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天啓の雲   作者: 古寂湧水 こじゃく ゆうすい
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子供たちの策略で王様の嫁取が進んでいます。

子供たちのおいしいものを食べたいという執念はすごいですね。

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性格は大変に穏やかで人懐っこいので、すぐに子供たちとうちとけてじゃれあっている。滝から流れてくる川は水深が50㎝で、釣りのポイントは川幅が広くなっている。


ヤマメが主体でビワマスにイワナがすこし混ざっている。


ビワマスは琵琶湖だけに生息しているがたいへんに美味で刺身にもできる。王宮の係り員がすでに釣り具とエサを準備してあるのですぐに始められる。調理人が3人控えていて、


釣果があればすぐに対応をしてくれる。犬達もご相伴があると思いウキウキしている。はやくもター坊とよっちゃんにあたりが出た。


子供たちはいままでにあんまり釣りをしたことがないようで、夢中になっている。


志野の両親と子供たちはたくさん釣り上げ、調理人がすばやく料理をしている。焼き魚にビワマスの刺身、それと具だくさんのバラ寿司にマンゴーやライチなど5種類の果物が盛ってある。


塩抜きで焼いた魚をたらふく食べて犬達も満足そうにしているし、両親も目を細めて納得顔である。


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[ここに住んでいると、毎日ごちそうが出るの。]と5歳のよっちゃん。ター坊も関心があるようだ。理由はしょっちゅう来れると、しょっちゅうご馳走にありつけるんじゃあないかという子供らしい発想だ。


[王様とお姉ちゃんが結婚するといいね、よく遊びに来れるし犬もたくさんいて面白いから。]ター坊は口と裏腹に、ごちそうのことで頭がいっぱいのようである。


[お父さん結婚してもいいよね]とよっちゃん。タエとおヨシはうなずきあって、これから私たちが積極的に進めようと思った。子供たちは志野の段取りで、おいしいお菓子をたくさんお土産にもらった。


みんなニコニコ顔で[またきてもいいかな~おかしありがとう]よっちゃんにター坊、それに他の2人も嬉しがって帰っていった。


両親も、王様によろしくと犬の頭をなでながら充実をした顔で帰っていった。子供達4人は正門を出てからすぐに相談を始めた。なんと言っても毎日ごちそうを食べれる誘惑の力は強い。


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タエ親分何とかしてよとよっちゃん、[お父さんに中に入ってもらって、何とかならないかしら]おヨシも[両親にいい考えがないか]聞いてみるとのこと。


口いっぱいにお菓子をほおばって、夢心地でそれぞれが帰っていった。


定食屋に戻ったおヨシはお父さんに[バードサンクチャリーのお姉さんは王宮で王様の秘書みたいな仕事をしているんだけど、私の友達のほとんどが王様とお似合いだと言ってるの、


なんかおもしろいアイデアないかな~。]母親もそれを聞いていて[私もお似合いだと思うな、お父さんいい考えない。]


[なくもないぞ、ここを借りる時にお世話になった元国王代理の老師が、そのうちにここから王様の嫁が出ると予想して正門前をあてがったと言っていた。


きっと賛成をしてくれると思うよ、新門の親方と話してみるわ。]おヨシの顔がぱぁ~つと明るくなった。さっそく、さきほど別れた仲間のところに連絡をしに行った。


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タエとター坊によっちゃんは自宅前の道路で遊んでいたので話したら、まずタエが相槌を打った。他の二人も必死の形相でタエの顔を見ている、


タエは[まかしてって、私がお父さんにきちっと話をしてみる。]と頼もしく言い放った。


あとからおヨシの父親もやってきてすぐに話がまとまって、これからお寺の老師に会いに行くといった。タエは2人の話を聞いていて[ここは子供の出る幕じゃあないけど、


私とおヨシちゃんは志野お姉さんのことはよく知っているので、私達からも話をさせてください]と力強く言った。


2人は顔を見合わせて[いいよ、2人ともついておいで。]裏山の観世音寺の住職で副法王をしている老師のところに4人が行くと、寺務所でくつろいでいたが懐かしい2人に会ったので快く向かい入れた。


[それぞれの娘さんたちですか、いい娘さんに育っていますね。]と目を細めた。おヨシ父[その節はいろいろお世話になりましたが、ご無沙汰をしていまして申し訳ございません。]


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[いいんですよ国王をよろしくね、で、今日の要件は何か面白いことでもありましたか?][じつは国王のお嫁さんのことで、揃ってお伺いしました。]と辰五郎[どこかにいい娘さんがいましたか?]


