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天啓の雲   作者: 古寂湧水 こじゃく ゆうすい
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故郷の益子で陶芸家として錦を飾りました。

インドネシアの古都バタビアに模した町にやってきて、パダン料理を満喫です。

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寺犬が200か所の末寺に配置されているが、どのような活躍をしているのか聞いてみた。[ここいらへんは仏教聖地で参拝客が多いが山菜や薬草も豊富に取れるので、


決められたルートから奥に入ってしまい迷ってしまうのも多い。寺犬は日に2度ほどルートを巡回していますので、遭難の気配を察知し駆けつけて状況に応じた何種類かの遠吠えをあげるのです。


それを聞いて寺の救助隊が出動するのです。]


[うわ~ゴンちゃんの仲間は活躍しているんですね]とすず。[何か必要なことがありましたら申し出てください。おじいさんや元国王代理の老師ゆかりのお寺なので、精一杯協力をさせていただきます。]


[ありがとうございます。申し遅れましたが、ご結婚おめでとうございます。お祝い申し上げます。]いい雰囲気で気持ちよく寺を後にした。


次の訪問地はインドネシアの首都のジャカルタの前の呼び名で、古都バタビアを模した町でスマトラ島の西岸と対極にある。


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もちろんここのここの住人はインドネシア人ではなく古都バタビアの住人になりきった明日香王国人である。インドネシアはイスラム教が国教であるがその前は仏教が盛んでありバタビアは仏教の町であった。


国家戦略として、インドネシア・シンガポール・マレーシア・バングラデシュそれにインドを仏教国にする遠大な計画がある。一般的に見ればなかなかに難しいと考えるのが一般的であるが、


明日香王国は超能力者がいる国である。極端な言い方をすれば数秒でこの国々イスラム教徒を数秒で仏教徒の信者にすることができるのである。


それではあまりにインパクトが強すぎるので段階的に進めることにしたのである。


その手始めとして古都バタビアの復元である。古都を史実に基づいて忠実に復元するのでなく、仏教的要素をふんだんに取り入れそれでいてなんとなく現代に通じている、ちょっと魅惑的で面白い街になっている。


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バタビアは元々仏教・ヒンズー教それにイスラム教などがMixしていて、仏教色を強めたからといって何ら不思議はない。町には石仏が多く、お釈迦さまや観世音菩薩がまつられている。


音楽ではなんといってもガムラン音楽に力を入れ、インドネシアの古典と明日香王国独自の物語と舞踊に音楽を揃えている。西洋音楽に比すことができる偉大なものだと思い、


日本の歴史上の才能ある人たちを招へいし、超能力でパワーアップしているので最高のものになっている。バリ島のガムラン音楽は最高潮に達した時に、心臓にぐさりと来るような強烈なものを持っているが、


西洋音楽とは感動の仕方が大きく違うようだ。


町歩きをあちこちしたので、休憩のために手頃な茶館に入ってみた。中国式の紅茶がおいしいというのでたのんでみたら、福建省と潮州で作られている工夫紅茶に似ているが、


それとはまた違ったとにかく個性の強い香りと味のものである。


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[これはやっぱりストレートに限る、他のものを加えたら個性が死んでしまうので英国式の刻みのブレンドはアウトということです。あくまでも中国茶の中の紅茶ということですね。


今は異次元の世界で他の国との交流はないが、間もなく接続される。その時にこの熱帯地方の明日香王国の料理としてはどのようにもっていったらいいのか・・・。]


志野は実家がレストランもやっているので料理に興味があるのか、[ムスリム・ベジタリアン・ヒンディー用のものなどいろいろ必要だけど、マレーシア料理が幅があって面白いし、


南国にあっているので日系人に気に入られると思うわ。]すずも同調している。


ちょうど昼時になったので、西インドネシアスマトラ島パダン料理の店に入った。一人に皿15枚に盛った料理が出てきたが、料理は激辛で有名でカレー味や唐辛子の効いたものが多く、


牛の内臓や魚を使ったものが多く料金は食べた皿の分だけ払えばよい。


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アヤムと言われる地鶏のから揚げを食べてみたが、脇には刻んだ唐辛子が添えられている。小型だがチャボのような地鶏を使っているので、皮がパリッとして香ばしい。[こりゃあいけます。]


みんな辛そうなしかめ顔をしているが、おいしいということで一致した。ここの場所は高温多湿で多種類の果物が豊富に取れる。


ランプータン・マンゴー・パパイアそれに強烈な香りのドリアンなど、いずれも日系人に好まれるものだ。


首都のきゃら市は遠く離れているが、超能力の瞬間移動でたやすく運ぶことができる。首都をトロピカルフルーツでいっぱいにするのもいいかもしれない。[どうですかゴン太君。]ワンワンワン、賛成のようである。


