い物になりました。]


昴[ボクは直感で高いものになると思います。][そうだけど売るかどうかはまだわからんし、お茶会用だけというのもある。


遠州さんと良く打ち合わせをしてからだな。でもチヨちゃんの言うとおりこれはいいものだよ。]ワンワンワン。


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サスケ[へぇ~、これはたまげました。150万円でもいけますよ。]すず[それでも安いくらいです。作者はアルチャナル太郎とでも言っておきましょうか。


この木肌は使い込むほど趣のあるように変化していくと思います。萩の七変化のように。]


[そうなんだよな。木の種類を吟味してお茶碗の用途をちゃんと理解しているようだ。これは案外と思っている以上かもしれんぞ。]


子供たちは隣家の3人とともにセミを獲りに行った。ここら辺のセミは大きくて非常に鳴き声がうるさい。昴はまだ小さいのでなかなか獲れない。


チヨ[昴ちゃんまたおしっこをかけられちゃったわね。私が獲ってあげるわ。]チヨも同じようにしょんべんをかけられている。昴[来年はちゃんと獲れるようになろうね。]ワンワンワン。


明日香ショッピングの社長が来ている。


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[C国はうまく行ったな。現況はどうなっているのかな。][はい。蟻馬鹿も他のライバル店も軒並みに5分の1の販売になりまして、弊社のショッピングがNO1になっています。


どんな奥地にも2日で配達されて品物も間違いないことがSNSで広がって好結果になっています。それとキッチンメニューが熱々で配達されるのも受けています。]


[C国は冷たいものではなく、熱いものが主流だからな。フィリピンやベトナムも好調のようだね。][はい。特にフィリピンはどんなに小さな島であっても、


またどのような災害地であっても迅速にそして変わらぬ価格で届けることに驚いて、ドゥテル大統領も大満足のようです。ベトナムでは日系人の信頼が高いので、最初から好調です。


あと、キッチンメニューは日本人とK国人の出張者が多いので両国のメニューを手頃な料金で出したところこれも人気です。]


[わかりました。引き続きマレーシアにインドネシアでも頑張ってください。]


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すず[王様は超能力管理費で50パーセントぐらいいただいて、またその上にもうけの配当をいただいているととんでもない金額が入ってきます。]


[そうですね。ショッピングだけで私の取り分が年間で数十兆円ぐらいになりますかね。米国とEUROが多いですから、でも一番稼ぎの多い業種は何と言っても石油です。


3社に分けて分散していますがいまのところ合計売上で年間280兆円です。そのうち利益は270兆円ぐらいですね。


中東やメキシコは以前の埋蔵量に産油量共に3分の1にしてあり、米国もそのような感じになっています。まだまだ余力がありそうなのでタイミングを計って6分の1にしようと思っています。


元の砂漠の民に戻るべきですね。米国はコスト割れになるのでシェールは廃業になると思います。]サスケ[これはまたすごいことになりますね。]


すず[石油でだいぶいい思いをしましたので、原点に返ることもいいことかもしれません。]


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明日香電力と建設の社長がやってきた。


[契約の段取りができたようだね。]二人[はい。2週間後に先方にお邪魔することになりました。][両社ともハンコ代として750億円だけどこれは超能力が主体の仕事なので、


観世音寺とカイラス寺に事前にお布施を持って挨拶に行かなければなりません。なんといっても観世音菩薩様にお願いをするわけですから、挨拶無しではできないことですよ。


そこで祭壇の作り方を教示してもらって、発電所の前に作ってください。そこに私が行ってすべてをやりますが、その後は2社でやってください。


私共はセッテイングを終えるとすぐに帰ることになりますが、よろしいですか。]二人[はい。承知しました。両寺ともきちっとお布施を持って挨拶に行ってきます。]


[ではよろしく頼みます。][失礼をさせていただきます。][サスケさんこんなもんでいかがですか。]


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サスケ[事前に両和尚さんに言っておきませんと、びっくりしますよ。それに祭壇ってなんですか。][私が連絡をしておきます。祭壇は2兆5千億円をいただくためのセレモニーさ、演技だよ。