[老師の予想どおりというか、王宮正門前のバードサンクチャリーの娘さんが相性がぴったりの感じです。今、王様の秘書のような仕事をしていますが、


この娘達もお似合いだと騒いでいますので、お伺いした次第です。]老師[子供達は正直で直観もするどいものがありますが、そのとおりでしたら嬉しいですね。今度直接、王宮に行って確かめてみます。


すぐにこちらから打ち合わせの相談があると思いますが、その節はよろしく。]と丁重な話であった。


帰りにまんじゅうを5つずつ包んでくれて、子供たちにも持たせてくれた。辰五郎の事務所の前でター坊とよっちゃんは心配顔で帰りを待っていた。


[あんたたち待っていてくれたの]とまんじゅうを一つづつ渡した。


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[うゎ~いさすが親分、うまそうだな。]ともう大喜びである。DOGOのMix犬の力丸も子供たちの笑顔に合わせて、嬉しそうにしている。[ター坊達は期待して待ってていいよ。]


[うわ~ぃごちそうの山になるな]と心配顔がニコニコか顔になり、喜んで帰っていった。


2,3日して、老師がいきなり王宮にやってきた。志野がすぐにお茶と茶菓子を持っていくと、[まあ、ここにお座り、私をご存じかな][はい、老師様です。]


[う~む、あなたの周りの方達がいい娘さんだというので様子を見に来たんじゃ。あなたの両親はよく知っているけど、こんなしっかりした娘さんが生まれるとは大変うれしく思っている。


突然に不躾で失礼じゃが、国王との相性がよさそうだとの声が多数から聞かされている。あなたはどのように思っていますか。][まだ仕事上のことだけで個人的なお付き合いはないのですが、


たいへんスムーズでストレスのない毎日を送っています。ですが私は一般庶民で普通の家庭の娘です。]


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[な~に国王も現次元の日本で一般サラリーマンの子供として育ち、三流大学出で競馬ばかりやっていたしょうもない男だった。それがどういうわけか観世音菩薩様に見込まれて、このようになってしまった。


まあ現次元の日本では陶芸家で大変有名になり、現在トップの実力になっているがな]


[私もそれに両親も陶芸が好きなので、したしみやすいですね。私はむしろありがたいくらいで老師様から両親に言ってくだされば、すべてうまくいくと思います。][そうか、そうか、じゃあ進めるぞ。]


と嬉しそうに帰っていった。ゴン太は聞き耳を立てて尾を振って、とてもうれしそうにしている。


[まさか私が観世音菩薩とは思いも寄らないでしょう。]なんて思っているのかもしれない。それから数日たって老師はバードサンクチュアリーの志野の両親の所にやってきた。


事前に志野が話してあるので事は大変いい感じだった。[宮内省の係官が話をしに来ますので、お願いしますよ。]


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宮内[民間同士の結婚でしたらお嫁入り道具とかいろいろ費用がかかりますが、こちらは王族ですので一切の費用はこちらで負担をします。結納品代わりにそれなりの金額を用意しますので、


全く心配なさらず待っていてください。]ともう確定の雰囲気で帰っていった。国王はもちろん老師に任せると言ってあるので、ほとんど決まりのようである。


すぐにこの情報はタエとおヨシにも入ってきたので、ター坊とよっちゃんははしゃぎまくって大騒ぎをしている。国内向けにはそれなりの体裁を整えなければならないが、


ここはまだ異次元の世界で対外的には何もないので事は簡単である。


王宮から車で15分のところにある正殿の大広間でそれなりの威厳のある格好をして、要人に食事の提供をしなければならないがこの時間を最短にして、あとは気の知れた身内で祝おうと考えている。


辰五郎とおヨシの父親に仕切らせて段取りは進んでいる。


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なんでも祭りの山車や神輿が総出で町内を回ってから、王宮の正門前に集合するそうである。王様は辰五郎に[金はかかっていいから景気よくやってくれ。それと子供たちにも充分にお菓子などがいくように頼む、


あとは宮廷の担当者と話をしてくれと積極的である。


島津のコンビや竹中半兵衛などのスタッフは現次元に接続する準備で多忙だが、式の当日と次の日は国民の休日にしたので充分に楽しめると喜んでいる。お菓子の詰め合わせを子供たちに配ることにしたが、


辰五郎はいつもの子供4人組を呼んで話を聞いた。タエとおヨシは子供仲間の年長者として常識的なことを言っているが、ター坊とよっちゃんは自分の食べたいものをたくさん言って譲らない。


あまりこういう機会はないので、真剣そのものである。


その時どういうわけかゴン太がター坊とよっちゃんの前にやってきて何か言いたそうである。おヨシは犬が好きでゴンタと仲良しなので気持ちを察して話し出した。


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[ター坊とよっちゃん、ここでがんばらなくてもお姉さんがお嫁に行ったらいつでも遊びに行けて、ごちそうが食べられるのよ]と言ったらゴン太もワンワンワンと同意をしている。


親分のタエもうなずいているのでなんとか了承して収まった。


門前町の各家庭に伝統の紅白の落雁菓子も配ることにし、門前町商店街にも目玉のセール品を出すように伝えた。観世音寺では新年に舞う特別の祝賀の舞を披露するということだ。


きゃら駅近くの福丸デパートでは王様が100パーセントのオーナーなので大セールを準備をしている。周囲のテキヤ連中も当て込んで張り切っているようだ。采配の飯岡助五郎親分もにんまりとしている。


結婚式は王宮行事として、つつがなく終了したが本当のお楽しみはこれからだ。早くも各町内の神輿が押し寄せ、王宮正門前でもみ合っていたが今はバードサンクチャリー横の広い芝生の上で休憩をしている。


王様の嫁取りが本番です。

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