現在、明日香王国の人口は約6億5千万人で元太平洋・インド洋それに大西洋の広大な3大陸に分布している。ほとんどが中産階級で、貧民はあんまり聞いたことがないが、


母子家庭だったり、グレて家を出たものがいたり、不良もどきも多少はいる。


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そういう下層階級や落ちこぼれの人達にもきちんと職を与えないと、悪くなりかけのものはそうなってしまう可能性がある。このような階層の人たちを新門辰五郎の幅広い度量で受け入れさせようと思っている。


つまり主体は露店販売いわゆるテキ屋であるが、一番の繁華街である福丸デパート周辺は飯岡の助五郎が仕切っているが、まずそこらあたりで手軽に南国フルーツを食べられて、


おいしく南国フルーツジュースも飲める。こんな店を出すように辰五郎に言ってみるか。それと元気のいい不良崩れの者達には、車で軽食や弁当を販売するシステムを作ってやらせようと思っている。


これもうまくいけばパイは大きいので面白いことになりそうである。


さてさて、まだまだ行かなきゃいけない所がたくさんあるのだけれど、益子にいる両親と兄弟に結婚をした旨を知らせないといけない。いったん王宮に戻り、段取りをつけることになった。


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船橋の陶芸店にはサスケ・すず・ゴン太と私の分身がいるので志野だけ連れて行けば良い。さて、あっという間に切り替わって船橋の陶芸店に連れてきた。


かなり売れ行きがいいみたいで、地元の益子から展示させてくれというオファーも届いているようだ。


さてどうするか・・・実家に結婚したことを報告しなければいけないが、志野は異次元の人でありまだ正式な結婚発表はできないので、彼女を紹介するにとどめることにした。


実家にはみんながそろう夜に行った。志野をみんなに紹介し、陶器の販売で儲けた金で両親に300万円を渡し兄妹にそれぞれ50万円をプレゼントした。


みんなニコニコ顔で泊って行けといったが、ゴン太だけ預けて温泉と料理が手軽な料金で楽しめるうな八旅館に泊まったが、単純泉で料理もそれなりにけっこう美味かった。


陶芸のことは実家に浜田庄司を超える久々のスターということで、かなりの人気になっているようだ。


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大手のつかもとや益子焼共販センターが、是非に置かせてくれという申し込が届いていて、お親父が知らせたのか上毛新聞が取材に来るようなことも言っている。


べつに売り物の陶器は超能力でいくらでも対応できるが、取材でしつこく聞かれるといろいろ面倒だと思った。異次元焼きと言ってもまともにしゃべったら頭がおかしいと思われてしまうので、


船橋の一戸建てに住んでいてガス釜でささやかにやっているだけだと答えることにした。


久々に益子陶器を販売している、つかもとに寄ってみた。峠の釜めしの容器造りがメインで、研修生はここで仕事をしながら研修所に通っている。


卒業生には有名だったが早死にしてしまった加守田章二などがいる。

浜田庄司の次の世代のエースと期待されていた惜しい人材であったが、その後には誰もいない。


兎の糞みたいに小粒なものばかりでスターがいないのだ。サスケとすずに命じてすきなだけ置かすようにした。


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展示場所といったらやっぱり、日本橋四越デパート8階の特選展示コーナーが有名である。ここは不動産会社に勤めている時に、日本橋高島屋の該当コーナーとともにしょっちゅう訪れていたところである。


その頃は勤めをしながらあっちこっちの陶器店やギャラリーを見て歩いていた。ある陶芸作家が四越デパートの展示場で個展をやっていたのだが、入口でジロリと中を見渡してニヤニヤと笑って、


そのまま帰ってしまったこともある。中にいた本人と目が合ったのだが、うん・・・なに者だろうと首をひねっていた。


作家さんには失礼をしたが、生意気な時もあったのである。志野を連れて益子焼共販センターに行ってみた。もちろん一般客としてだがすこしは興味をひくものもあるものの、昔から傾向が変わっていない。


すなわち浜田庄司派か加守田章二派か、その両巨頭の影響を受けたものばかりで後がいないのである。


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結局、私の益子琳派がその後に続くのかな、何の賞も取っていない陶芸家でもかなり有名になっていて、抹茶茶碗一個で250万円程である。


前からオファーが入っている有名な日本橋四越デパート8階の特選売り場での個展であるが、なんだかんだで半分ぐらいの手取りか・・まあ、金には余裕があるので、


儲けよりも10日の開催期間中にどのような人が来るのか楽しみである。


そして私のほうもオリジナルである益子琳派風のもののほかに、世間一般が驚きの声をあげるような催しを差し込んでおかなければ私としても面白くない。それにはどのようにするか・・・。


考えついたのが喜左衛門井戸と同程度の総合力を持った大井度茶碗(国宝級のもの)、それに重要文化財程度の熊川に三島の3点を同時に展示し、


案内状にもその大井戸茶碗を載せるようにすれば見る人が見ればびっくりするでしょう。なにしろ成り上がりの賞なしの一作家が、とんでもないものを展示するのだから・・さてどうなるか。

いよいよ陶芸家の檜舞台である四越デパート8回の特選売り場の個別展示場の展示に向けて動き出しました。

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