みんなにもそれなりの衣装を着てもらいます。]すず[そうですね。それにこの際に観世音教の代表ということをアピールしてもいいんではないんですか。]


[マレーシアやインドネシアでは信者がそれなりに増えているけれど、日本ではあんまりアピールをしたくないな。実家の身内に馬鹿にされるだけだ。]


すず[ハンコ代で750億円というのはメシウマですね。きちっと管理と引き渡しぐらいやってほしいです。まあ、拷問の王様ということも知れ渡っているようなので、ちゃんとやるでしょうけど。]


[拷問でもなんでもいい加減にやったら痛い目に合うということが、少しでもわかっていればそれはいいことさ。][そうですね。契約が終わってから数週間後が勝負です。]


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[まあ、そういうことだ。ゴンちゃん達も用意していてな。]ワンワンワン。

王宮から最高の礼装用の衣装が届いた。チヨの分も入っているが各自が試着をしている。


昴[チヨちゃん良く似合っているよ。][キャハハハ、昴ちゃんもね。]犬用にも紫の衣で金糸銀糸が、ふんだんに入っている衣装が用意された。ゴン太も試着して満足そうである。


すず[なりきっちゃった感じで演技をすればいいわけですね。2兆5千億円ですからちゃんとやりますよ。]サスケ[先祖の時代に戻ったようです。でも悪くないな。]


東海村発電所の契約が終わり、いよいよ水燃料発電所への移行の日になった。つまり建物の差し替えである。関係者が居並ぶ中に大がかりな祭壇が設けられて、


お供え物も山盛りであるが観世音寺の和尚が面白がって指示をしたそうである。カイラス寺の和尚は必ず3匹の犬を同伴させるように言ったそうだ。


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王様一行は観世音教の最高の式服で祭壇を上ったあと、横一列に並び王様が一歩前に進み出てから全員で観世音菩薩の真言のオム マニ ペメ フ ムを8回唱えた後、


王様がおもむろに”ムッ”っと短い気声を発すると、たちまちに原子力発電所が水燃料発電所になってしまった。


一行は祭壇を降りて一列に並んでから祭壇に向かって一礼後に合掌をしてから去った。ただそれだけである。あとはあちこちで放射能を調べたり試運転をしたりで関係者が騒いでいる。


村の住民はポカンとしたまま放心状態である。


サスケ[2兆5千億円が終わりましたね。会議室に華屋与兵衛寿司が用意されているようですがいいんですかね。][着替えてチヨちゃんはおばあちゃんも畑から呼んできなさい。]


[はい。喜ぶと思います。]会議室に料理と寿司が並び遠州も加わった。

[それではご苦労さん。好きなように飲んで食べてください。]


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すず[これは与兵衛の最上クラスですね。ネタが違います。][チヨちゃんには両親の分もおみやげに用意されているからね。]


祖母[そんなことまでしてくださるなんて、とてもありがたいことです。]すず[明日の新聞が面白そうですね。3分で2兆5千億円を稼ぐとか。]


[まあ、おもしろがってそんなことも書くかもしれんな。あ、話は違いますが木の茶碗はどうでしたか。]遠州[はい。年配の高弟に見せたところ驚いていました。


150万円よりもっと上で大丈夫だろうと言っていましたし、私もそのように思います。][おばあちゃん聞きましたでしょう。


この事はチヨちゃんの発案なんです。充分にお寿司を貰う資格はありますよ。]

志野[チヨちゃんが頑張った抹茶用の木椀をネットでいろいろ調べたのですが、


同じようなのはありませんでした。轆轤を使用した木地の塗り椀や樽に見立てた陶磁器の酒器はありますが。このようなものは初めてですよ。]



天然の木目を生かして、高台も(ホゾ)で組み込んでしっかり固定した木椀の抹茶茶碗は果たしていくらの値段が付くのでしょうか。作者渾身のストーリーですよ。

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